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第9話〜コッコたちとの出会い

コケー!

わたしとワームとの間に舞い降りた白い影。


鋭いくちばし鉤爪かぎづめ


光を反射して白く輝く翼。


そそり立つくれないのとさか。


ニワトリだった。


「コケー!」


「ぴょ〜…(コケー…)」


(°△°)


ニワトリだった。


(°△°)


紛れもなくニワトリだった。


(°△°)


「コ、コ、コ、コケー!」


ニワトリ以外の何者でもなかった。


ニワトリの出現にワームが止まった。


わたしも止まった。


突然な出来事ニワトリにフリーズ。


こっちを向いてたワームがニワトリの方を向く。


「コケッ!」


「キシャーッ!」


対峙たいじするニワトリとワーム。


かつてない絵面…。


直前までのわたしの悲壮な覚悟は、なんだったの……。


(°△°)


…………。


わたしもね?


薄々と感じてたことはあるんだ。


転生させてもらったこの世界、たぶん元の世界とは別の世界なんだろうなぁって。


ちょっとドキドキしてたりもしたんだよ?


あんなワームみたいなのがいるにしても、ママンみたいなまるまるした可愛らしい鳥がいたりしたんだし。


もしかしたらファンタジーな世界かも?


キャッ(〃ω〃)


魔法とか使えちゃったり?


キャッ(〃ω〃)


って年甲斐もなく妄想とかしちゃったり。


それがニワトリ……。


…………。


ワームが雄叫びを上げてニワトリさんに襲いかかる。


危ない!


ニワトリさんが一飲みに食べられ……てない⁉︎


飛んでるよ⁉︎


いや、跳んだんだ!


わたしの記憶にあるコケコケ言ってるニワトリと同じ見た目なのに、記憶にない動きしてる!


地面を、木の幹を、枝を蹴って、跳んで、白い彗星すいせいみたいに飛び回って、ワームを蹴り飛ばしてる。


なんかもう今見てる光景が信じられないんだけど……。


ちょっと誰かわたしのほっぺをつねってもらえないかな。


今のわたしのつばさだとつねれないや。


(°△°)


…………。


ワームとニワトリさんの戦いは10分近く続いた。


ううん、戦いなんて言えないかな。


あれは一方的な狩りだった。


もうほんとに、何がなんだか……。


「コケーーーー‼︎!」


最後は力尽きて地面に横たわってるワームの上でニワトリさんが雄叫びを上げてるし。


辺り一帯に響き渡る大声にクラクラしちゃった。


頭の上に小鳥が飛んじゃうよ……。


ピヨピヨ。


もう、なんなの、このニワトリさんは!


「ぴょ……(けど……)」


助けてくれたんだよね。


ニワトリさんが来なかったら、わたし、ワームに食べられてた。


せっかくの二度目の人生(鳥生?)がたったの数日で終わるところだったんだ。


「ぴょ〜(よし)」


いきなりニワトリが出てきて驚いたけど、ちゃんとお礼を言わなくちゃね!


あの、すいませ〜ん。


「ぴ」

「コケーーーー‼︎‼︎」


ぴょ(°△°)⁉︎


じゃなくてうわっ!


ちょ、いきなり叫ばないでくださいな!


びっくりしちゃって心の声でもピヨピヨ鳴いちゃったじゃないの。


驚いて固まってると、ほどなくして森の奥からゾロゾロと白い集団が姿を現した。




これがわたしとコッコたちとの出会いだった。

コッコッコ

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