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第十六話 忘れていた約束

ブックマーク、評価ありがとうございます!

総合評価も110ptを超えて嬉しいです!


これからも頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。

 



 いや〜儲かった儲かった。

 中鬼は経験値もうまいし最高だな。

 狩り尽くすのがもったいないくらいだ。



 そうは言っても、俺達以外の冒険者も集落を潰しているらしく

 ギルドの調査では、集落もほとんど残っていないらしい。

 非常に残念だが仕方ない。



 次の獲物を探さないとなぁ。

 いっそのことダンジョンに行くってのもありか。








「さて皆さん。中鬼さんが殲滅されかけているので

 次の獲物を探さなくてはならない。

 何かいい案がある者はいないか?」


 夕飯を食べ終わった後、部屋で今後の予定を話し合うことにした。



「正門をでて、西に向かった森には、豚鬼や大猪がいるわね。」

「豚鬼に大猪か...。それって強いの?」

「豚鬼は中鬼と同等くらいで、大猪はそれよりちょっと弱いくらいかしらね。

 どちらもDランクモンスターよ。」



 中鬼と同等か...。

 中鬼狩りで大分レベルアップしたから、

 次から上がりにくいんじゃないだろうか。


 かといって、強すぎても危ないしなぁ。



「ちょうど西の森の先に初級ダンジョンがあるわよ?」

 ダンジョンか...。


「そもそもダンジョンってどんなとこなの?」

「初級ダンジョンなら基本的に一階〜五階まであって

 各階にボスモンスターがいるわね。

 中は、迷路みたいだったり草原や荒野、洞窟みたいなのもあるらしいわ。」


 へぇ〜、そりゃ楽しそうだ。


「ボスモンスターってのは?」

「初級だと、大体Dランクモンスターね。

 中鬼、豚鬼、大狼、大猪、大蛇ってとこかしら。

 ただ、最終層のボスモンスターはちょっと違ってね、

 一応Dランクモンスターなんだけど、Cランク並に強いのよ。」



 ふむ、初級から中級に上がる登竜門的なモンスターかな?

 中鬼程度だと物足りないからいい相手になるかもな。



「それじゃあ、そろそろ初級ダンジョンを攻略しちゃうか!」

「う〜ん、ダンジョンに行くなら、色々買い揃えないといけないわね。」

「何が必要なんだ?」

「保存の効く食料とかテントとか、何かあっても大丈夫なように準備しないと。」



 面倒だな...。

 お金だけ渡してエリーに任せよう。



「ってか、結構な大荷物になりそうだな。」

「大丈夫よ、ミーアの空間魔法があるから。」


 え?


「それって、亜空間倉庫みたいな?」

「そうよ、よく知ってるわね。」

「そんなの使えるなら、生首三つも持ち歩くことなかったんじゃ...。」

「嫌。空間魔法は面倒、そのくらいは自分で持つ。」



 あの時お前は何も持っていなかっただろうに...。



「それって初級でも使えるのか?」

「使える。容量は少ないけど。」

「よし翔、絶対に習得するぞ。」

「だな。もう生首は持ちたくない。」


 そりゃ、持たなくていいなら、持ちたくないよな。

 ミーアのやつ、けちけちしやがって。








 翌日、買い物はエリー達に任せて、

 俺達は、草原で空間魔法の練習をするとにした。

 ミーアは空間魔法は面倒とか言ってたが

 他の魔法も簡単に出来たんだから余裕だろ。








 一時間程、練習をして、

 とりあえず出来るようにはなったが魔力消費が半端ないな。


 魔法を習得していないってのもあるかしれないが

 それにしても、凄い消費量だ。

 こりゃ、何度も出し入れしてたら、あっという間に魔力が枯渇するな。



 まあ次レベルアップしたら魔法を習得出来るだろう。

 そうすれば多少は燃費が良くなるはずだ。



「もうこんなもんで良いんじゃないか?

 あとは魔法習得してからだろ。」

 翔が魔力を使いすぎて疲れてきたようだ。


「そうだな、この辺にしておくか。

 明日の荷物はミーアに入れてもらおう。」


 入れてくれればいいんだが。







 街に戻り、宿へ向かう途中で、少し懐かしい人に遭遇した。

 そしてとある約束を思い出した。



「「ガイルさん!」」

「おぉ!カケルにユートじゃねーか!元気にやってるか?」


「はい!お陰様で!」

「あの時はお世話になりました!」


「気にすんなって! 

