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冥界区役所事務官の理不尽研修は回避不可能 〜甘んじて受けたら五つの傷を負わされた〜  作者: 田古 みゆう


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82/95

5.うじ茶のように渋く甘くすっきりと

5-8

「小鬼が?」

「そう。そなたに、もう1つ認証印を付与してほしいと」


 事務官の言葉に、僕の足元にいる小鬼に目を向ければ、手を口に当て、お口チャック状態のまま、小鬼は、目をキラキラとさせながら、僕を見上げてきた。


「理由は、先ほど述べた通りだ」

「僕が小鬼に『ありがとう』と言ったことがあるから?」

「そうだ。しかし、その時点で、小鬼の進言を受け入れたとして、それでも、焼印は、4つだ。最終研修をクリアすれば、大ごとになるが、クリア出来なければ、全く持って無意味な行為に成りかねん」

「……ですね。何百年か後に僕が最後の認証印を得られるかなんて、分かりませんから」

「しかし、小鬼は分かっておったのだ」

「えっ?」


 小鬼が分かっていたとは、どう言うことだ。まさか小鬼には、予知の力があるのか。


「何百年か後ではなく、そなたが、最終研修をクリアすると、小鬼は断言した」

「な、なんで……? 小鬼には、予知の力でもあるのですか?」


 僕の質問に、事務官は呆れたように鼻を鳴らす。


「そうではない。小鬼は、ただそなたを信じておっただけだ。そうだな。小鬼?」


 事務官に声を掛けられた小鬼は、口元の手はそのままに、コクコクと頷く。


 そんな小鬼の姿と事務官の言葉に、胸に熱いものが込み上げる。


 僕は、これまでに、これほどの信頼を寄せられたことがあっただろうか。


「こ、小鬼……」


 思わず言葉に詰まる。


 しかし、事務官は、そんな心の余韻には浸らせないとでも言いたげに、淡々と言葉を繋ぐ。


「そうは言っても、小鬼の直感に安易に乗るわけにもいかぬ」

「まぁ、確かに、そうですね。五芒星でしたっけ? それの可能性があるってことですもんね?」

「うむ。そこで、最終研修は、私も直接立ち会う事にしたのだ。己の目でそなたの人となりを確認した後に、判断を下すために」

「なるほど。だから、最後だけ監視……じゃない、お付き合い頂いたんですね」


 言い直してみたけど、しっかり聞かれてしまったようだ。


 僕の言葉に、事務官は軽くため息を吐く。それから、面倒くさそうな声を小鬼に向ける。


「もう良いぞ、小鬼。ここからはそなたに任せる」


 事務官の言葉に、小鬼は口元から手をパッと離して、大きな声で応えた。


「畏まりました〜」


 事務官に一礼してから、僕の方へと向き直ると、はち切れんばかりの笑顔だった。


「古森さんが一生懸命、研修に臨むお姿をご覧になって、小野さまは、追加の焼印を認めてくださいました〜」

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