第十八話 騒動の結末
あけましておめでとうございます。
仕事をしてたらいつの間にか年が明けてました。
私の年末年始のお休みはいつになったら来るのでしょうか...。
更新が遅くなり大変申し訳ありません。
今日から少しづつ更新していきます。
どうぞよろしくお願い致します。
〜翔視点〜
「おい、エリ―! ちょ、まてよ!」
おっと、思わず木村さんになっちまった。
って、ふざけてる場合じゃないぞ。
エリーはかんかんに怒ってるし、
このまま本当にパーティー解散なんてなったら、
悠斗にも、どやされる...。
絶対にエリ―に許してもらわなくては!
例え、どんな手を使っても!
というか、エリ―どこまで行くんだよ。
大分人気の無い所まできたぞ。
お、やっと止まった。
「エ、エリーさん? ちょっと落ち着いて話をしたいんですけど...。」
「なによ! 私は落ち着いてるわよ!」
こ、こわー...。
これのどこが落ち着いてるんですか。
「さっき言ったことは、誤解というかなんと言いますか...。」
「何が誤解なのよ! さっき事実だって言ったじゃない!」
助けてくれ、悠斗...。
この子モンスターより怖いよ...。
「その事実っていうのは、エリー達が日頃、
俺らに色々言ってるってことに対してで、
エリー達が俺らを利用してるだなんて思ってないよ。」
「嘘よ! なら、なんであんなこと言ったのよ!」
あれー、さっきもこのやり取りしたな。
「つい、酒の勢いで余計なことを言ってしまったと言いますか...。
俺も悠斗も本当にそんなこと思ってないよ?」
あ、あれ、また泣き始めちゃったぞ。
どうしよう...。
てか、そんな泣きじゃくって怒ることかなぁ。
確かに、ちょっと酷いことは言ったけど
ここまで癇癪起こさなくてもよくね?
しばらく、女の子と関わってなかったけど、
こんな怒ってる女の子初めてだよ...。
「エリ―? 酷いこと言って悪かった。本当にごめんなさい。
俺に出来ることなら何でもするから、許してほしいな。」
ん?なんかダメ男の発言に聞こえるけど
気のせいか?
いやいや、そうだとしても俺には後がないんだ。
絶対に許してもらわなきゃいけないんだ。
じゃないと、俺に平和な明日は来ないぞ。
かくなる上は、土下座してでも許してもらうぞ。
なんなら、靴も舐めますよ。
あ、こんな可愛い子の靴舐めるなんてご褒美か。
いやいや、何いってんだ俺にそんな趣味はない!
「俺が悪かったって。機嫌直してくれよ。
今度美味しいご飯奢るぞ? なんなら一週間毎日奢っちゃうよ?」
「食いしん坊みたいに言わないで!」
ひぃぃ!
こ、怖すぎぃ...。
また余計なことを言ってしまった...。
もう俺には無理なのかもしれない。
いや、まだ俺には土下座があるじゃないか!
もうここはジャンピング土下座しかないぞ。
華麗な土下座を見てきっとエリ―も許してくれるはず!
ザザッー
「ごめんなさい! どうか許してください!」
ふっ、決まったぜ。これ以上無いくらい華麗な土下座だ。
「バカじゃないの!? 何してんのよ!」
な、なにぃ! 通用しないだと!?
むしろ引かれてる...。
やめてくれ...。そんな汚物を見るような目をしないでくれ。
「もう...。血が出てるじゃないの...。」
「小回復」
「あ、ありがとう。」
お、なんかちょっと優しくなったぞ?
そうか、駄目人間っぽさ満載だから、同情でもしてくれたか?
ふっ、作戦通りだぜ。
この勢いで許してもらおう。
「本当にごめんな、エリ―。」
どうだ、この捨て犬みたいな表情は!
可哀相だろう!同情するだろう!
そのまま許してしまえ!
