第101話〜マザートレントの怒りと悲しみ
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やっと着いた〜!
歩くこと半日、ようやく大きなトレントの根元の辺りまで来れたよ…
あと少しで日が暮れちゃうから、今日はここで野宿かな?
遠くからじゃ分からなかったけど、大きなトレントを囲むように森があったんだね。
もしかしてこの森がトレンさんが何百年もかけて移植していったトレントたち?
『…………』
『…………』
『…………』
「カカカカ!(ただいま、みんな。苗木たちは取り戻せそうだから安心して。モンスターたちに変わりはない?)」
ざわざわと、わたしたち、というかトレンさんが近付いたら辺りの木々が風もないのに少しだけ動き出したよ!
言葉は分からないけど、なんとなく、会話みたいなのをしてるのが分かった。
というかこの森、結構広いね。
何百年もかけたとはいえ、森一つを作っちゃうなんてトレンさんすごいなぁ。
「うにゅ、なんか、あったかい感じが、する」
「ぴょ?(あったかい感じ?)」
うーん、わたしはそういうのは感じないけどなぁ。
けど、何となく調子が良いような?
とう!
シュバッ!シュトトトトトト!ババババババ!ズババン!!
おー、なんか体が軽いかも!
「カカカ…(い、いきなりなんだい…?何が起こったのかな…?)」
『おい、鳥頭!いきなり暴れるな!ここのトレントどもにダメージが入ったら何のために来たのか分からんぞ!』
「マール、めっ」
(°△°)ぴ、ぴょぉ…
一応、何もない草原の方に軽くシャドーボクシングみたいなのをしただけなんだけど…
『大人しくしておけ。いいな?』
(°△°)ハーイ
…………。
「カカカ(まずいな…。すでに一部の殺気立ったモンスターが街の方に向かおうとしてるらしい。ここにいるのは普段は大人しいけど、暴れ出したら手がつけられないようなのが多いんだ)」
森のトレントたちと話してたトレンさんが、少し焦ったようにそう言った。
「苗木たち、返ってくる。伝えても、だめ?」
「カカカカ(難しいだろう。元々支配下にあるとかじゃないんだ。あくまでここが居心地がいいから住み着いた連中でね。悪意がないからここまでやって来れたけど、別に仲間ってわけでもないんだ)」
悪意はなくても、暴れん坊だったり、トレントを傷付けたりするようなモンスターはトレンさんが追い払ったり、間引いたりしてるんだって。
だから基本的にこの森のモンスターは攻撃されたりしなければ大人しいらしいんだけど…
「カカカ!(母が怒り悲しんでる気配が伝わってしまってるんだ。早く母を安心させてあげないと…)」
『二手に分かれるぞ。猫娘と鳥頭はモンスターの方に行け。死なない程度に痛めつければ大人しくなるだろう。我が輩たちはあやつの説得だ』
どちらにせよ、トレントのお母さんを落ち着かないとモンスターたちは暴れ出しちゃうもんね!
行こうか!ルナちゃん!
「ん、いこう、マール」




