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第二十三話 ダンジョン周回

ブクマがまた増えて嬉しいです!

少しずつですが、読んでくださる方が増えてきました。


この調子で頑張りますので、

よろしくお願いします!

 



 次の日、俺達は防具を受け取り、早速ダンジョンに向かった。



 新しい防具は、サイズピッタリで、

 特に動きずらくもなく、中々かっこいい。


 翔のは、俺のより鉄製の部分が多いが、

 多少重みを感じる程度で、問題ないらしい。



「やっと初心者装備を卒業だ!」

「あんまり気にしてなかったが、

 実際、装備してみると、より冒険者っぽくていいな!」


 初めての、鉄製の防具に少し興奮した。



「二人共、よく似合ってるわ。」

「うん、中堅冒険者っぽい。」


 中堅冒険者って...。

 そう言われると、なんか微妙だな。


 駆け出し冒険者よりはましか。




 防具の感触を確かめつつ、ダンジョンに向かった。




 ◇




「さて、これよりダンジョン周回をするわけだが、

 基本的に、一階から五階まで速攻で駆け抜けるぞ。

 敵に襲われない限りは、ノンストップだ。」


「そうは言っても、私達は二人の速さについてけないわよ?」

「うん、無理。」


 そりゃ、そうだろうな。


 ミーアは身体能力強化のスキルを持っているが、

 ステータスが俺達より若干低い。


 エリーは、ステータスは同じくらいだが、

 身体能力強化のスキルを持っていない。


 なので、ずっとついてくるのは無理だろう。



「そこでだ。三階までは二人をおんぶして行く!

 俺達のトレーニングにもなるしな。

 三階と四階は、狭いし危ないから普通に進むけど。」



 まあ、翔より俺の方が若干早いんだが、

 そこは何とか頑張ってもらおう。



「えぇ...。それ大丈夫なの?」

「大丈夫大丈夫。敵が来たら魔法で蹴散らしてくれ。」


「魔石は?」

「Eランクの魔石はそんな金にならないから放置だ。」


「ちょっともったいない気がするけど...。」

「いいんだって。高速周回すれば、

 中鬼の魔石をたくさんゲット出来るんだからさ。」


「まあ、それもそうね。」

「楽できるから、最高。」


 ミーアは、嬉しそうだ。





「よ〜し、じゃあミーア乗ってくれ。

 乗り心地には期待しないでな。」

「よろしく。」



 ダンジョンに入って、早速ミーアをおぶった。

 ボス部屋の方角はだいたいわかってるから、

 すぐにたどり着けるだろう。



「カケル大丈夫? 重くない?」

「ああ、余裕だぜ! 俺の防具より軽いぞ!」


 んな訳あるかい。



 あの二人は仲直りしてから、ほんとラブラブだな。

 見てるこっちが恥ずかしくなるくらいだ。



 いつだったか翔が、『エリーは怒ると怖い』

 とか言っていたが、もはや見る影もない。



「ユート重くない?」

 ミーアがわざとらしく首をかしげながら言ってきた。


「無理して真似するんじゃないよ。」

 完全に馬鹿にしてるだろ。


「ラブラブで羨ましいなと思って。」

「あんな風になりたいのか?」


 軽いよアピールなのか、

 翔がエリーをおんぶして走り回って、

 ウフフ、アハハと笑い合っている。



「......なりたくない。」

「安心したわ。」


 あいつら、大丈夫かな...。

 なんか、すぐ別れるバカップル感出てるけど。



「お〜い、そろそろ出発するぞー。」

「お、おう、いつでもいいぞ!」


 翔のやつ、ちょっと息切れしてるけど大丈夫か?



「さあ行けー、ユート。

 あんなのに負けるなー。」


「へ〜い。」


 あんなのって...。

 別に競争するわけじゃないんだけどな。



 多少、休憩をはさみながら、一階層、二階層を走り抜け、

 三回層に到着した。


 途中、何度かモンスターに襲われたが、

 高速移動しながら放たれるミーアとエリーの魔法で、

 為す術もなく、魔石に変わっていった。



「ふぅ〜。じゃ、こっからは普通に進もう。」

「前回エリーがマッピングしてくれたおかげで、

 迷うこと無く、進めるな!」


 もう、来ることもないと話していたが、

 早々に戻ってきたな。


「役に立ってよかったわ!」



 エリーの案内のもと、

 ボス部屋まで最短ルートで進む。


 因みに、ボスモンスターは全て前回と同じだった。

 なので特に苦労すること無く、五階層に到着した。



 ふむ、一時間かからないくらいかな?

 時計があるわけじゃないから正確にはわからないが。




「ってことで、無事に到着だ。

 この先の中鬼は一人一匹倒してくれ。

 余りは早いもの勝ちって感じで。」


「「「は〜い。」」」


 大して時間もかからず、中鬼を殲滅し、

 前回と同じく、少し休憩をとってから、

 ボスに挑むことにした。





「もし大死鬼になったら、まずどうする?」

 エリーが、ちょっと不安そうに聞いてきた。


「そうだなぁ、大分レベルアップしたし、

 最初はどこまで攻撃が通用するか試したいな。

 前回と変わらない感じだったら、エリーの魔法でゴリ押しだな。」


「わかったわ。なるべく皆怪我をしないようにね。

 回復魔法分の魔力が残ってるかわからないから。」


「了解だ。一応回復薬もあるから、

 やばかったら、使ってくれ。」


 今回も、大死鬼になるかわからないけどな。



 では、いざボス戦へ!





