レベル20 転職所【施設】
レベル20 転職所【施設】
近くの山奥に『デューダ―マ転職所』という職業を変える事ができる施設があるらしい。
※この作品はフィクションであり、実在する、人物・地名・団体とは一切関係ありません
おもしろそうだと俺たちはそこに足を向けた。
道すがら俺はパーティになりたい職業があるか聞いた。
戦士の女は言った。
「私は職業と言うよりバトルマスターという称号が欲しい」
僧侶の女は言った。
「私の小さい頃からの夢はケーキ屋さん」
魔法使いのジジイがのたまった。
「ワシに相応しい職業、それは、賢者……じゃな」
転職所のある街に着き、俺たちは16時に正門に待ち合わせという事で一旦解散した。
俺は胸踊る気持ちで転職を司るというオッサンの前に立った。
「勇者よ。ここに何用か?」
「実は、遊び人になりたいんです!」
「勇者を辞めたいとは何事じゃ!」
「いや勇者として十分なレベルになりましたし」
「いやね、レベルとかそうゆう問題じゃないのよ」
「親に決められたレールの上をただ進むだけの人生は嫌なんです!」
「そんな思春期に済ませておくイベント、ここでやるの勘弁してくれないかな」
「大人になっても子供の心を忘れ無い、そんな人間に俺はなりたいんです!」
どんなに粘っても俺の転職は認められなかった。
俺は失意のまま待ち合わせの正門に向かった。
時間に皆が集まった。
「戦士は転職しなかったのか?」
「なんでも、筋肉のためには戦士が一番らしい」
何基準だよ。
「僧侶も転職は無しか」
「転職だなんて、何を言っているんですか。神を尊び祈りを捧げ信奉する以外、私には道は必要ありません」
ケーキ屋になるって言ってただろう貴様、どうせそんな職業は無いと言われたんだろう。
「魔法使いは」
「ワシは既に精神面では賢者の域、何も転職する必要はあるまい」
もう突っ込むのも面倒。まぁ、資格が無いだの何かの理由で断られたんだろう。
結局、俺たちは何を得るわけではなく転職所を後にした。
焦って転職したところで状況が好転する保証なんてないし、現状維持で良しとするか。
さぁ、この『致死量を誇る成分を含む赤唐辛子』持って帰って船でも貰うか。




