第111話〜仲間たちの成長
…………。
ルナちゃんがトレントのお母さん、マザートレントが喜んでるって言ってる。
確かに何となくだけど、空気がピリピリしていた感覚はなくなっていた。
ど、どういうことなのかな?
というかわたし、進化が途中でキャンセルされちゃったんだけど!
なんて呆然としてるうちに、街の方からモンスターたちがぞろぞろ戻ってきたよ!
「ん。みんな、おちついてる」
確かにモンスターたちは森に真っ直ぐ戻ろうとしてるね。
私たちに攻撃しようとする様子もない。
トレンさんが言ってたっけ。
【母なる魔樹の森】にはこちらから手を出さない限り、大人しいモンスターしかいないって。
モンスターたちはどんどん自分たちのお家に戻っていく。
まるで夢から覚めたみたいに。
なんだかわたしも夢を見てたんじゃないかって気がしてくるよ…
(°△°)ぴょ〜
…………。
「ぷ!」
「「(…………)」」
しばらく戻っていくモンスターたちを見送っていると、遠くで聞き覚えのある鳴き声と、気配がした。
あ、あの大きなオオカミみたいなモンスターの背中に乗ってるの、ミコとシル、ライムだ!
「ぷぷぷ」
「「(…………)」」
オオカミが近くを通り過ぎるタイミングで背中から降りみんなは、真っ直ぐルナちゃんの胸に飛び込んでいく。
ウサギとスライムたちと戯れる猫耳少女、ラブリー♡
……じゃなくて!
森の外縁部にいたはずの3匹が、なんでモンスターに乗ってここにいるのかな?
…………。
まだ言語らしいものを持たないヒナと、そもそも言葉が喋れないシルとライム。
わたしだとみんなが何を伝えたいのか、感情くらいしか分からないけど、テイマーのルナちゃんならなんとなく分かるみたい。
「シルが結界?をはって、まちに行かないように、してくれてたみたい」
ルナちゃん経由で話を聞いてみると、【母なる魔樹の森】の外縁部で待っていた3匹は、空気の変化を敏感に感じ取ってすぐに行動に移ったみたい。
草原にいた弱いモンスターたちが暴走しないようにシルが魔法を使って落ち着かせたり、外に出ないように結界を張ったり。
脚の速い、結界を越えてしまいそうなモンスターをライムが水魔法で足止めしたり。
混乱してはぐれてしまったモンスターの赤ちゃんの鳴き声をミコが聞き取って保護して回ったり。
被害が広がらないように、頑張ってくれてたんだって!
みんな偉い!すごい!
…………。
ルナちゃんと一緒にみんなとわちゃわちゃしていると、突然声をかけられた。
「元気そうだな」
ぴょ⁉︎
本当にすぐ近く、ほんの数歩の位置にお爺さんが立っていた。
いつの間に?
こんな見晴らしがいいのに、全く気が付かなかったよ。
「お、おじいさん、だれ?あと、あし、大丈夫?」
(°△°)ぴょ?
驚いてたせいで気付かなかったけど、このお爺さん、片脚がない!
膝から下が千切られたみたいに無くなってる!
え、けど杖もついてないし、片脚なのにそれこそどうやって近付いてきたの⁉︎
「ん?ああ、心配してくれてありがとうのぉ、お嬢ちゃん。元々義足でな。ちょっと魔王を止めてきたんだが、千年樹で加工した義足を吹き飛ばされた。ま、お返しに部下のほとんどを吹き飛ばしてやったから、おあいこって奴だな」
え、魔王?
このお爺さん何者ー⁉︎




