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第0話 退屈な日常の終わり

はじめまして。空猫からねこと申します。

初投稿です。

書きたいものを自由に書くので、色々矛盾点があるかもしれないです。

よろしくお願いします!

 今日も長いような短いような一日が終わった。

 最近は、ただ仕事に行って帰って寝る、の繰り返しだ。

 今の俺を子供の頃の俺が知って、「将来の夢は?」と聞かれたら

 間違いなく、「社畜じゃない何か」と答えるだろう。



 こんなことを言っているが、別に仕事が辛いわけでも

 鬱になりそうなわけでもない。

 ただ働きたくないだけだ。

 だが、生きていくには金が必要で、金が欲しけりゃ働くしかない。

 今の世の中、子供でも知っている当たり前のことだ。



 それでも働きたくないと思うのは

 周りと違う俺かっこいいと粋がっている厨二病のガキなのか

 社会不適合者なのか、それともただ単にクズなのか...



 なんなら田舎で自給自足生活した方が

 生きている感じがして良いかもしれない。

 まあ、実際は今の生活より大変かもしれないが

 楽しくもない仕事をするよりマシな気がする。



 やらないけどね...

 なんか年々、何をするにも面倒になってるなぁ

 大学時代の友達にもここ数年会ってないし

 なんなら休みの日に外出するのも稀になってる...


 いつからこんなダメ人間になっちまったんだ...


 そんな馬鹿なことを考えながら帰路につく。



「ただいま〜」

「お〜おつかれ」


 こいつは、同僚で同居人で腐れ縁の、久御山 翔(29)

 十年近い付き合いだ。


 いっておくが、ゲイではない。

 会社から近い場所だと、どうしても家賃が高くつく。

 なので、ルームシェアして出費を抑えているだけだ。

 まあ普通に仲がいいのもあるが、ゲイではない



 こいつは俺以上に無気力なやつだ。

 趣味もなく、仕事以外での外出もあまりない。

 なにかにハマると、怖いくらい熱中するけど...

 まあ、類は友を呼ぶってやつだな。



 一応、中学時代の先輩なのだが

 こいつに敬う部分など皆無なので

 いつしか、敬語は使わなくなった。



 ちなみに俺の名前は、門崎 悠斗(27)

 翔も俺も、名前だけみたらかっこいいかもしれないが、どちらもダメ人間だ。



「悠斗、明日休み?」

「休みだな。翔も?」

「休みだ。何するかねー」


 仕事はシフト制なので

 休日が被ったり被らなかったりする。



 お互いに、趣味という趣味がないので

 休みの日は何をするかいつも悩む。



 悩むといっても、結局だらだらと過ごしたり、パチンコに行ったりして

 毎日を無駄に生きている。

 これを生きていると言っていいのか疑問だ。



 最近はアニメやラノベにハマっている。

 異世界系とか冒険ものなど

 今の生活では味わえない興奮を

 与えてくれる。



 そして、アニメを見まくっていたら

 一日が終わってしまった。

 何か、非日常的で刺激的なことはないだろうか。

 せめて、夢くらいはいい夢をみたいものだ。



 夢といえば、最近変な夢をみている気がする。

 目覚めると、内容は忘れてしまうが

 随分長い間寝ていたような感覚に陥るのだ。

 そんな感覚が面白くて、毎晩ちょっと楽しみにしている。



 そういえば、翔も似たようなこと言っていたなあ…。

 一日だらだら過ごしていた割に、すぐ眠りについた。






(あれ、これ夢だよな?)

(すごい意識がはっきりしている気がするけど…。

 あー、これが明晰夢ってやつかぁ。)


 ふと気づくと、あたり一面真っ白な場所にいた。

 いつにもまして変な夢だ。



(お......を..................い............よ)


(ん?なんか声が聞こえたような?)

 周りを見渡しても、誰もいないし、何もない。

 ただ真っ白い空間が広がっているだけだ。



(どうせ明晰夢をみるなら、可愛い女の子とイチャイチャする夢がよかったなあ)

 いつも通り馬鹿な事を考えていると、急に強烈な睡魔に襲われた。



 夢の中で眠くなるなんて変な感じだなと思いながら

 その睡魔に身を任せた。





「おい!起きろ!おい!」

 突然の大声で目を覚ますと、目の前に、中学生くらいの男の子がいた。



「坊主!大丈夫か⁉」

 26歳になるおっさんを坊主とは、いい度胸のガキんちょだ。

 俺はどっちかというと童顔かもしれないが

 ガキに坊主と呼ばれるほどではない。



 それにしても、こいつなんかどっかで見た事あるような顔だな。

 金髪ハーフの知り合いはいないはずだが…。

 てか、ここどこだよ。なんでこんな洞窟みたいな場所にいるんだ?

