08.武器選び
残額:2945エギア
なんとパーカーがそれほど珍しかったのかむしろこっちに利益が出た。それは良しとしてこれだけのお金があればそこそこのものは帰るらしいな。宿の小さい食事はせいぜい2桁までで服も数着買って4桁。とりあえず無駄使いは辞めておきたいから武器と鞄、ソードベルト分を使っても残額は1500ほど残しておきたい。よって今日は1445エギア以上は使わない!多分それだけあれば十分だろう。
優先順位的に、武器とソードベルトが優先だろう。とりあえず武器屋に行く。まだ日が暮れるまで3時間ほどあるので観光感覚で大通りを歩く。大抵の店は大通りにあるから見つかるはずだ。ついでにほかに世話になりそうな店も探しておく。
数分後、剣と弓のマークの看板が出ているお店があった。ここだろうな。ドアは開いていた、多分人の出入りが激しいのだろう。大通りに面しているから多分有名なお店なんだろうしな。
「いらっしゃいませ〜!お客様、本日は何をお探しで?」
若いな、といっても25くらいはありそうだけど。
「冒険者になるので、丁度いい武器を探してまして。」
「なるほど、どのような武器がお好みですか?」
「弓矢は自信ないので剣ですかね…」
「ほほう、剣ならばあちら側に置いてあります。」
ここの人は丁寧だなぁと思いながら剣のコーナーに行った。剣のコーナーに向かう途中で、他の近接武器とかも見かけた。正直剣以外の近接武器ってあまり知らなかったから「こういうのもあるのか〜」と思って見てみた。
メイス、聞いた事はあったけど近接系の打撃武器だったのか。短めの棒の先に痛そうなのがついている。ちょっと手に持ってみるが、重い…道理で威力がある訳だ。
戦斧、たしかに聞いたことがある。しかし斧が武器になるんだなぁ…これはサイズがでかいだけに重いが、メイスがこの大きさだったらこれの3倍くらい重そうだ。
ハルバード、へぇ…こんな武器があるのか。間合いが広くて先っちょは槍のように尖っている。だがその左にはトライデントのように突起があり、右には斧のような刃物がついていた。色々と使えるなぁ、横に振っても攻撃できるし、つついても刺さるし。意外といいな。買うかもしれない。
さて、剣だ。うーむ、考えてたのはダガー系のものだったがこんなに種類があるとなると別のものにも興味が湧いてきた。両手剣とか片手半剣、ファルシオンと呼ばれる刃の幅が広い剣とかも売ってる。片手半剣とかは他のに比べると間合いが長いかな。ちょっと持ってみる。違和感だ、重心が微妙だな。カッコいいけど初心者には扱いが難しすぎる。やめておこう。両手剣、持ってみるとフィット感がいい。いい感じだ。とりあえずお金に余裕があるわけでもないから一番安いのを探してみるんだけど、高ぁぁいっ!!一番安いのは1250エギアだった。いや、高いよ…この武器屋さん、大通りに面してるからかな、高い。
剣は諦めてとりあえず他の武器で自分に合いそうなのを探す。そうだ、興味があったハルバード。あれを見てみようかな。長い、俺の身長以上ある。ざっと180センチ?とりあえずこれにしようかな。値段はー…850エギア。思ったより安い。試しに振りたいんだけど…
「あのすみません、ここって試し振り出来ますかね。あとは武器の説明とかでもいいんですけど。」
「はい、出来ますよ。こちらへどうぞ。」
そう言ってさっきの人に案内されたのはいかにも練習場のような空き地。地面はかなり踏み固められた土に見える。
「武器の説明は彼女がしてくれますので。では、私はこれで。」
彼はそう言って店に戻っていった、そしてさっき紹介してもらった彼女がこっちに来た。
「こちらは中古品のハルバードでして、こちらのボタンを押しながら下に向けますと収納できて持ち運びが楽なんです。展開する時は下を引っ張れば展開しますよ。」
彼女、説明がうまいな。ボタンなんて気づかなかった。攻撃サイドの先の方に金属製のボタンがあった。これを押しながら下に向けると… コトン 収納された。これで大体3分の1くらいのサイズになった。攻撃サイドじゃない方の先っちょの金具はまだ飛び出ていた。これを引っ張るのか。意外とスムーズに展開できた。このハルバード、使えるな。850エギア出す価値はある。長い割には軽いし間合いも長い。ちょっと前に出て降ってみる。遠心力があるから意外と攻撃力はあるし、つつくのも問題ないな。購入決定!
「あ、これとダガーを持てるベルトのようなものもこの店で売ってる?」
「それならこちらに。」
そう言って彼女は革製のベルトとベルトに取り付けるであろう剣先のカバーを持ってきた。
「こちらがハルバード用のカバーで、こちらがダガー用のカバーです。こちらのベルトに取り付けて使用します。」
「なるほど、ダガーはまだ持ってないからハルバードカバーとベルトを買っていくことにしようかな。」
「かしこまりました。それではベルトにカバーを付けさせていただきますね。どこら辺がいいですか?」
「左側の腰に手を当てたとこら辺でお願いします。」
「はい。」
彼女は手際よくベルトにカバーを取り付けると俺に渡して去っていった。しまった。ベルトって何エギアなの…
「950エギアです。」
100エギアか、よかった。とりあえず武器とソード(?)ベルトも買えたし、あとは鞄か。それにしても、新しい武器の発見もあっていい買い物したな〜。残額は495エギア。鞄も買えるかな。