第63話〜街の中へ!
…………。
「止まれ。身分証と通行許可証を。…よし、では荷物をあらためさせてもらうぞ」
幌の上でどんどん近付いていく街を見ながら、シルやライムたちとお喋りをしたり遊んで時間を潰していた。
街の門の外には長い行列があって、そこで待つのが長かったんだよね〜。
思ったより列の進みが遅くてルナちゃんはおねんねだよ。
天気がいいし、ゆっくり進んでるから荷台の揺れで眠くなっちゃったみたい。
街に入るための受付待ちだけど、ようやく後数組の所まできた。
1時間くらい待ってようやくわたしたちの番!
もう太陽も高いし、お昼近いかな?
ぴょ〜、長すぎ!
…………。
街の入り口は大きな馬車が一台余裕を持って通れるくらいの広さで、何人か鎧を着た男の人たちが武器を持って守ってた。
入り口側には二人いて、一人が短い槍を構えて見張ってて、もう一人が身分証とかを確認していて、簡単な荷物チェックをしてる。
馬車とか荷物が多い時は詰所に声をかけて何人か出てきて確認してるみたい。
うーん、街に入るのって随分手間なんだね。
(°△°)
ゲームみたいに『ようこそ!ここは〜〜の街だよ!』って簡単に入れてくれれば楽なのに。
厳しい顔した門番さんがジロジロ見てきて、荷物とか色々チェックしていくのはなんか怖いね。
「小さな村やここより規模の狭い街ならば比較的簡単に入れるんだけれどね。この街の規模だと出入りはチェックされる。犯罪者はもちろん、違法な物品の持ち込みなどに気を付けないといけないからね。モンスターの脅威もあるし、街の安全のためさ」
バルドさんの説明に納得。
そっか、そうだよね。
指名手配犯とか、モンスターだっているだもん。
うーん、平和ボケしてたね。
前世の世界でも国境とか空港とか他国への出入りは監視されてたもんね。
日本から出たことなかったし、平和だったからなぁ。
…………。
ここは異世界。
前の世界よりも危険が身近にあるんだって事を忘れないようにしなきゃ!
ルナちゃんの保護者として、そういった知識も身に付けないとね!
よし、じゃあ受付とその後の流れを確認だよ!
まず、ルナちゃんは身分証も何も持ってない。
奴隷として捕まってたから仕方ないね。
だから受付で事情を話して、バルドさんが身元の保証人になってくれて、しかも通行料も払ってくれる。
よく考えたら一文無しなんだよね、わたしたち…。
申し訳ないけど、バルドさんは命の恩人だからって快く申し出てくれたよ!
保証人は信用のある立場の人じゃないとなれないし、保証した人が何かしでかしたら責任を取らないといけない大変な立場なんだよね。
身内だってなりたがらない人は多いって前世で聞いた事がある。
命を助けた云々は置いておいて、払ってもらったお金とかはちゃんと返さないとね。
それと行動には気を付けなきゃ!
…………。
「よし、では次……って幌の上にいるのはスライムか?それとマルモ鳥?それになんだその羽の生えた猫は⁉︎モンスターの持ち込みは故意、故意でないに関わらず処罰対象だぞ!詰所まで来てもらう!」
「ぴょ⁉︎(そういえばわたしたちもモンスターだった!)」




