第六十八話・五番目
筑笹「いいか、手筈通りにやってくれよ」
遠藤「任せておけ。五角関係にしてやるぜ!」
筑笹「誰もそんなこと言ってない!」
遠藤「俺が主役だ! 第六十八話!」
~嵩都
深夜遅く。ルーテに割り当てられた部屋で俺たちは起き上がった。
皆が寝静まった頃、俺は四天王に命令を出し、プレアは魔王に連絡を飛ばす。
『フェイグラッド、カルラッハ、ウリクレア、ヴェスリーラ。明日の正午この城を襲撃せよ。ぐれぐれも余の正体がばれるようなことはするな。するなよ。絶対するな』
と、フラグを立てておく。
これを四天王に言っても多分理解不能だと思う。
『了解しました。では、現時刻を持って進軍を開始します』
はるか西の上空から、災厄が動き出した。
リンクが切れ、俺はプレアの方を見る。
そちらもちょうどリンクが切れたようだ。
「いよいよ明日だね」
プレアが音消し魔法で俺にのみ声が聞こえるようにする。
「そうだな。……なあ、プレアはアネルーテを殺せるのか?」
そう、七人目であるアネルーテを殺す役割はプレアなのだ。
「愚問だね。でも、出来れば殺したくないなぁとは思っているよ。ま、最終的に生き返らせればいい話だけどね」
確かにその通りだ。それに俺たちが『蘇生』する分には死人という概念は結び付かない。
まだ人体実験したことがないから何ともだが成功はすると確信している。
死人にならないのは間違いなく脈が戻り、心臓が動き、思考するからだ。
死人になった場合はそれが全部なくなる。
だからこそ生死を簡単に操れる俺たちにその概念はない。
「そうだな。時間はあまりないが模索してみるのもいいかもな」
「だね。さて、もう一眠りしようか」
プレアに腕を引かれて俺はまた寝床に沈んだ。
結婚日当日。
俺は今、ルーテを待っていた。少々着付けに手間取っているらしい。
プレアは一度魔王軍の元へ行き、ハーデスとして来るようだ。
司も同様にツクヨミとして参戦するらしい。
俺? もちろん途中で抜けるぞ。邪神軍で時間差攻撃するからな。
やがてルーテが部屋から出てきた。
「お待たせ」
ルーテは水色のドレスを着ていた。少し装飾過多だとは思うが華やかさがある。
髪には宝石のちりばめられた髪飾りを付け、口には紅をさしていた。
「綺麗だな……でもやたらと装飾が多い気がするが……」
「やっぱりアストもそう思う? それに動き辛いのが難点なのよね……」
「ともかく向かいましょう」
「はい。お願いしますね」
ルーテが俺の腕に組みついた。
それはこの間の社会場で学んだことだ。俺はそのまま式場までエスコートした。
なぜこうするかというと、男性に歩いてもらい段差などに気を付けるためだ。
靴がハイヒールという事もありドレスの上からでは先が良く見えないそうだ。
式場である大聖堂に着くとまた王族や貴族たちにあいさつ回りをした。
したというよりは半場強制的だった。
一通りの挨拶を終えた俺たちはクロフィナさんいる控室に向かった。
控室の扉を叩くと中から使用人が開けた。
「はい――第二王女様方でしたか、どうぞ」
使用人に促されて中に入るとクロフィナさんが暗い顔で落ち込んでいた。
「お姉さま」
ルーテが声を掛けるとクロフィナさんは顔を上げた。
化粧をしているとはいえ、明らかに寝不足だ。目にうっすらと隈があった。
「アネルーテ……それに――あなたは! ……いえ、もう今更ね」
俺を見るなり激昂し、次の瞬間には諦めた表情になった。
