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第43話 大きな違和感




 いろいろ後処理があるため、お父様共々もう二、三日は王都から動けないことになった。

 未亡人の住むお屋敷に男やもめの男爵が泊まるわけにはいかないので、お父様はミッセル氏が手配してくれた宿に泊まることになった。

 私とキース様もそちらに移ろうと思ったのだけれど、夫人が心配だと反対するので私は引き続き伯爵家に泊めていただくことになったのだが、キース様は夫人の申し出を断って宿へ行ってしまった。


 え?なんで?


 なんとなく、キース様は私と一緒にいてくれると思っていたので、何か釈然としない気持ちになった。

 まあ、いろいろ忙しいのだろうし、キース様だってたまには私のお守りから解放されたいのかもしれないけれど……


「でも、なーんかよそよそしい気がするのよね……」


 伯爵家の私に与えられた客室で、一人ごちる。返事はない。


 私が目を覚ましてから、キース様は一、二度顔を見に来てくれたけれど、あまり話をしないうちにさっさと宿に移ってしまった。

 ディオン様は何かと気にかけてくれるし、ロベルト王子からも見舞いのお花が届いた。変わった形の花だなと思っていたら、なんと食虫植物だったのはびっくりしたけれど、珍し物好きの王子のやることなので仕方がない。ちゃんと綺麗な花束を届けてくれたミッセル氏はさすがに大人のちょい悪イケオジである。


 部屋に飾られた色とりどりの花と食虫植物を眺めながら、私はもやもやした気分を抱えていた。


「あーもう!なんか変な感じ!きんちゃん、ぎょっくん、何だと思う?」


 人類にわからないことは魚類に尋ねよう。

 私は自分の中にわだかまるやるせない感じの正体が知りたくて、きんちゃんとぎょっくんに尋ねた。


 部屋の中は静かで、なんの答えも返ってこない。


「きんちゃん?ぎょっくん?」


 私はベッドに身を起こして室内を見渡した。


 そういえば、目が覚めてからきんちゃんとぎょっくんの姿を見ていない。声も聞いていない。


 あれ?


 最後にきんちゃんとぎょっくんを見たのは、捕まっていた時、キース様を呼んでくると言って飛び出していった姿。


「……あれ?」


 私はベッドから降りて室内を、花瓶の中やクローゼットの隙間まで覗いて二匹の金魚を探した。


 小さな金魚達は、どこにもいなかった。




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