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第50話〜あねご肌なサリーさん

乾燥で喉をやってしまったのか、寝ていても咳が止まりません…。


1週間ほど様子を見ていたのですが治るどころかどんどんひどくなってきました。


とりあえず濡れタオルを近くに置いて寝て、枕元には水を置いておきましょう…。

…………。


バルドさんが質問して、ルナちゃんがあわあわして、バルドさんがのろけるの流れが無限ループしてる。


うーん、バルドさん、少し、いやかなり変わった人だなぁ。


(°△°)


それはさておき、お馬さんだよ!


おっきい!


人だった時でもおっきく感じられたのに、今のわたしからしたらビルみたいだよ!


でも怖い感じがしないね。


なんでだろう?


全体の雰囲気とか?


うーん、近いと全体像が見えないし、ちょっと背中に失礼します!


とう!ジャンプ!スタッ!


おお、あったかい。


絨毯みたい!


それにたてがみ!


ふわふわのたてがみが、わたしのもふもふセンサーにビンビンきてるよ!


…………。


確かお馬さんてライオンみたいにオスしかたてがみがないってわけじゃないんだっけ。


厳密にはたてがみは人で言う所の髪の毛とかおひげとかと同じって聞いた事があるよ!


体温調節とか保護のために生えてるんだって!


ライオンの場合は威嚇のためとか強さの証だったかな?


(°△°)ガオー!


もちろん防御のためでもあるよ!


それはさておき、ちょっとだけ毛づくろいを…


『ブルル…(あら、いらっしゃい。私からもお礼を言うわ、可愛いくて強い小鳥さん)』


「ぴょ?(え?)」


わぉ、わたし、お馬さんの言葉まで分かるんだ。


というかお馬さんも傷だらけだったけど、起きてたんだね。


なんか口調とか雰囲気があねご肌!て感じのお馬さんだね。


「ブフンッ(あの子ったら頑固で逃げないから。私だけならどうとでもなったんだけどね)」


「ぴょ〜?(そうだったの?)」


「ブフンッフン(そりゃそうさ。元々私は軍馬の出だもの。長距離の行軍だって、早駆けだってお手のものさ。ま、私が現役だったのはほんの数年で、あの子の父親と旅をしていた時間を考えるとブランクは長いけどね)」


わお。


なんか思いがけず人(馬)の歴史に触れちゃった気分。


軍馬ってそう簡単に商人に売られるようなものじゃない気がするけど、そこにも色々あったんだろうね。


「ブルル…(それにしてもごめんね、うちの子が。ほんと、いつまで経っても子供でね。根はいい子なんだよ)」


「ぴょ〜(う、うん。それはなんとなく分かるかなぁ)」


サリーさんにとってバルドさんは手のかかる子供みたいな感じなんだなぁ。


とりあえず安心。


襲われてたから助けに入ったけど、悪い人だったらどうしようって少し不安だったんだよね。


この世界ではルナちゃん以外の人には会ったことなかったし、大人の男の人相手だからね。


それはさておき、その素敵なたてがみを整えさせてもらってもいいですか?


わたしは背中からクシを取り出した。

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