第109話〜スタンピードを止める!
…………。
(°△°)あわわわわわわ⁉︎
【母なる魔樹の森】の至る所でモンスターたちが吠えてるよ!
それに足音が同じ方向に、ノーマの街がある方へと向かってる!
「ぴぴょ!(ルナちゃん、とりあえず森の外に行こう!)」
ここじゃ周りにトレントばかりで戦うのも手加減ばかりで身動きが取れなくなっちゃう。
それにこのままモンスターたちをノーマの街に向かわせるわけには、いかないよね!
「うぅ……マールゥ…」
「ぴょ!(大丈夫だよ!ルナちゃんはわたしが全力で守るから!)」
ルナちゃんは震えながらだけど立ち上がって、森の外に向かって走り始める。
正直言って、このままだとモンスターのほとんどは止められない。
さっき聞こえてきた鳴き声と足音はかなりの数だった。
ここに白夜ちゃんかシルがいればバリヤーみたいなのを張ってもらって、わたしが全速力で向かうんだけど…
第一優先はルナちゃんの安全!
第二でできる限りのことをするよ!
…………。
「ぴょ!(とりゃ!)」
ーーーグギャッ⁉︎
「ぴょ〜!(あちょー!)」
ーーーバウゥ⁉︎
「ぴょぴょぴょ〜(あたたたぁ!)」
ーーーガゥ⁉︎
ーーーガォ⁉︎
ーーーギャン⁉︎
森の外へと移動中、とにかく見かけたモンスターたちを倒していく。
けどキリがないよ!
とにかく出会い頭に気絶させていく。
ルナちゃんを狙って襲ってくる子はちょっと強めに!
時間はかかったけど、ようやく森の外に出れたよ!
…………。
トレントの森方面までは見晴らしのいい草原。
こっちまでくるのに歩きで半日かかったけど、脚の速いモンスターなら1時間もあれば草原なんてつっきれちゃう。
ざっと見渡しただけでも、数十匹のモンスターが草原に見えた。
小型の子も含めたら3桁はいっちゃうかも。
このままだと…
「ノーマの街、の、みんなが、あぶない…!」
ルナちゃんが震えながらも、それでもしっかりとした足取りで走る。
ルナちゃんの気持ちが、わたしたちを繋げる輪っかを通して伝わってくる。
焦り、恐怖、心配…
ルナちゃん、自分だってモンスターが怖いのに、街の人たちのことを心配してる。
ルナちゃんは成長してる。
あのガリガリに痩せて、奴隷になって絶望していた時とは比べ物にならないくらい、体だけじゃなくて、心が。
「ぴょ(うん)」
ここはお姉さんとして、本気を出さないと、だよね。
そのためにはルナちゃん自身を守らないといけないけど…
「ぴょ〜(この体には愛着あったけど、そんな事言ってる場合じゃないよね)」
女神様から教えてもらった、というか頭に直接送られた知識の一つ。
わたしの体に宿っている、勇者の能力と、神鳥の能力。
あんまり闘うのは好きな訳じゃないし、別に勇者の役目とかもやらなくていいって女神様からも言われてる。
ただの小鳥としてルナちゃんと旅をして、ルナちゃんのお姉さんが見つかれば、世界を旅をして回るつもりだった。
この小鳥の姿はわたしの理想の可愛らしさで、できればずっとこの姿でいたかったけど…
「ぴょ!(しょうがない、進化しよう!)」




