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第二十四話 二日目の周回と疲労困憊

ブックマークありがとうございます!


今日の夜、できたらもう一話投稿する予定です。

よろしくお願いいたします。

 


 〜翌朝〜



 今日も、昨日と同じくダンジョン周回だ。



 朝食をとって、準備をし始めた。


 因みに、昨日は何とか欲望に負けずに、

 耐えることが出来た。


 ミーアがしきりに誘惑してきたが、

 しばらく無視していると、

 捻くれたのか、やっと寝てくれた。


 そのせいで、朝からご機嫌斜めだ。



 そういうことは、街に帰ってからにしてほしい。



「よ〜し、今日も元気にダンジョン周回だ!

 ボス戦も大分余裕になったが、何が起こるかわからない。

 油断しないようにいこう。」


「「は〜い。」」

「......。」


 ミーアはそっぽを向いて黙っている。

 いい加減機嫌を直してほしいもんだ。



「ミーア怒ってるみたいだけど、なんかしたの?」

 エリーが小声で聞いてきた。


「なんもしてないから、怒ってるんだろうな。」

 普通女の子は、逆のことで怒るもんなんだが。


「なによそれ...。なんでもいいけど、

 空気悪いから、なんとかしなさいよ。」


 なんとかって...。

 ここでいきなりおっぱじめる訳にもいかんしなぁ。



 この世界の女の子は皆こうなのか?

 積極的というか、情熱的というか...。




「ミーアさん。ご機嫌いかがかな?」

「不機嫌。」


 うん、見りゃわかるよ。


「昨日、無視したのは悪かったよ。

 でも、しつこく誘惑してくるミーアがいけないんだぞ?」


「無視することないじゃん。」


 無視しないと、やるまで構ってくるだろうに...。


「悪かったよ。街に戻ったら、

 いくらでも構って上げるから、機嫌直してくれ。」


「.....じゃあ、ドロテアさんのお店であれ買う。」


 え、それって精力剤のこと?

 それは、ちょっと...。


 そもそも、あの薬ほんとに飲んで大丈夫なのか?

 怪しいばーさんの、怪しい薬だぞ?


 返事に困っていると、ミーアが無言で睨んできた。



「わ、わかったよ。買いますよ...。」

「ならよし。ご機嫌。」


 はぁ、面倒なことになってしまった。

 買う時絶対ばーさんになにか言われるだろうしな。



 もうなんでもいいや。

 それで機嫌が直るなら、万々歳だということにしよう。





 そうして、準備を終えた俺達は、

 二日目のダンジョン周回を開始した。




 昨日と同じく、三階までは二人を背負っていき、

 三階、四階は少し急ぎめで、ボス部屋までを最短ルートで行く。



 もう、慣れたもんだな。

 あっという間に五階に到着だ。


 そして、中鬼とボスをサクッと倒して、

 一周目が終わった。


 昨日の一周目より、大分早くなったと思う。

 その反面、レベルが中々上がらなくなってきたが。



 結局、最終層のボスが大死鬼になることはなかった。

 一回限定なのだろうか。


 もしかしたら、他の初級ダンジョンに行ったら、

 同じようなことが起こるかもしれない。


 近にくあるなら、行ってみるのもありだ。




 ◇




「よーし、今日はこの辺で終わりにするか。」

「今日は街に戻るんだろ?」

「あぁ、そのつもりだ。流石に二泊もしたくないからな。」

「同感だ。」



 七周くらいしただろうか?

 昨日より、早めに切り上げて街に帰ることにした。



「お疲れ様。この前ほどじゃないけど、

 結構レベルアップしたわね!」


 今回のダンジョン周回で全員のレベルが30になった。

 やはり、変異種といえど中鬼では、

 中々上がらなくなってきた。


「そうだな。だが、このまま、

 初級ダンジョンでレベル上げは無理があるかもな。

 今後、どんどん上がりづらくなりそうだし。」


「んーでも、中級ダンジョンはまだ厳しいと思うわよ?」


「そうだよなぁ。

 他の初級ダンジョンって街の近くにあるのか?」


「ここより、ちょっと遠いけど、

 小鬼を狩ってた森の奥にあるわね。

 でも、初級ダンジョンなんて、

 どこもあまり変わらないと思うけど。」


「まあ、そうなんだろうけど。

 他のダンジョンなら、この前の大死鬼イベントみたいのが

 あるかもしれないだろ?」


「大死鬼イベントって...。」


「言い方はともかく、大死鬼くらいの強さなら、

 いい具合にレベルアップするんじゃないかと思ってさ。」


「まあ、あの時よりも強くなったし、

 負けることはないと思うけどね。」


 エリーも結構自信が付いてきたな。

 最初は、面倒なくらい慎重だったが。



「よし、じゃあ明日はしっかり身体を休めて、

 その次の日に、もう一つのダンジョンに行ってみよう!」



 ということで、次の狩り場も決まったことだし、

 急いで帰らないとな。


 外に出ると、夕方くらいの時間になっていた。





 完全に日が落ちる前に、なんとか街に帰れた。

 次からは、もうちょい早めに切り上げたほうが良さそうだ。



 街について、ギルドで魔石の換金を済ませ、

 飯を食いに行った。


 保存食ばかりで飽き飽きしていたので、

 早く美味しいご飯が食べたい。





 いつもの定食屋に行き、

 うまい飯を食い、宿に帰った。



 俺とミーアは宿に帰る前に、

 とある用事で、薬屋に来ていた。


 そう、精力剤だ。


 一人で買いに行こうと思ったのに、

 なぜか、ミーアが付いてきたがったので、

 仕方なく二人で来た。



「ばーさん、生きてるかー。」

「随分な挨拶だねユート。」


 時間も大分夜遅かったので、

 閉まっていることに期待していたが、

 まだ、営業中のようだ。


「ダンジョン攻略はもう終わったのかい?」

「ああ、特に何事もなく終わったよ。」

「それは、何よりだね。嬢ちゃんも無事で良かったよ。」

「うん、ありがとう。」



「で、今日はどうしたんだい?

