第107話〜神様の受難2
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転生を司る管理者はここの所デスマーチさながらの忙しさに追われていた。
一度生じたバグによって至る所に不具合が発生しているのだ。
異世界からの勇者召喚時におけるバグ。
あの小鳥に一度能力値等を移した状態で転生させてしまったり、召喚自体は成功しているが勇者ではない異世界人が特殊能力でその世界には存在しなかった能力を発現させてしまったり。
自由過ぎる管理者が面白そうだからと不安定かつ矛盾点そのままの設定を変えずに別世界に送り込んだり。
そういった積み重ねが、無視できないほどのバグを生じさせてしまい。どこから手を付けたらいいのかも分からないほど。
こっちの部署は関係ないと対岸の火事を決め込んでいた管理者たちも、不具合のしわ寄せが来るとなれば行動は早く。
さりとて管轄外のことに半端な権限の者が勝手に手を出せば余計にややこしい事になる訳で。
ここ数百年で一番と言ってもいいほどに混沌を極めていた。
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「……これが¨疲れた¨という感覚なのでしょうか」
転生を司り無性の美貌を持つ管理者は概念上の手は止めず、深々とため息をついた。
時間経過の概念そのものが曖昧なこの空間であっても、連日連夜休み無しに管理者権限ギリギリの処理をしていればないはずの疲労も錯覚してしまう。
いくら働いても疲れる事もなく、疲れないから休みもなく、寿命もないから終わりもなく…
本当の地獄というのは案外ここにあるのかもしれない。
なんて事を考えてしまう程度には管理者である彼、もしくは彼女は人間的だった。
そもそも管理する世界の住人から神と認識されていた所で、概念上の神に等しい能力と権限を持っていても、全知全能には程遠いのだ。
「さて、このままだと私までミスをしてしまいそうです。息抜き、しますか」
気分転換にお気に入りの小鳥、マールの日常でも眺めて癒されよう…
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「また変なことな巻き込まれようとしてますね」
前回覗いてからそう時間は経っていないが、また何かが起こりそうな予感を覚えた。
これでも世界の管理者の一人、これから起こるであろう世界の出来事の一部を予見するくらいはできる。
どうやらこの世界の魔王の一柱が近くで暗躍しているようだった。
「あんまりその世界の住人に【神託】を行うのは禁則事項に触れかなませんか。なら…」
それぞれの世界に存在する、¨その世界に縛られないイレギュラー¨に動いてもらえばいい。
『転生の管理者よ、久しいな』
【神託】で呼び出したのは一人の老人。
今はこの世界でSランク冒険者として各地を放浪している、¨管理者側の存在¨。
「貴方に頼みがあります…」
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『やれやれ、過保護じゃのぅ。それでは若い芽が育たんぞ?』
「力を貸してやるだけでいいのです。全てを解決する必要はありません。貴方ができる範囲内であの子の障害を取り除いてはもらえませんか?」
『……ふーむ、取り除く、のぉ。老骨に相当な鞭を打って下さるね。しかし今回のは……いや、管理者様からの采配と許可をいただいたんだ。最善は尽くさせてもらいますよっと』
「……?よろしくお願いしますね」
お気に入り(小鳥)のために、ちょっと障害を取り除いてもらおう。
そんな単純な考えの元、管理者が自由に使える駒を使った。
あまり管理する世界に干渉した事のなかった管理者は、その程度の認識で世界に干渉したのだった。
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「ったく、◼️◼️◼️はこの世界のことをどの程度把握してるのかね?魔王の策略を潰すとなるとがっつり世の流れに関わる事になるんだが…。魔族によるマザートレント魔王化とスタンピード、領主の洗脳、ワシが把握してるだけでも結構大事なんだがのぅ。ま、久しぶりに制限を解かれたことだし、しばらく退屈はしないか」