 俺は家で寝たはず…。



「坊主、どっか怪我でもしてんのか?」

「おいおい、ガキに坊主呼ばわりされるほど俺は童顔じゃねぇぞ」

「はぁ?どっからどうみても中坊くらいだろ?坊主じゃねぇか。

 てか俺をガキ呼ばわりするとはいい度胸してんな」

 なんだこのガキ、俺と同じような事いいやがって。



「お前こそ、中学生かそこらじゃねえか」

「よし、お前に年上の敬い方というものを教えてやろう」

 ほんと何言ってんだこいつ。ちょっとお仕置きしてやるか。




 ん???

 立ち上がってみて気づいたが、なんでこのガキと目線が同じなんだ⁉

 よく見れば、自分の手も足もなんか小さいし細い。

 これってもしや…

「体が…縮んでる⁉」



 おっと、思わず、麻酔銃を撃ちまくる某有名アニメの主人公のセリフを言ってしまったぜ。

 ってそんな馬鹿な事言っている場合じゃない。

 俺は、後ろから金属バットで殴られ、変な薬を飲まされた覚えはないぞ?



 一体どうなってるんだ?

 目の前のガキもなんか慌ててるし...




 誘拐…….なわけないよな。おっさんを誘拐して何の得があるんだ。

 誘拐するなら幼女と相場が決まってる。



 監禁……されてるわけでもないな。洞窟みたいな場所にいるがすぐそこに光が見える。

 恐らく、出口だろう。


 それに、誘拐にしろ監禁にしろ、身体が縮むなんてありえないだろう。


「どうなってんだよぉこれぇぇぇぇ⁉」

 先程から、無言で自分の体のあちこちを触っていたガキが急に奇声を上げ始めた。



「ここはどこ⁉私は誰⁉なんでちっちゃくなってんのぉぉぉ⁉」

 おぉ、現実でそのセリフを言ってるやつ初めて見た。

 まあ俺もさっき、似たようなこと言っちゃったけどな。

 てか、こいつも俺とおんなじ感じなのか...



「おいお前!ここはどこだ⁉何がどうなってんだよ⁉」

「知らねーよ。俺もお前と似たような状況だよ」

「はぁ⁉さっきから落ち着いてるからなんか事情知ってんのかと思ったのによぉ!!」

「目の前に慌てふためいて奇声上げてる馬鹿がいたからな。逆に冷静になれたわ」

「なんだとこのクソガキがぁ!!」

「今はお前もガキだろうが…少しは落ち着けよ」

 まったくなんなんだこいつは…


 まあでも、急にこんな訳が分からない状況になったらそりゃ慌てるか。

 俺は普段から冷静って感じでもないが

 今は混乱というよりも、ちょっとわくわくしてるからな。

 せっかくの非日常だ。危険が無いならちょっとは楽しみたい。



 しかしこいつ、なんか初めて会話するって感じがしないな?

 会話のノリが近いというか、普段からよく喋ってるというか...



 まてよ?

 そういやこいつの顔...


「お、おい。お前、名前は?」

「あん?  翔だよ‼ 久御山 翔!!」


 はぁ。まじか...

 いや、まあこいつでよかったか。変な奴と一緒にいるよりかは...



「おいてめえ、人の名前きいて、何ため息ついてんだよ」

「俺だよ翔。悠斗だよ」

「は?悠斗...?....悠斗!?どうしたお前!?小さくなって銀髪になってんぞ!!」



 え、まじか。俺銀髪なんだ...

 元の顔じゃ、絶対似合ってないだろうなぁ。


 まてよ?

 翔も顔ハーフっぽくなって金髪似合ってるし、俺も顔変わってんのか?

 鏡がないからわからないが...



 って今はそんなことどうでもいいか。

 わくわくしていると言ってもこれが夢じゃないなら

 ここにずっと居てもしょうがない。

 なんなら危険ですらある。



 周りを見渡しても

 薄暗い洞窟で何もないし

 先に進めるような道もない。


 あるのは出口らしき光だけだ。



「翔、何がなんだかわからないが

 ここにずっと居てもしょうがない

 とりあえずここを出よう」


「そう...だな

 みっともなく喚いて悪かった...」


「お前がみっともないのは今に始まったことじゃないだろ?」

「あぁ。その感じは完全に悠斗だな...」

 ため息を付きなら、翔は笑う。


「さっきの喚き様も完全に翔だな」

「あーもう五月蝿い。さっきのは忘れろ。さっさとこんなことこ出るぞ」


 逃げたな。



 とりあえず、翔も落ち着いたことだし

 外に出るか。



 そうして俺らは出口に向かってあるき始めた。

 大して距離もなかったため、すぐ外に出れた。



 しばらくは目が眩んで何も見えなかったが

 徐々に鮮明になってきた景色を見て

 言葉を失った。





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