 そろそろ、店じまいの時間だよ。」


 なんだよ、ならもう閉めといてくれよ...。


「これをくれ...。」

 そう言って、棚から精力剤を手にとった。


「おやおや、お盛んだねぇ。

 この前は、あんなにいらないって言ってたのにねぇ。」


 ばーさんが、ニヤつきながら俺の顔を覗き込んできた。


「こ、これには、ちょっとした理由がな...。」

「それを使うのに理由もクソもあるかい。」


 ぐっ...。

 ほんと、口煩いばーさんだ...。


「そんなことより、これ本当に安全なんだろうな?」


 このばーさんが作っていると思うと、なんか不安だ。


「な〜に、死にはしないから安心しな。」


 死にはしないってなんだよ。

 余計不安になってきたわ。


「まあいいや、どうせ飲むのは今回限りだし。」

「まいどあり。これは癖になるからねぇ。

 きっとまた買いに来るよ。」


 本当に大丈夫か、この薬...。


「じゃあなばーさん。遅くに悪かったな。」

「あいよ、精々今日の夜は頑張りなー。」



 はぁ。

 なんか気が重いなぁ。



「楽しみだね、ユート!」

「そ、そうだな。」


 まあ、ミーアがご機嫌で可愛いからいっか。




 そして、宿に帰り水浴びをして部屋に戻った。


 早速、薬を飲んでみたのだが...。



 想像以上に、この薬はやばかった。

 飲んだ瞬間、身体が燃えるように熱くなり、

 性欲がこみ上げてきた。


 そして、まるで獣のようにミーアに襲いかかった。


 それが明け方くらいまで続き、

 効果が切れると、倒れるように眠りについた。





 目を覚めると、身体が石のように重かった。

 疲労感が半端ない。



 何が癖になるだよ。

 もう絶対に飲まないぞ。



「おはよ、ユート。

 昨日はすごかった...。」


 ミーが目を覚まし、顔を赤らめて嬉しそうに言った。


「ご満足頂けたのならよかったです...。

 俺は、疲れて今日はもう動けないぞ。」


「なら、今日はずっと部屋にいよ。

 私が看病してあげる。」



 ほんとにちゃんとした看病をしてくれるか不安だな...。



 その日は一日中だらだらして過ごし、

 夕飯時にやっと部屋から出て、

 飯を食いに出掛けた。



 宿に帰ってくると食堂にエリーと翔がいた。


「あんた達、今日はずっと部屋にいたみたいだけど、

 一体、なにしてたのよ...。」


 一日中イチャイチャしてたなんて、

 言いたくないな...。


「凄い疲れてたからずっとごろごろしてたんだよ。」

「ふ〜ん。なにをして疲れたんだか。」


 エリーが意地悪な笑みを浮かべた。

 わかってるなら聞かないでくれ...。


「今度エリ―にいいものあげるね。」


 ミーアがニコニコしながら言った。

 おい、まさか精力剤じゃないだろうな...。


「なにをくれるの?」

「内緒。楽しみにしてて。」


 あ〜あ、翔どんまい。


「頑張れよ...。」

「え、なにが?」


 翔の肩をポンッと叩いて言った。

 その日が来るまで、知らないほうが身のためだ。


 翔はなんのことがわからず戸惑っていた。





「では、明日は予定通り、

 もう一つのダンジョンに行こうか。

 エリ―場所はわかるか?」


「ええ、大丈夫よ。入ったことはないけど、

 ダンジョンの前までは行ったことがあるから。」


 流石、エリ―。

 頼りになるな。



「じゃあ、朝市で食料なんかを買って、

 一応、泊まれる準備だけしていこう。

 何があるかわからないからな。」


「「「は〜い。」」」


「食料は俺と翔で持っていくよ。

 この前のレベルアップで、空間魔法を覚えたからな。

 ミーアはテントなんかを頼む。」


「わかった。」


 中々習得できなかった空間魔法だが、

 やっとまともに使えるようになった。


 それでも、使う時は結構集中しないと発動しない。

 ミーアが面倒だと言っていたのも頷ける。


 ゲームやアニメみたいに、一瞬で武器を取り出すとかは、

 まだまだ出来ないな。



 まあ、取り出す武器なんてないんだが。





「よし、じゃあ今日はこの辺で解散。

 明日に備えてゆっくり休んでくれ。」


「あんたが一番休んだ方が良さそうだけどね。」


 おっしゃる通りです...。





 ミーアは昨日で大分満足したのか、

 今日は大人しく寝てくれた。




 次のダンジョンはどんなところだろうか。

 エリーはあんまり変わらないって言ってたけど、

 ちょっとは、変化が欲しいもんだ。


 それに、あのイベントみたいのも欲しいな。

 前ほど、レベルが上がらなくなってきてるし。


 まあ、普通はこのくらいが当たり前なんだろうけどな。



 そんなことを考えながら眠りについた。




 ◇



 この時の俺は、

 あの謎の声と大死鬼の一連の出来事を、

『レベルが一気に上ってラッキー』

 程度にしか思ってなかった。


 もっと真剣に考えていれば、

 違う結果になっていたのかもしれない。


 今更、こんなことを言っても仕方ないのだが、

 後悔ばかりがこみ上げてくる。



 まさか、こんな形で二人と別れることになるとは、

 夢にも思っていなかった......。




 ◇






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