クロフィナさんは全てを諦めた顔でルーテを見た。
「……アネルーテ、リンを――亮平を頼むわ」
ああ、クロフィナさんはまだ知らないのか。
「残念ですが彼は脱獄しました。こちらに来たら処分するつもりです」
「えっ」
現に、今頃必至こいてここに向かっているだろう。
別段処分するのは嘘だ。しかしそうでも言っておかないと後で犯罪者に対して甘いという噂が何処からか流れかねないからだ。
「そう……」
「私がここに居ても仕方ないので外で待っています」
ルーテにそう言って頷くのを確認してから俺は部屋を出た。
中で何を話しているのかは知らないが少し嬉しそうな声がしていた。
「ん? おお、嵩都殿か。お役目ご苦労」
アルドメラ王だ。ようやく到着したようだな。
「ハッ! 先の事件より第一王女様とは少々気不味いので第二王女様よりご許可をいただいて外でお待ちしております」
「そうか。……嵩都殿にも言っておいた方がいいだろう」
なんだ? 国王が苦渋の決断をしたみたいな顔をしている。
「実はな、もし今日嵩都殿の言う通りに王子が死んだ場合婚約を破棄して欲しいとレン王より相談が来てな。それでもし脱獄した亮平がこちらへ来たら殺害しないでほしい」
ふむ? あの王子が、か。まあいい。なんにせよこちらには好都合だ。
「ご命令、承りました」
「うむ。このことは事が済むまで内密に頼むぞ」
「ハハッ!」
国王はそれだけ言うとクロフィナさんに会いに来たのか中へと入って行った。
式場に来てルーテを最前列の席に座らせ、俺は横の柱の辺りで待機する。
全員が着席すると神父――ではなく教皇のウリクレアが来た。
ウリクレアだが事件開始後に大聖堂から逃げることになっている。そしてその後に合流する予定だ。
教皇になった経緯は、聞く限りだと回復や慈愛のみで住民の信頼を勝ち取ったらしい。
そのウリクレアだがこっちの教皇名称だとクレアと名乗っているらしい。
もう少し捻った方が良いとも思ったが、今の所は正体が露見していないので気にしないことにした。
そしていよいよ大聖堂の鐘が鳴り、式が始まろうとしていた。
「新郎新婦ご入場――」
門兵が慎ましく言い、新郎である王子が白いタキシード……ではなく一級品と思われ、良く使い込まれている鎧と帯剣をしたまま入場してきた。
そのいでたちに俺も少し瞠目した。中々お目にかかれない面白さだ。
続いてクロフィナさんが入場してきた。こちらは問題なく白いドレスとヴェールだ。
王子が堂々と入場して式段に立つ。そして式が始まって行く。
――――バタン!!
「その式、ちょっと待ったぁ――――ッ!!」
少し経つと扉が勢いよく開いた。
「な、何者だ! 貴様!」
亮平か? そう思ったがそこにいたのは遠藤だった。
……遠藤? なんで遠藤がいるんだ!?
全くの想定外の事態に少々困惑した。
しかし逆に考えればこれから起こることもある意味予想外のことだ。
さて、どうなることやら。
「貴様! 平民風情が何故邪魔立てするか! 衛兵、この不届き者を捕らえよ!」
ハイクフォックの貴族の一人が指示を出すと昨日より重武装化した衛兵が遠藤の前に立ちふさがった。
それに対して遠藤は固有武装であるアスカロンを抜いた。
「海広殿、そなたを招いた覚えはないぞ。早々に退出せよ!」
国王も遠藤に対して言うが、遠藤にも引く気はないようだ。
「ふん、誰が出て行くか! 俺たち勇者はこの結婚式に反対だ!」
……俺たち? となると筑笹たちかな?
