第77話〜ツノウサギ
さぁ、サクサク倒しちゃうよー!
…………。
って、思ってたんだけど…
「ぴょ、ぴょ〜!(か、かわいい〜!)」
うさちゃんがたくさん!
草原の少し拓けた場所。
そこで十匹くらいの丸々した毛玉が日向ぼっこしてるよ!
ゴロンと転がってたり、毛玉同士で戯れあったり。
ぼ、暴力的だよ⁉︎
あの可愛さは暴力だよ!
…………。
え、ウサギって臆病だって聞いたことあるし、巣穴の外であんなリラックスしてるなんて意外。
それにウサギって夜行性じゃなかったっけ?
今回は巣穴の位置とかを見るために明るいうちに来たんだけど…
あ、けど夜行性の動物でも日向ぼっこは大事だって聞いた事もあるような…?
確か病原菌とかが日光に弱いからとかなんとか。
巣穴の外でコロコロしてるのは意外だけど、日光浴してるのは意外でもなんでもないのかな。
…………。
コロンとしてても一応警戒はしてるみたいだね。
茶色い毛並みでピンと立った耳が色んな方を向いたりしてる。
赤くてクリっとした目もキュート!
頭に小さなツノがある以外はほとんど普通のウサギと変わらない見た目だね。
わたし(マルモ鳥)と同じでモンスターと言われてるけど、野生動物よりも弱いツノウサギ。
こんな子たちでも討伐依頼はあるんだよね…。
…………。
ツノウサギ。
一匹一匹はとても弱いけど、常に群れで行動してるし、身の危険を感じたらすごい勢いで頭突きしてくるんだって。
群れで一斉に。
鉄の鎧を着てればまったく問題ないけど、革の防具くらいだったら穴が出来るくらいの威力はあるんだって。
畑を荒らす事もあるし、農作業をしてる人がたまに襲われてケガをする事もあるんだとか。
ウサギのモンスターなだけあって避けるのは難しいくらい速いし、捕まえるのも難しいからバレない位置から弓矢で倒すのが定石なんだって。
でもなー。
こんなに可愛いのに倒さないといけないなんて…
…………。
「マール、ツノウサギ、いたの?」
「ぴょ!(うん、あそこにいるよ)」
「にゅ…?どこ…?」
あ、そっか。
猫って人より視力が悪い、というか遠くが見えないんだっけ?
それに鳥の方が遠くを見えるんだよね。
ルナちゃんに場所を教えてあげながら、どんな見た目かも教えてあげる。
ルナちゃんだって、あんなに可愛い子たちを倒すなんて嫌だよね?
「しる、らいむ、ごー」
「「…………。」」
ルナちゃんが、わたしが教えてあげたツノウサギの方を指差しながらシルとライムに指示を出した。
水で出来た玉が次々とツノウサギたちに飛んでいく。
そして文字通り、雨霰と叩きつけられる水玉に毛玉が吹き飛ばされていく。
「ぴょ〜⁉︎(ちょ⁉︎ルナちゃん⁉︎)」
「モンスターは、たおさないと」
あ、あんなにかわいいのに!
「「((…………))」」
距離が離れてるからか一発当たったくらいじゃ倒せない。
さらに水玉の数が増えた。
嗚呼!
みんななんでそんなに好戦的なの⁉︎
「やさいとか食べられる、みんなおなかすく。モンスターは、たおす」
そ、そりゃそうだけど!
確かに農作物を荒らされたり、襲われてケガすることもあるモンスター、というか動物は元の世界でも処分される事もあったけど!
もふもふが!もふ玉がー!




