01.チャンスは異世界で
俺は水神勇貴、23。人生、大学卒業して就職先が見つかるまで平均的にやってきた。
運動神経?普通かな。成績?これも平均的。友達もまぁまぁ居るし困らないレベルで平均的な人生を23年間送ってきた。 でも正直なところ、満足かと聞かれたらもうちょっと頑張っておけばよかったかなと思う。そうしたら後の人生、少しは楽だったのかな。
ちなみに、趣味も平均的だ。ゲームとか本とか、アニメとか。少しインドア系に偏ってはいるものの、特に珍しい趣味でもない。本だってライトノベルも読むし、文学も読んでいる。至って普通だ。
今日は大学の友達と就職先が決まったので飲みに行った。来月から大手企業のサラリーマンになる。他の友達も多少の上下はあるものの、サラリーマンが多い。うん、平均的だな。
俺は別にサラリーマンになりたかった訳では無い。もちろん仕事が決まったのは嬉しいことなんだが。帰り道、俺は考えていた。もし、もう少し頑張っていたらどんな人生になっていたのかと。
「…シ…イ?…」
ヤバい、幻聴が聞こえる。飲み過ぎた、考えすぎた。
「ジ…ヤ…シタイ…?」
まだ聞こえる。そこら辺の自販機で水を買ってこよう。飲み会で飲むのは初めてで慣れてないお酒を飲んだのはやはりダメだったか。
「人生、やり直したい?」
はっきり、そう聞こえた。出来ることならやり直したいさ…そう思ってため息をついて目を開けると、なにやら幻覚も見えてきた。
「これって結構ヤバいんじゃ…」
目の前には女性が一人、不思議な服装をしている。Tシャツではないな、ワンピースの様なものを着て椅子に座っている。美しい、美人だ。
「今、人生やり直したいと願いましたね?」
「あ、まぁ… というかここは…?」
ちょっとのってみる。この人も幻覚なのだろうか。
「私も、この部屋も幻覚ではありませんよ。水神さん。」
その女はまるで俺の心を読んだかのように答える。というかまて、何故俺の名前を知っているんだ。
「私はエア、一応神様的な存在です。あなたが人生をやり直したいと強く願ったのであなたにチャンスを与えに来ました。」
流石にまだ信じ難い、でも夢じゃない。感覚がある、それに実際、俺はそんなに飲んでいない。
「信じ難いですか?」
「えぇ、それはまぁ…」
「そりゃあそうですよね、夜道を歩いてたら急に神様とか言ってる人がいたら驚きますよね。まぁそれは仕方ないんですけど、あなたには先程言ったようにチャンスをあげます。」
そうやってエアは説明を続けていく。俺はただ彼女の話を聞くことしか出来ない。どうやら声が出ないようだ。
「で、そのチャンスというのはですね、異世界生活です。」
(ふぇぁっ!?)
声は出ないが俺は今、とてつもなく驚いている。
初めまして。じゃむすです。
この度ラノベを書き始めました。
初めての試みで、ありふれたネタが多いと思いますが温かく見守っていただけると嬉しいです。
アドバイスや感想、意見などお待ちしております><