「あんたねぇ。どうして私がこんなに怒ってるか分かってるの?」
「え、そりゃあ、利用してるなんて言ったからだろう?」
「それはそうだけど、普通それだけじゃこんなに怒んないわよ...。」
あ、普通じゃないって分かってたんですね。
じゃあ、なんでそんなに怒ったのだろうか...。
「はぁ...。ユートもそうだけど、あんたも相当鈍いわね。」
えぇ...。今度はディスられ始めたぞ。
「もしカケルが好きな人に、一緒にいるのは
利用してるから、だなんて言われたらどう思う?」
「そりゃあ、そんなこと言われたらショックだし、
そんなこと無いって言うわな。」
「でしょ? な、なら私がこんなに怒った理由はもう分かるでしょ?」
はて?
今の話がどう関係あるのだろうか...。
最近の若い子の言っていることはいまいちよくわからんな。
「なんでわかんないのよっ!」
「ご、ごめんなさい!」
もう、嫌だよぉ...。
情緒不安定かよ。
「.......が......なの...。」
「え?なんて?」
「私はカケルが好きなのっ!」
ひぃぃ!
な、なにいってんのこの子...。
こんなおっかない告白があってたまるかよ...。
情緒不安定過ぎて頭がおかしくなったか...。
「...カケルは私のことが好きじゃないわよね...。」
一体全体どこに好きになる要素があるんですか...。
そりゃ、見た目はめちゃくちゃ可愛いけどさ。
こんな女の子にビクビクするの初めてだよ。
けど、そんなこと言ったら許してもらえないんじゃ...。
下手したらこの場で殺られるかも...。
はっ! だからこんな人気の無い所まで誘導したのか!
こ、怖っ!
もう断れないじゃん!
ど、どうしよう...。
いや待てよ?
もしかしたら、エリーは重度のツンデレなのかもしれない。
付き合ったらめちゃくちゃ甘えてきてくそ可愛いかもしれない。
それなら、悪くないな。
いやいや、落ち着け。
そんな希望的憶測で決めちゃ駄目だ。
もし違ったら、この先ずっとエリーにビクビクしながら
生きていくことになるぞ。
そんな人生は嫌だ。
だ、だけど、ここでエリ―にとって不満な返事をしたら
ここで、俺の人生は終わるんじゃないだろうか...。
ええい、もうどうにでもなれ!
とりあえず、この場を生きてやり過ごすことだけを考えよう。
とすると、返事は一つしか無いな。
「じ、実は俺もエリーのことが好きだぜ?」
これは、無理があるか...?
「そんな嘘を信じるとでも?」
で、ですよねぇ...。
まずいぞ、このままじゃ殺られてしまう!
なんとか押し通すしかない!
「ほ、ほんとだって!
さっきあんなこと言っちゃったのも、エリーの気を惹きたかったからだぜ?
よくいるじゃん! 好きな子にちょっかい出す奴、そんな感じだよ!」
どうしよう、もう何言ってるかわかんない...。
あぁ、もうダメだ。
俺の人生はここまでだ...。
さらばだ、悠斗...。
我が生涯は悔いしか無い。
「...そ、そうなの?」
ちょ、ちょろいぞ!
いけちゃうのか!?
「そうだよ!エリーの可愛くて面倒見の良い所が大好きだ!」
なんか適当に言っちゃったけど、大丈夫か?
「そ、そんな大好きだなんて...。」
か、可愛いやんけー。
そうだよ、エリーは笑うと可愛いんや。
なら、怒らせなければ一生可愛いじゃん!
ふむ、悪くないな。
この可愛い笑顔をそばで見れるなら、付き合うのも吝かではない。
むしろ、お願いしますって感じだ。
「だからエリー、許してくれ。
ちょっとした照れ隠だったわけですよ。」
「もう、それならそうと言ってよ!
無駄に怒っちゃったじゃない...。」
「ご、ごめん、まさかエリーが俺のこと好きだなんて思わなくて...。」
てか、今までまったくそんな素振りなかったしなぁ。
「そ、そうよね。ごめんなさい。
私、誰かを好きになったの初めてで、
どう接していいかわからなくて辛く当たっちゃってたかもしれない...。」
なんだ、やっぱりツンデレかよ。
可愛いから良いけどさ。
最初ちびるくらい怖かったよ。
これは言わないでおこう。
俺もバカじゃないんだ。
これからは余計なことは言わないように気をつけよう。
「よーし、エリーと仲直り出来たし、宿に帰るか!」
「あ、あの...。」
「ん?どしたエリ―。」
なんか、もじもじしてるけど、小便か?