 ちゃんとやれてるなら俺も世話した甲斐があるってもんよ!」



 よかった。ガイルさんも忘れているみたいだ。

 だが、ここは有耶無耶にしないでちゃんと恩を返そう。



「それで、あの...、今日の夜、飯でもいきませんか?

 約束通り、奢らせてください!」



「ん? ああ!そういやそんな話したっけな!

 別にそんな気にしなくてもいいんだぞ?」



「いやいや、せっかく思い出したんですから、

 ここは奢られてください。もちろん、都合が良ければですけど。」



「ガッハッハッ!お前らも忘れてたんじゃね―か。

 まぁ、せっかくだしご馳走になるかな!

 場所はどうする?」



「ガイルさんの好きな店でいいですよ。」

「そうか! じゃあ、お前らと一緒に行った飯屋にしよう!

 日暮れの鐘が鳴る頃、飯屋で集合でいいか?」



「わかりました!」

「よし、じゃあまた後でな!」



 いやぁ、相変わらず元気な人だ。

 冒険者業が楽しすぎてすっかり約束を忘れていたので

 ここで会えてよかった。


 せっかくだし、ミーア達も誘ってみるか。





 宿に帰ると、買い物を終えたミーア達がいたので

 早速、誘ってみた。


 あのお店はこの辺では美味しいと評判らしく

 是非行きたいとのことだ。



 約束までまだ時間があったので

 ミーア達が買ってきてくれた物の確認と

 ダンジョンについてもう少し詳しく話を聞いたりしていた。





 ダンジョンの話で盛り上がっていると

 あっという間に約束の時間が近づいていた。

 慌てて俺達は店に向かった。



 店に到着して鐘が鳴って五分くらいたった頃、

 ガイルさんが走ってやってきた。



「はぁはぁ、すまん!ちょいと遅れちまった。」

「全然大丈夫ですよ。お疲れさまです。」

「すまんな。ん?そっちの二人は?」


「紹介します。俺達のパーティーメンバーのミーアとエリーです。

 こちら、ガイルさん。俺らがこの世界に来たばかりの頃お世話になった人だ。」


「初めましてエリーです。よろしくお願いします!」

「ミーア、よろしく。」


 ミーアって誰に対してもあんな感じなんだな。

 ギルドのキーナさんにもそうだし。



「おぉ!パーティーを組んだのか、それは何よりだ!

 俺はガイル、よろしくな! 

 野郎三人じゃむさ苦しいと思っていたからちょうど良かったぜ!」



「ガイルさんそりゃないでしょ...。」

「ガッハッハッ!なーにお前らも、こんな可愛い子たちと

 パーティー組めてよかったじゃね―か。」



 確かに、この二人って凄い可愛いよな。

 街の住人の中でも、明らかに周りより飛び抜けて可愛い。

 まあ、キーナさんには敵わないが。


 可愛いんだけど、二人共我が強いからなぁ。

 いつも何かと文句を言われて大変な気がする...。



「まあ、たまたまですよ...。」

「なーに?そんな嬉しそうじゃないわね〜。」

「そ、そんなことないですよ...。 それより立ち話もなんだから店に入ろうか!」


 ぎろりと睨みつけてくるエリ―を

 なんとかスルーし、店に入った。




「では、ガイルさんいくらでも好きなものを頼んでください!」

「おう!遠慮なくご馳走になるぜ!」



 ガイルさんは定食や酒を頼み始めた。

 俺達も今日は沢山飲んで食べよう。

 中鬼狩りで大分儲かったからな。




「では、かんぱーい!」

「「「「かんぱーい!」」」」



 ん〜やっぱこの店の料理はうまいなぁ!

 酒も日本のビール程じゃないがスッキリとした味わいでうまい!

 狩りばっかしてたけど、こうゆう異世界の楽しみ方も忘れちゃいかんな。




「それで?冒険者の仕事はどうだ?」

「めっちゃ楽しいですよ!元の世界じゃ絶対出来ないことが出来たり

 毎日楽しくてやばいです!」

「ほんとだよな! モンスターとのスリル満点の戦いもたまらないな!」



「お、おう。そうか、そりゃよかった。

 ってそうじゃなくて、順調か? ちゃんと飯食えてるか?」


 酒も大分回ってきてちょっとテンションが上り気味だな。

 ガイルさんが引いている。



「もちろんですよ!最近は中鬼を狩りまくって結構儲かりましたよ!」

「そうかそうか。ん?中鬼?」



「ええ、最近小規模の集落が出来てて、

 そのおかげでこうしてガイルさんに飯を奢れるようになったんですよ。」



「中鬼って、Dランクモンスターじゃねーか!

