表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冥界区役所事務官の理不尽研修は回避不可能 〜甘んじて受けたら五つの傷を負わされた〜  作者: 田古 みゆう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/95

1.あんず色の世界で

1-12

 そのため前例がなく、救済措置について地獄の裁判で大議論へと発展したのだという。


 ゼロという数字は、即ち、人の心を持ち合わせておらず、人として極悪極まるということで救済措置なし。最恐レベルの試練を無期限で受けるべきという意見が出ているらしい。


 しかし、僕の場合は前例がないとはいえ、それ以外は普通の死者と同レベルの五戒違反しか犯していないのだから、一も二もなく最恐レベルへ送るということに異論を唱える役人もいるようだ。


「そこで、そなたには研修を受けてもらうことにした」


 小鬼の説明を引き取った事務官が、役人らしい事務的な口調で後を続ける。


「け、研修って……さっき言っていた、ありがとう……プログラム?」

「そう。『ありがとう体感プログラム』だ」


 どんな研修か知らないけれど、そのネーミングセンスは如何なものか?


 そんなどうでもいい事を頭の片隅で考えながら、僕は別の疑問を口にした。


「それを受けると、どうなりますか?」

「現時点では、そなたの人となりを見ることが目的だ。結果次第では、他の者同様に救済措置が与えられることになるやもしれん」

「結果がものすごく良ければ、地獄行きが取り消されたりなんてことは……?」

「五戒を犯している以上、今のところそのような措置は考えられていない」

「じゃあ、研修を受けなければ?」

「即、最恐レベル行きが決定する」


 どっちにしても、地獄行きは変わらないらしい。


「研修、受けるべきですよね?」

「まぁ、そうすべきだろうな」

「それ以外に、現状を良くする術はないんですよね」

「私の知る限りでは、ないな」

「やらなければ、最悪なことになるんですよね?」

「最悪かどうかは本人次第だが、少なくとも私が当事者であるならば、全力で回避するであろうな」


 つまり、選べる選択肢は一択のみ。ここは諦めるしかなさそうだ。僕は、大きく息を吸い、少し溜めてから一気に息を吐き出す。それで、気持ちは固まった。


「わかりました。それで、その研修というのは、何をすれば良いのですか?」


 事務官が話している間は、彼の足元で大人しく控えていた小鬼が、僕のいるベッドへ駆け寄ってきた。僕には腰を下ろすのにちょうど良い高さのベッドだが、背の低い彼には、結構な高さなのだろう。「ヨっ」と声を出しながら、ジャンプをしてベッドへ飛び乗ってきた。


「古森さん〜、ご決断が早くて良かったです〜。こんな機会滅多にありませんから〜。本当に特別措置なんですよ〜」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