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第19話〜猫耳少女と小鳥

わたしの方へとよたよたと逃げてきたのは、首と手にかせを付けられた女の子だった。


ほこりっぽくて汚れてるからか灰色がかってるけど、たぶん元は黒髪かな?


まだ6歳にもなってないような女の子が、今にも倒れそうな様子で、でもこっちに向かって必死に走ってくる。


女の子、幼女だね。


なんやかんや異世界初村人!


というか頭にあるの、獣耳じゃない?


ファンタジーによくある獣人ってやつ?


尻尾もあるし、猫の獣人かな?


(°▽°)


なんてテンション上げてる場合じゃなさそう。


(°△°)


ボロ切れみたいな服で、裸足で、汚れと傷だらけの女の子が必死に逃げてきてるんだもん。


助けてあげなくちゃ。


でるのはそのあと!


…………。


何から逃げてるのかはもうここまで近付けばよく分かる。


ーーーキシャアァァァァァ!


森の木々よりも高く伸び上がって、すぐに地面に向かって飛び込んでいるのはお馴染みのワーム。


けどその大きさはけたが違った。


わたしが見たことのあるワームの軽く10倍はある。


(°△°)


もしかしてこの森の主さん?


あのサイズの口だと人間どころかクマさんだって丸呑みに出来ちゃいそう…。


あの子なんかワームが地面に潜る振動で地面に倒れこんじゃってるし。


生き物って、ある程度の大きさ以上にはなれないらしいし、動けないらしいけど、異世界ってすごいな。


何はともあれ。


わたしは大きく息を吸い込んだ。


「ぴょ〜‼︎(こっちだよ〜‼︎)」


言葉が通じるか分からないけど、とにかく叫んだ。


ワームが地面に頭をもぐらせたタイミングで。


何度も戦ってるし、コッコの里で教わったからワームが振動で獲物を見つけてるのは知ってる。


それと移動中のワームが自分の動きで音の探知が利かなくなるのもね。


叫んで、次にダッシュ!


人間だった時と違って今なら風みたいに走り回れるよ!


(°▽°)


女の子がこっちに気付いたみたい。


驚いた顔をして目をまん丸にしてる。


わたしは女の子とすれ違うようにしてワームに向かって走った。


多分ワームはあの女の子の居場所がまだ分かってないはず。


ワームの本当に怖いところは地面に潜ったままの待ち伏せでの奇襲だもん。


ああやって何度も地面を出たり入ったりするのは怒ってるからだって聞いてる。


集中して見てみればワームの首元にえぐれたみたいな傷跡がある。


あれが原因だね。


うーん、怪我が原因だって思うと可哀想だけど、けどワームって基本的にわたしのこと食べようとする敵なんだよね。


(°△°)


「ぴょ」


うん、よし、倒そう!


今度はワームが地面から頭を出したタイミングで鳴いた。


「ぴょ〜‼︎‼︎」


…………。

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