第12話〜ギャル、現る…!
「ぴょ〜(わ〜)」
わたしは今、おじいちゃんの背中に乗ってコッコの里を移動中。
最初はわたしも遠慮したんだけど…
「ほっほ。最近孫娘が素っ気なくなってしもうてなぁ。このジジイの無聊の慰めに付き合っておくれ」
って言われてライドオン!
わたし前世でおじいちゃんとか居なかったし、ちょっといいなぁって思ってたんだよね。
あぁ、ふわもこでぬくいよぉ…♡
あ、けどちょっと羽毛の量は少なめ?
……うん、本人(本鳥?)には言わないでおこう。
(°△°)
…………………………。
コッコの里って聞いて、正直まったくイメージが付いてなかったんだけど、見て回ったら意外と、というか普通に過ごしやすい環境が作られていてビックリした。
普通に木材を組み合わせたり、元々ある木を利用して簡易な家が作られてたりする。
中にはワラとかが敷き詰められていたりして、雨とか寒さの心配もなさそう。
作りは簡単だし、布みたいな人工物はないけど、鳥にとっては過ごしやすそうだね。
どうやって木材を加工したのかな?って思っておじいちゃんに聞いて見たら、
「ほっほ。気になるなら見に行ってみようか」
って少し離れた広場みたいな所に連れて行ってくれた。
そこにはたくさんのコッコ達がいて…
…………。
「コケー!」
「「「「コケー!」」」」
「コー!」
「「「「コー」」」」
「コケー!」
「「「「コケー!」」」」
一斉になんか演武?みたいなのをやってた。
(°△°)
一糸乱れないっていうのはまさにああいうのを言うんだろうね。
ニワトリが演武をしてるっていう非常識な光景なのについ見とれちゃった。
(°△°)ぴょ〜。
けど、ここ、木材とか加工してる場所じゃないよね?
「コケー!」(スパンッ)
そう思って見てると、丸太を羽で両断してるコッコがいた。
すかさず他のコッコも手刀(羽刀?)で真っ二つになった丸太を切り刻む。
すると地面には加工したみたいに綺麗な断面の木材が…。
おじいちゃんが鳥だけど分かるドヤ顔でこっちを見た。
「の?」
の?じゃないよ⁉︎
なんで羽で木が真っ二つになるのぉ?
(°△°)
…………。
木材を加工したっていうより、修行中にできたものを利用してるってことなのは分かった。
異世界に来て衝撃的なことは色々あったけど、ニワトリたちの存在が一番衝撃的だよ…。
「ほっほ。あんなんおぬしでもちょいと修行すれば出来るようになるわい」
え、それほんと?
…………。
そんなこんなでコッコの里を回ったわたしとおじいちゃん。
思ったより広いけど、やっぱ森の中だけあってそこまでの広さはない。
だから見学そのものはすぐに終わったんだけど…。
「「「「「コケー!」」」」」
「ぴ、ぴょ〜!」
「「「「「コケッコー!」」」」」
「ぴょ〜!」
なぜかコッコのみんなと一緒に修行?をやることに。
と言うのも、狩から戻って来たコッコさんたち(見分けつかない…)と鉢合わせして、
「ふむ、このままでは森で生きていくことなど出来まい」
「強くあれ。さすれば自然と共にあれる」
「さぁ、共に鍛え上げるのだ!この肉体を!」
と凄まじく熱血な感じに絡まれて、一緒に修行することになっちゃったんだよね。
いやいや、無理無理!ぴょぴょ!って断ったんだけど、熱いノリに押し切られちゃった。
というかおじいちゃん、元々わたしを鍛える気だったね?
確かにわたしは生まれて間もなくて、弱くて空も飛べない。
こんなんじゃ野性で生きていけないから、色々と教えて欲しかったけど、思ってたのと違う!
わたしは空の飛び方とか、エサの見つけ方とか、鳥として必要なことを知りたいの!
鳥なのに格闘技とか鍛えるのは意味ないと思うの!
…………。
そんなこと思いつつも流されるがままにコッコたちと修行を始めて数日ほど。
なんやかんや若さ故か身体を動かすのが楽しかったのもあって、次第に修行に参加するのが日常になってきた。
驚きだね。
(°▽°)ぴょ〜。
わたし、前世じゃ運痴だったんだけど、まさか転生して鳥になってから運動の楽しさに目覚めるなんてね。
「マジ、相変わらず暑苦しいんですけどぉ」
ぴょ?
そんな時だった。
わたしが彼女と、ギャルちゃんと出会ったのは…。
本日作者は退院予定です。
しばらくはリハビリ生活に苦労しそうですが、少しずつ小説の方を書き溜めていけたらなと思います。




