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第4話〜家族が増えました!


あのウネウネによる精神&肉体ダメージ(食感とのどごし的なやつ)から丸一日。


わたしはぐったりしたまま巣に転がっていた。


だってね?


ワームだよ?


1日や2日で復活は無理(°△°)!


というかヒナって1日に何度も餌を食べるわけでして。


ええ。


あの後も何度かママンからの熱いキッスをいただきましたとも!


ヒナに餌を与えるのはって言うんだったかな。


たしか生後間もないと数時間ごとにあげないといけないんだよね。


あれ、けど挿し餌って人からヒナに餌を与えることをいうんだっけ?


お湯とかで練った練り餌みたいなやつを作って食べさせるやつ。


野生の鳥だとなんて言うんだろう?


おっと、話がそれちゃった。


というか生まれたばかりなのにワームさんってありなのかな…?


いや、実際食べちゃってるし、お腹の調子も悪くなってはないんだけど。


(°△°)


生まれたてのヒナってもっと半固形物的なやつを食べてるイメージだったんだけどなぁ。


半固形どころかウネウネ。


うっ、思い出したら気持ち悪くなってきた…。


ほとんど生きてたし、なんか「キシャー!」って鳴いてたし!


ママン、甘い木の実なんて贅沢は言わないので、せめて穀物みたいなやつでお願いします!


というかあれわたしの知ってるワームじゃない!


…………………………。


コツッ


帰ってきたママンの羽毛に埋もれるように一緒に卵をあっためてたら、固いものをつつくような音がした。


「ぴよ〜?(もしかして?)」


コツッ……コツッ……


「ぴよ〜!(やっぱり!)」


卵の中から音がしてる!


中でヒナが出ようとしてるんだ!


「びよ〜」


音を聞いたママンが立ち上がって、音のする卵の方を向いた。


わたしは急いでママンの影に。


だって間違って刷り込みしちゃったら大変だしね。


「びよびよ〜」


ママンがちょっと間の抜けた声をあげながら卵に顔を近づける。


うん?


近すぎない?


「びよ!」


ビキッ!


「ぴよ⁉︎(なんですと⁉︎)」


マ、マ、マ、ママン⁉︎


なぜに音のする卵をつっついているのん⁉︎


Σ(°△°)


割れちゃうよ!


驚いて固まってるわたしの目の前でママンによる破壊活動が行われている。


それはさながらもちつきの相方のごとく。


鍛治師の相槌あいづちのごとく。


リズミカルに、迷いなく、卵をつっついてる。


ママーン!


卵が割れ…。


って、これって……。


慌てて止めようとしたけど、不意に思い出したことがあってわたしは動きをやめた。


これはあれだ。


啐啄そったくだ!


高校の時の先生がしてた小話で聞いたことあるやつ!


卵から出ようとするヒナと、それを合わせて卵をつつく親鳥の話!


わたしが好きな言葉。


啐啄同時。


たしかぜんでお弟子さんが悟りを開こうとしているところに、お師匠様がタイミングよく教示を示す様子のことだったかな。


タイミングぴったり!みたいな。


先生が先生の先生に聞いた、教育者があるべき姿なんだって。


「びよ〜」


あ。


昔のことを思い出してる間に、卵からヒナが孵ったみたい。


…………………………。


最初の卵を皮切りに、4つ全部の卵が順番に孵っていった。


次々生まれるブラザー&シスター。


おお、ちょっと卵から出たては目元とかグロッキーなのよね。


でも1日もすれば愛らしい!プリチーなヒナ!になる。はず。


「「「「びよ〜」」」」


わぉ、四重唱カルテット


ちゃんとみんな元気みたい。


にしてもみんなわたしよりでかいなぁ。


もしかしてわたしって未熟児?


狭くて暗いのが嫌で無理やりでてきちゃったし。


でも数日でそんなに差がつくかなぁ?


ともあれ。


家族が増えました!

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