「ええい、ひっ捕らえろ! 最悪殺しても構わん。無礼打ちだ!」
随分古めかしい権限があるんだな。どうでもいいが。
さて、俺も一応形だけ出ておくか。
立ち上がり、遠藤の前に立ちふさがる。
「遠藤、今でも遅くはない。引け」
俺が心にもないことを言うとそれを真に受けた遠藤は鼻で笑った。
「ハッ! 嵩都、お前は人質を取られてるみたいだが引くわけにはいかねぇぜ!」
遠藤の言葉に王子が国王に問いかける。
……その件はもう終わっているのだが、この際有効活用させて貰おう。
「それは真か、アルドメラ王よ」
「あ、いや……」
ここでしっぺ返しを食らうと思ってなかったのか国王が慌てる。
俺が追い打ちをかけてもいいがここは敢えて黙っておこう。
「す、嵩都殿」
予想通り国王が情けなくも助けを求めてくる。
うん、どっちに転んでも俺が得をするだけな状況だ。
「はい。そのようなじじつはいっさいありません」
と、動揺している政治家のように棒読みで答える。
実際これで義理立てはしたし俺としては真実しか言っていない。
「ちっ、卑怯な! 嵩都をそこまで貶めるか国王!」
これで国王の印象は一気に悪くなった。
「ぐぬぅ……と、ともかく、奴を捕らえることが先決だ!」
国王が叫び、ようやく正常路線に戻った。
「ちっ、嵩都! お前だって本当はこの式に反対だったんだろ!」
遠藤の叫びに俺は聖剣を抜刀して顔の前に構える。
「――私は王の剣、王女の盾。身を賭して賊を払う」
これだけ言えば良いだろ。後は勝手に誤解してくれるだろう。
俺が一歩目を踏み出すと外から大砲を撃つような音がした。
俺は瞬時に防御魔法を張る。これは魔王軍の攻撃じゃないな。
爆発し、天井が崩れて天井が落ちてくる。瓦礫は防御魔法に当たり、横に逸れていく。
天井が崩れたことによって青空が良く見える。
視覚を強化して分かった。城下町の外、崖の上から漆黒の機体が遠距離砲台を持って撃ったようだ。
そのどさくさに紛れて遠藤が一直線にこちらに突撃してくる。
「させるか!」
防御を張っている俺の背後から王子が抜刀して遠藤に斬りかかった。
「くっ、そう簡単にはいかないか」
「当然だ! 婚約者を守れなくて何が男か!」
「――お前……だが、俺だって負けられない!」
と、熱い馬鹿二人の戦いが勝手に始まった。勝手に斬り殺ってろ。
『嵩都、そろそろ行くよ』
そこへプレアからリンクが入った。
一気に広範囲探知しておおよその数を探り、戦況を見る。
『了解。それと北西崖上に漆黒の機体がいるから背後を強襲されないように気をつけろ。もしかしたらSTかもしれない』
『分かった』
リンクが切れる。さて、ウリクレアは……とっくに逃げたようだ。
準備は整ったな。北門付近にゲートが開き始めた。
それと同時に東門から二十mを超える化け物となっているはずの亮平がこちらに走ってきている。
「両方とも、そこまでだ! 魔王軍が来たぞ!」
俺が仲介に入り、遠藤と王子が剣を引く。
「魔王軍!?」
「やはり実在したのか!」
「東からくるあれはなんだ!」
貴族たちがおおいにざわめく。
「静まれ! 戦えぬ者は即座に大聖堂から脱出せよ!」
ハイクフォック王が叫ぶと王と王子を残して貴族たちは我先にと逃げ出した。
さて、俺はルーテを見る。さも当然のようにいつの間にかローブと杖を持って戦闘配備していた。
「あれは……っ」
俺が空を見上げると同時に大聖堂上空にゲートが開いた。
一人、二人、三人と姿を現す。そしてシャンとポノルも現れた。
シャンが空中から俺たちを睥睨するように見渡し、俺を見るや少々顔を赤らめた。
おそらく先日の件を思い出したのだろう。
「ぼ、僕は魔王シャン! これよりこの世界の掃討を始める!」
