第110話〜おや、マールの様子が…?BBBBB!
…………。
「ぴょ〜(ルナちゃん、わたしの見た目が変わっても、驚かないでね)」
「マール…?」
必死にモンスターたちを追いかけて、でも小さなルナちゃんの脚じゃまったく追い付かない。
それどころか差は開く一方で、ルナちゃんの体力が尽きるのが先だった。
荒い息で両手とひざをつくルナちゃんは、泣きそうな顔をしてる。
スタンピードにも波があるのか、わたしたちの後ろにモンスターはいるけど、森からはまだ出てこない。
わたしは地面に下りて、ルナちゃんを見上げた。
…………。
ルナちゃんは、わたしが変わっても、これまで通り接してくれるかな?
前世では、ペットが成長して見た目が変わったことで、その子から興味を無くしたり、嫌いになる人が、いた。
中には少数だろうけど、仔犬や子猫、ヒナたちの時期しか愛せないって人もいた。
動物の赤ちゃんは小さくて、可愛くて、庇護欲をくすぐられる。
大人になったら可愛くなくなる子だっている。
それで捨てられてしまう子たちが問題になっていた。
生き物と暮らすってことは、その子たちの命を預かる事。
最後まで責任を持ってお世話しないといけない。
わたしとルナちゃんの関係はそう言うのとは少し違うけど…
…………。
わたしは覚悟を決めた。
大丈夫、ルナちゃんならわたしの見た目が変わっても変わらず、受け入れてくれる。
知識にある通り、進化すればスタンピードで暴れるモンスターたちに追いついて、止められる可能性がある。
きっとルナちゃんは、スタンピードで村や街の人たちが襲われるのを誰よりも傷付いちゃうから。
せっかく安心して眠れるようになった、笑えるようになったルナちゃんの安心を守るためなら…!
…………。
わたしの体の内側から、今までにない力が湧き上がってくる。
同時に身体が熱くなって、ムズムズしてくる。
「マール…?マール…!」
ルナちゃんが心配している声が聞こえる。
大丈夫だよ、ルナちゃん。
すぐに終わるから。
そしたらスタンピードなんて、チョチョイのちょいで終わらせてあげるからね。
あと少し、あと少しでわたしの中で何かが殻を破って
ドドドドドオォォォ!!!
「ぴょ⁉︎」
「ぅにゅ⁉︎」
突然、大地が揺れて、空気が震えた。
あと少しだった進化が中断されちゃったよ!
「な、なに…?」
「ぴょ…⁉︎(あ、あれって…!)」
空が光った。
夜空に線を引くように、大きくて光るものがいくつも空から降ってくる。
「ぴょ?(流れ星……じゃなくて、隕石?)」
沢山の光がマザートレントの根元、麓?に落ちる。
その度に地面が揺れて、衝撃が届く。
そんな夢みたいな光景が数分ほど続いて、最後に山よりも大きなマザートレントが一瞬だけ光り輝いた。
それで終わり。
辺りには静けさが戻ってきた。
い、一体何が起こったんだろう?
呆然としちゃったけど、ルナちゃんが何かに気付いたみたいに頭の上の耳を動かしながら辺りを見渡した。
「あれ…?モンスターたち、おこって、ない?トレントのお母さんも、よろこんでる…?」
え、どういうことかな?
(°△°)ぴょ?




