第二話 赤の国 フランダル
久しぶり...?
禿頭のおっさんコスプレイヤーに知り合いはいないぞ?
困惑する俺らを見て、おっさんはニヤニヤしていた。
「お前たち、名前は?」
「え〜と...悠斗です...」
「翔です..」
「よしよし。ちゃんと言葉は通じるな!俺はガイルだ。よろしくな!
それで、お前たちは何処からきたんだ?」
「え?この通路の先の洞窟からですけど」
おい翔。多分そういうことを聞いたんじゃないと思うぞ...
それに、先程の文字に続き、言葉も通じるとなると
いよいよ異世界言語スキルみたいなのがあるっぽいな。
「そんなことは分かってる。聞きたいのは洞窟に来る前のことだ」
「え〜と、洞窟で目覚める前は、日本という国にいました」
「ふむ。日本というと、地球か?」
「「知ってるんですか!?」」
おっと、ハモってしまった。
「まぁ落ち着けって。知ってるというか、聞いたことがあるだけだ。
ここには色々な奴らが来るからな」
転移者は俺達だけじゃないってことか?
それなら、あの看板にも納得だ。
さっきの発言も、久しぶりの転移者って意味か?
「とりあえずもう夜だし、話の続きは街に入ってからにするか。
もうすぐ交代の時間だから、ちょいと待っててくれ。
俺が宿まで案内してやるからよ!」
「「あ、ありがとうございます。」」
とりあえず、一安心か?
色々聞きたいことはあるけど、ここはガイルさんに従おう。
あの長い通路をひたすら歩いてきたので
もう、くたくただ。
「お疲れさまです。交代します! お!渡り人ですか?久々ですね!」
でかい門の端っこに小さいドアがあり、そこから若い男が出てきた。
「おう。カケルにユートだ。ついさっき来てな。」
「僕はカシューだ。ここまで来るの大変だっただろう。」
「翔です!長すぎですよこの通路...」
「悠斗です。もうくたくたですよ...]
「ははは。まあ壁のおかげでモンスターに襲われなかっただろう?
多少、長いのは大目に見てくれ。」
やっぱあの森、そういうのいたのか...
何もなくてよかった。
「よし、交代のカシューが来たことだし、そろそろ街に入るか!
じゃあ、あとは頼むな!」
「了解です!」
ガイルさんがカシューさんと持ち場を交代し
俺達をドアの方に促す。
「カケルとユート!中でまた会うかもしれないけど、頑張れよ!」
頑張る?何を頑張るんだろうか。
カシューさんにそう言われて、疑問に思った。
「はい!ありがとうございます!」
「頑張ります!」
なんのことだかわからないが、当たり障りのない返事をしておく。
そうして、カシューさんと別れ
ガイルさんについていき、中に入った。
「ようこそ!赤の国 フランダルへ!」