やたら緊張しているシャンが宣言するとポノルが口を開いた。
「魔王様の言葉に従い、各自攻撃を開始せよ!」
『ハハッ!』
そうして幹部たちが散っていく。
「――ッ、させるな! 各自魔王軍と名乗る者どもを迎撃せよ!」
流石は国王なだけあって判断は早い。
その言葉で衛兵たちが王と王子を守るように陣形を整える。
そして赤い髪の男、魔王軍幹部第一位が魔剣セクリリスを抜いて王子に狙いを定める。
「私は魔王軍第一位ジェルズ・ヴェカリス! 偉大なる魔神様を復活させるため、そこの贄の命、もらい受ける!」
第一位が急降下して王子に突貫を仕掛ける。
「狙いは王子だ! 守れ!」
周りにいた兵士たちがすぐさま王子を守るように陣形を立てる。
「邪魔だ!」
『ぐああ!』
流石はモブ太郎たちだ。見事に吹っ飛んで行った。
「させるか!」
そこで王が自ら剣を抜いて第一位に斬りかかった。
「ふん!」
王の猛攻を児戯だと言わんばかりに片手ではじいている。
「俺だって! うおお!」
そして王と連携するように王子も攻撃を仕掛ける。
さて、俺の相手はもう決まっているな。まずは国王に許可を貰わねば。
「国王様」
国王の方を向くとアネルーテが防御魔法を張っていた。
「うむ、言いたい事は分かっておる。空中戦は嵩都殿しか出来まい。アネルーテの護衛は現時点で解任する。存分にその力を発揮せよ!」
「ハッ! ――ルーテ、気を付けて」
「うん。アストもね!」
「ちょっと待てお前たち! いつの間にそんなに仲良く――」
国王の戯言はどうでもいいだろう。俺はシャンとポノルに目を向け、飛翔する。
聖剣を抜き放ち、正中に構える。
「魔王自らぬけぬけと出てくれるとは好都合! ここで因縁に決着をつけてくれる!」
と、冤罪にしかならない台詞を吐いておく。
するとシャンは何を勘違いしたのかちょっと頬を染めて抗議する。
ふと、この間の事が頭をよぎるがそれはないと思った。
「それはこっちの台詞だよ! この間の恨み、ここで晴らす!」
あの事まだ根に持っていたのかよ!? 終わっただろ!
俺はわりと本気の速度でシャンに肉薄する。
下段から切り上げ、振り下ろす。
「うわっ」
シャンはそれを両手の剣をクロスさせてギリギリで防ぐ。
俺は不適な笑みで真空波を放つ。
「舞え、真空波!!」
ヴァルナクラムのダイヤが輝き、大小数百の見えない刃がシャンに降り注ぐ。
「いてててて!!」
数秒でズタボロになったシャン。
悪いとは思うが手加減したらこっちが怪しまれるので容赦なく腹に膝蹴りをくれてやる。
「うぐっ――」
それからの、防がれること前提でわざわざ苦手な雷魔法を詠唱する。
これは勇者だというイメージを愚民どもに抱かせる演出だ。
どっかでどうせ誰かが見ていて後でそれが流布されるだろうから。
「精霊よ、雷の精霊たちよ、俺の問いかけに答えよ。目の前に在りしは邪悪の根源たる魔王。彼の者を滅ぼす聖なる雷となりて敵を穿ちたまえ! ファリス・ライ!」
「くっ――神夢剣バンムンク、無効化して!」
初めて聞いたが厨二をこじらせたネーミングセンスだな。
俺の魔法はたやすく無効化された。斬るのかなと思ったがそこまで切羽は詰まってないようだ。
さて、せっかくだし驚いておくか。
「なにっ!?」
「ふう、ビックリしたぁ。今度はこっちから行くよ!」
そして攻守が交代し、俺はシャンの剣を片手の鼻歌混じりにはじいていく。
シャンが使うのは『二刀スキル:アマテラス』だな。計六連撃で使い勝手の良い上段からの六回攻撃だ。 だが、俺の前では手数など無意味。
さて、下はどうかな? 見てみると王が負傷して王子が右腕を負傷したようだ。
そして遠藤は死んだふりでもしているのかピクリとも動いていない。
