17.初めての依頼
はぁ…何なんだこれは…
とりあえず昨日はあの後古文書を返却して宿に戻った。魔法は複数覚えたから十分であろう、試し打ちはしていないが。そして今日からルカと冒険者生活。なにか討伐したらメニューの討伐履歴が解禁されるのだろう。
食堂に降りるとルカが朝食を取っていた。
「やぁ、ルカ、おはよ。」
「ん、おはよう。」
「ご飯食べたらギルド行く?」
「そうだね。」
30分後、俺らはギルドに向かった。
「初めての依頼はまだ俺たちの力がわからないから簡単なのにしようぜ?」
「じゃあ野ウサギ討伐でどうかな。1匹15エギアだってさ。」
「いいんじゃないかな、何体討伐するばいいんだ?」
「最大20匹だってさ。」
「よし、なら受けよう!!」
掲示板から野ウサギ討伐の依頼の紙を破りとりズボンのポケットに突っ込む。
(あれ…前ギルドに来た時はカウンターに持っていってたような…まぁいいか…)
俺らは街の門を出る。
「おい、お前…あの一文無しか?」
「ん?護衛さんじゃないですか!あの時はお世話になりました。」
あの人だ、街に入れてくれたり通過のシステムを教えてくれた街の護衛。
「お前も立派になったもんだな。」
そう言って彼は笑う。そうだな、1週間くらいだけどとても長い時間に感じる。俺は挨拶をして広がる草原に野ウサギを求めて旅立った。
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数時間後、森の中。
「なかなか出てこないね。」
「今3匹か…」
「もう少し欲しいね…日が暮れるまでまだあと2時間くらいありそうだからもう少し粘ろうか。」
「そうだな。」
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1時間半後
「結局5匹かぁ…」
「そうだね!」
「75エギアあれば十分か。」
「プラス、ギルドへの討伐証明で多少お金が入るはずだよ。」
「そうなのか!それはいいな!そろそろ戻るか、日が暮れるころだし。」
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その後俺達は街に戻りギルドに行った。
「この依頼を受けたんですけど…ギルドの方から貰える討伐報酬はどこで貰えますか?」
「それはあちらのカウンターで貰えますよ、依頼の紙はお持ちですか?」
「これです。」
「これですか、これはこの街にあるゲシャフト商会の依頼ですね。この手の依頼は紹介側が直接購入するのでギルドからの依頼達成報酬は出ません。討伐報酬は先程言った通りあちらのカウンターで貰えます。」
「分かりました、ありがとうございました。」
俺達は案内されたカウンターに野ウサギを持っていった。
「野ウサギ5匹か、足の爪と引き換えに1匹あたり2エギアだね。ステータスカードを渡しな。」
そう言われて俺達はステータスカードを差し出した。
「ほう、初めての依頼だったのか。どうかね、タドの街は。」
「この街、タドって言うんですか…いい街ですね。」
「知らなかったの!?」
ルカがめっちゃ驚いている。そりゃそうか、街の名前すら知らなかったんだもんな、俺。
もう日が暮れていて商会は閉まっているのでとりあえずのところ、今日の収入は10エギアだ。1人5エギアの収入だ。明日は紹介に行くので野ウサギを渡した後は自由行動となった。よし、今日は早めに寝て、明日は商会の後に魔法の練習をするとしよう。
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