宿まで我慢できないのかな?
「きょ、今日はこのまま、別の宿に泊まらない?」
あっぶねぇー、また余計なことを言うとこだった...。
女の子からのお泊りのお誘いを、小便か?なんて返したら殺される。
しっかし、エリーも大胆だなぁ。
誰かを好きになったことも無いのに、
ちゃんとやることは知ってんだな。
「そうだな、そうするか!
俺ももっとエリーと二人きりでいたいし!」
「よ、よかった。嬉しい...。」
ふっ。完全にエリーを攻略したぜ。
このまま可愛いエリーでいてくれるように、気をつけないとな。
悠斗には悪いが、俺はこの体での童貞を捨てさせてもらうぜ!
まあ、悠斗君も頑張りたまえよ!
ふはははははっ。
〜翌朝 悠斗視点〜
あぁ、やっちまったなぁ。
今は子供の体とはいえ、こんな若い子と致すとは...。
まぁいっか、子供なんだし。
てかもう、考えるのも面倒になってきた。
可愛い子と付き合えるんだからラッキーって思っておけば問題なし!
そのうち、俺もミーアのことがたまらなく好きになるだろう。
それはそうと、翔達、結局帰ってこなかったなぁ。
大丈夫かな...。
ぶち切れたエリーに殺られちゃってたりして...。
いやいや、いくらおっかないエリーでもそこまでしない...よな?
とりあえず、ミーアはまだ寝てるし、
タバコでも吸いに行こう。
ふぅ〜、しっかし昨日の夜のミーア可愛かったなぁ。
普段は感情の乏しい表情だが、ベッドの上ではめっちゃ可愛かった。
こんなことなら、最初からこうしてればよかったぜ!
そんなクズなことを考えながらタバコを吸っていると、
翔とエリーが帰ってきた。
ん〜? なんか妙に距離感が近いような...。
さては翔のやつ、エリーと仲直りしたついでに、やっちゃったか?
そうかそうか、エリーは翔が好きだったのか。
なら、もう何も問題はないな。
破局しなければだが...。
まあ、何とかなるだろう!
今は、可愛い彼女が出来たってことを喜ぼう。
「おやおや~? 二人揃って朝帰りですかい?」
にやにやしながら、聞くとエリーが顔を真赤にして、宿の中に走っていった。
こりゃ、やったな。
「で? 仲直りしたのか?」
「ま、まあな! バッチリよ!」
ほ〜う、ごまかす気だな?
バレバレなのに、バカなやつめ。
「今までどこにいたんだい?」
「え、そ、そりゃあエリーが泣き止むまでその辺に...。」
んなわけあるかい。
「なんだよ、隠すことねぇじゃね―か。エリーとやっちゃったんだろ?」
「な、なんで分かった!?」
いや、普通わかるだろう。
「二人で朝帰りすりゃ、誰でもわかるだろう。」
まあ、俺もミーアとそうなったからでもあるんだが。
「そ、そうなんだよ。どうしよう...。」
「別に良いんじゃないの? 嫌いってわけでもないんだろ?」
「そりゃあ、そうなんだけどさ。エリー怒るとめちゃくちゃ怖いじゃん...。」
たしかに。ミーアは表情が無くなるって感じだけど、
エリーは鬼の形相だったもんな。
「まあ、そこは翔が怒らせないように頑張るしかないな。」
「他人事だと思って...。」
「まあまあまあ。翔がエリーを、俺がミーアを大事にしてくって感じで、
頑張っていこうじゃないか! 二人共可愛いんだしさ!」
「な!? じゃあ、昨日ミーアと...?」
「おう、可愛かったぜ。」
「まあ、エリーも可愛かったんだけどさ。
また怒らせたらと思うと恐ろしくて...。」
「そこは、うん、頑張れ!」
深い溜息を付きながらも満更でもないような顔をする翔であった。
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