「そんじゃ、いつもの感じでいこう。」

「「「了解。」」」



雷球(サンダーボール)

火球(ファイアボール)

「心器・双銃 爆轟弾(デトネーション)


 爆轟弾(デトネーション)雷轟弾(サンダー・ロア)のスキルは統合されてしまったが、

 以前と同じく、普通に使えるようだ。




 ドガァァァン




 ん?

 前より音が派手な気がするな。



 砂煙が収まると、ボロボロの中鬼がいた。




 いやぁ、見慣れた光景だね。


 普通の中鬼より大分強いはずが、

 もう大して変わらなくなっちゃったな。


「翔くん、後よろしく。」

「へ〜い。もうこの展開にも慣れてきたわ...。」


 小言をいいながら、双刀で止めを刺しに行った。



「ここまで楽になるとは思わなかったな。」

「そ、そうね。一気にレベルアップしたから、

 当然って言ったらその通りなんだけどね。」



 エリーが自分の魔法の威力に驚いていた。

 まあ、普通はこんなに一気にレベルアップしないもんな。




 そんな話をしている間に、翔が魔石を持って戻ってきた。

 どうやら、大死鬼にならなかったようだ。



「普通に消えちまったぞ。」

「まあ、残念だが仕方ない。」


 毎回大死鬼になってくれれば、

 レベリングが大分楽になったんだけど。


「残念って...。いいじゃない、

 無理に危険を冒さなくても。」

「安全第一。」


 まあ、二人の言う通りなんだが。

 次も勝てる保証なんてないしな。


「そうだな。とりあえず、

 毎回大死鬼になるわけじゃないと判明したから、

 また一階層から挑戦するぞー。」



「「「は〜い。」」」



 ここからは、スピードが肝心だ。

 一日で何周出来るだろうか。






 こうして俺達は、体力の続く限り、

 ダンジョン周回に励んだ。



 ◇



 そして、五周目か、六周目が終わった頃、

 体力の限界が来た。


 主に、俺と翔の体力が。



「あー、もう限界だ。」

「流石に疲れたな。今日はこの辺で終わりにしよう。」


 おんぶしてダッシュはやっぱきついな...。

 それでも結構周れたし、良しとしよう。



「お疲れ様。テントとご飯の準備は、

 私達がするから、二人は、休んでて?」

「よく頑張りました。」


 翔のおかげなのか、エリーが優しい。

 ミーアは相変わらずだが。


「助かる―。ありがとな!」

「そうさせてもらいますわ。」


 防具を外して、タバコに火を点けた。


 ふぅ。頑張った後はのタバコは格別だ。



 しかし、あれだな。

 走りまくったから、汗でベトベトで気持ち悪いな。


 そういや、せっかく魔法覚えたのに、

 風呂作るの忘れてた。


 まあ、作る場所もなかったんだけど。



 ここなら周りの目もないし、

 モンスターにも襲われないから、

 ちょうど良いかもしれないな。


 ミーアに頼んで作ってもらおう。



「おまたせ、準備できたわ。」

 そうこうしている間に、準備が終わったようだ。


「「ありがとー!」」

 二人にお礼を言って、飯を食い始めた。


 前回同様、保存食はあまり美味しくはなかったが、

 腹は膨れたから、満足だ。




「なあ、ミーア。土魔法で風呂作れないか?」

 飯を食い終わってから、ミーアに聞いてみた。


「作れるけど、面倒くさい。」

 ミーアはぶれないなぁ。


「頼むよー。ミーアも汗くさい男と寝るのは嫌だろ?」

「ユートは別に臭くない。」


 そういう問題じゃないんだよ...。


「ベトベトして気持ち悪いんだよ。頼む!」

「......わかった。」

「ありがとう! ミーアは優しいな!」


 ちょっと不機嫌そうな顔しているので、

 とりあえず褒めておこう。


「その代わり、今度何でも一つだけ

 言うこと聞いてもらう。」


 え、なにそれ怖い...。


「ど、どんなお願いですか?」

「それは内緒。」


 嫌な予感しかしないんだが...。


「わかった。なんでも聞いてやろう。」

「ならよし。」


 ちょっと怖いが、ご機嫌になったからまあいいか。



「あ、なら俺らも使わせてくれ!」

 聞こえていたのか、翔が便乗してきた。


「ユートと私のあとでいいなら。」

「もちろんだ! ありがとう!」


 ミーアが浸かった湯に、

 翔が入るのはなんか嫌だな。


 ちゃんと、お湯を抜いておこう。

 翔も魔法で入れられるだろうしな。





 ミーアが作ってくれた風呂は、

 とても土魔法で作ったとは思えない出来栄えだった。


 ちゃんと周りを壁で囲ってあり、

 プライバシーも完璧だ。


 土というより、石っぽい。

 さすが、魔法職だな。




「ふぅ〜。最高だぁ...。」

 早速入ってみたが、湯加減も丁度いい。


 この世界で初めての風呂が、

 ダンジョンの中ってのは驚きだが。




「お持たせ。」


 おい。

 待ってないし、プライバシーどこいった。


「一緒に入るんですか...?」

「嫌なの?」

「嫌ではないけど...。」


 色々我慢ができなくなるんだが。


 散々この前、翔達に言った手前、

 欲情するわけにもいかないしなぁ...。



 よし、ここは大人の自制心で乗り切ろう。




 ちょくちょくミーアが誘惑してきたが、

 心を無にして、なんとか乗り切った。


 ミーアのやつ、最近やけに積極的だな。

 最初の頃は、顔を真赤にして照れていたのに。




 あの、初々しいミーアはどこにいったのやら...。






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