第15話〜3匹のワーム
前話のタイトル表記にミスがあったので編集しました。
内容についての変更はありません。
…………。
「ぴ〜〜〜よ〜〜〜!」
(°△°)あわわわわわ!
「「キシャーーー!」」
後ろから地鳴りの音を立てながら追いかけてくるのは、おっきなワームが2匹。
大きさはコッコさんたちに助けてもらった時のワームとおんなじくらい。
つまり絶体絶命!
「ぴょ〜〜〜‼︎」
おじいちゃんに言われて試練に来てみたけど、そりゃ都合よくワームが一匹だけ出てくることなんてないよね。
ギャルさん助けてー!
「逃げてないで戦わないと意味ないし!そんなやつらさっさと倒しちゃいな!」
無理無理無理!
「「キシャーーー!」」
「ぴょ〜‼︎」
頼みのギャルさんはもう他のワームを倒してるし、他の人の手助けがあると試練の意味がないのは分かるけど、一匹だけ倒せばいいんだから片方の相手をしてくれてもいいじゃない!
えーい、このまま食べられるなんてヤダ!
こうなったらやってやろうじゃないの!
「ぴょ!」
Uターンして2匹のワームに向かい合う。
わたしだって頑張ってきたんだ!
修行の成果、見せてあげるよ!
…………。
十数分後。
「ぴょ〜…」
つ、疲れた〜…。
地面に溶けちゃうんじゃないかってくらい脱力したわたしがそこにいた。
わたしの足元、というかすぐ横には倒れたワームが三匹。
なんとあの後さらにもう一匹ワームが現れたのだ!
ギャルちゃんは楽しそうに見てるだけだし、結局わたし一人でワーム三匹の相手をする羽目になった。
側から見たら小鳥と数メートルもあるワームが戦ってるわけだから、見応えはあっただろうね。
わたしからしたら巨大怪獣と戦ってるようなものだからすごく怖かったです。
(×△×)ぴょ〜。
「ぴょ〜…」
疲れた〜…。
水浴びしたいよぉ。
お風呂に入りたいよぉ。
せっかくお手入れして整えた羽がボサボサだよ。
ツヤツヤふわふわの自慢の羽毛なのに〜。
「おつかれ〜。やるじゃん!今夜はご馳走食べ放題だし」
「ぴょ〜!ギャルちゃんヒドいよ。助けてくれてもよかったじゃん!」
「ま、あんたならあれくらいよゆーよゆー。んじゃ、里長たちに報告してくるから見張りよろ。他の奴らに食べられないようにね」
そう言ってタタタッと猛スピードで走り去るギャルちゃん。
さすがにワームを4匹も運ぶのは無理だから、他のコッコさんたちを呼んできてくれるかな。
……持ち帰るまでが試練とかじゃないよね?
何はともあれ、わたしはコッコの試練を無事に終えることができた。
うーん、非力だった小鳥わたしでも頑張ればあんなにおっきくて強いワームに勝てるんだから、努力ってすごいや。
前世でももっといろいろ頑張ってればあんな死に方もしなかったのかなぁ。
主人公が天然。
これはテンプレですね。
もうお分かりだとは思いますが、マルモ鳥は普通の鳥ではありません。