 お前らもうDランクになったのか!?」



「え、ええ、まあ。この二人のおかげもありますけどね。」

「ちょっと、何度も言うけど私達は何もしてないってば!」

「うん。二人が強いだけ。」



 えーまだ納得してなかったのか。



「って言ってるぞ?」

「まあ、俺達自身の強さってのもあるかもしれないですけど

 本当に二人がいなかったら、俺らはとっくに死んでますよ。なあ?翔。」

「だな!二人の魔法がなかったらヤバかったんですから。」



「ん〜まあ、なんにしても、もうDランクとは驚きだな。

 あんまり、無理するんじゃね―ぞ?」


「「は〜い。」」


 本当に良いおっさんだなぁ。





「それで?どっちがどっちの恋人なんだ?」

 ガイルさんがニヤニヤしながら、いきなりとんでもないことを聞いてきた。


 このエロ親父め。



「そんなんじゃないですよ。ただのパーティー仲間です。」

「そうですよ。なんですかいきなり。」



「そうなのかぁ?嬢ちゃん達もまんざらでもないような顔してるぞ?」

 二人を見ると顔を真赤にして、俯いていた。



「あのねぇ、ガイルさん。この二人はまだそうゆうお年頃なんですよ?

 相手が誰でも、いきなりそんな話されたら恥ずかしくもなりますよ。」



「そうそう。大体この二人がそんな感情俺らにもってる訳無いですよ。

 毎日の様に、バカだの変人だの可笑しいだの言われてるんですから、俺ら。」



「ほんとだよなー。まだ知り合って大して経ってもないのに

 よくそんなに言えるなってくらい、ボロクソに言われるんですから。」



「この前なんて、俺らが夜遅くまで考え抜いた、

 渾身の心器を、ひと目見ただけで、時間の無駄とかいったんですよ?」



「あーあれは、ショックだったなぁ。いくらなんでもそこまでいうか?」



「ほんとほんと。てか、知り合ってから今まで

 まともなこと言われた記憶あんまり無いですよ。」



「あーたしかに。いつもなんだかんだ文句言われるよなー。」

「きっと自分らの目的の為に仕方なく俺らとパーティーを組んでるn




 バンッッ!!




 俺らが酒の勢いで愚痴をこぼしまくってたら、

 いきなりエリーがテーブルを叩いて立ち上がった。



「ど、どうした?エリ―...。ミーアもいつも以上に怖い顔して...。」

「「ひぃっ!!」」



 エリーとミーアが物凄い形相で俺達を睨みつけて

 店を出ていってしまった。




「な、なんだ?」

「ど、どうしたんだあの二人...。」

 なんか、めちゃくちゃ怒ってたような...。




「はぁ...。」

 その様子をみてガイルさんがため息をついた。


「お前ら、元の世界で嫁さんいたか?」



 いきなりなんの話だ?



「いなかったですけど...。」

「俺も...。」



「だろうな...。早く追っかけて謝ってこい。

 じゃないともっと酷いことになるぞ?」



「えぇ...。俺らなんかしました?」

「ほんとのこと言っただけですよ?」



「いいか?女が怒る時ってのは大抵男が悪いんだ。

 理屈じゃなく、そう決まってるんだ。

 だから、男から謝らないと、後々もっと大変だぞ?」



 な、なんじゃそりゃ...。



「なんて、理不尽な...。」

「そうゆうものなんだよ。いいからさっさと行け!」



「...わかりました。なんかすいません...。」

「これ、今日の代金です。すいませんガイルさん。」



「気にすんな!また近いうち飲み直そうや。

 今は、嬢ちゃん達にどうやったら許してもらえるかだけ考えろ。」


「「はい...。」」





 そうして、俺達は彼女らを追って店をでた。

 女って怖いなぁ...。

 てか、人間ってあんな恐ろしい顔できるんだ。


 絶対、謝っても許してもらえないレベルで怒ってた気がするけど...。




「「はぁ...。」」


 楽しいはずの飲み会が一気に地獄になったことに気を落としながらも、

 何とか許してもらえる方法を考える二人であった。








読んで頂きありがとうございます。


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