ルーテは大聖堂に侵入してきた魔物たちからクロフィナさんを守っていた。
聴覚を強化して聞いてみるとやり取りが聞こえてくる。
「ククク、もういいだろう。大人しく死ぬが良い」
典型的な悪役の台詞を言って王子に近づいていく。
「させぬわ!」
「邪魔だ!」
王が王子をかばおうと身を挺すが第一位は廻し蹴りで王を跳ね除けた。
「ぐっ……」
「親父!」
「さあ、そろそろ幕にしようか!」
第一位が王子に向かって剣を振り下ろす。
王子は剣で受けるが、魔剣の一撃に耐え切れず砕け散り、王子を袈裟懸けに斬った。
「ぐああ!」
王子がのけぞって地に伏せる。
「痛かろう。今楽にしてやるぞ!」
第一位が魔剣を突き立てるように構えて振り下ろそうとする。
すると、王子が獰猛笑みを向けて第一位に抱き着いた。
その衝撃で自身に魔剣が突き刺さり、光り輝いた。
誰もその輝きに気付かない。王子自身もそれに気づかないのか王子は離さないとばかりにしがみつく。
「なっ――」
「ハッ! 死ぬならてめぇも死ね! 着火ぁ!」
よく見ると王子は身体の内側に大量の爆弾――ダイナマイトを隠し持っていた。
そのダイナマイトが着火した。もう間もなく爆発するだろう。
「ジェルズ!」
シャンが第一位を気にしてよそ見し、俺から注意が逸れる。
「貰ったぁ!!」
俺は少しだけ加減して大声で叫びながら『剣スキル:峰打ち』でシャンを袈裟懸けに斬った。
その血に水魔法をかけて打ち取ったかのように盛大な血しぶきに見せかける。
そしてシャンはもう退場しても良いので柄尻で当身して気絶させる。
気絶――気絶――気絶した。意外と打たれ強いなこいつ。
「魔王様!!」
ポノルにアイコンタクトしてシャンが落ちるのを受け取ってもらう。
俺はシャンに手傷を負わせたことを大々的に宣言する。
「魔王は深手を負った! 皆よ、もうひと踏ん張りだ!!」
俺がそう拡音して叫ぶと各所で戦っていた兵士や勇者たちが雄たけびを上げた。
次いで下で大爆発音が響いた。
「しまった!! 間に合わなかったか!!」
毛頭、間に合わせる気もなかったがそう言っておく。
それだけ魔王との戦いに集中していたという演技だ。
ポノルは転移を繰り返して宣戦の離脱を図る。
「な、なんだあれは!」
城下町から住民の声が上がり、西の空を見上げる。
ようやく到着したようだな。随分遅かったな。
そこには我が邪神軍の象徴、浮遊大陸が一城、ムスペルヘイムが浮かんでいた。
浮遊大陸自体は残してきたのだろう。あれはそういうことも出来る。
「ようやくですか……。ハーデス、ツクヨミ!」
ポノルも気づいたようで仮面の二人を呼び出す。
「はい、御用でしょうか」
「彼らと連携し、魔剣を回収。地上にいる生物を抹殺しなさい!」
「了解」
「了解」
二人に遮られる格好で俺の侵攻が止まる。
「待て!」
「貴方はつくづく邪魔ですね……! 次こそはぶち殺してあげましょう!」
ポノルが物騒な言葉を吐いて魔界へと帰っていく。
最後に僅かに会釈したのを見逃さなかった。俺も返しておく。
「ツクヨミ、魔剣回収を」
「ハーデス、彼の足止めを」
お互いがお互いに命令するようなことを言い、ツクヨミは俺を無視して下に降りていく。
予定通りなので俺は追わない。ハーデスに視線を合わせる。
『それじゃ行くよ、嵩都。遠慮はしないからね?』
リンクでプレアの無邪気な声が聞こえてくる。
『いいぜ、来い』
そしてハーデスの持っている大鎌が俺に向かって振り下ろされた。
嵩都「プレア……まさかお前と戦うことになるとはな」
プレア「ふふふ、ボクの正体を知ったからには死んで貰うよ」
嵩都「ふん、それは此方の台詞だ。今日こそこれまでの因縁に決着を付ける!」
嵩都&プレア「でやぁぁぁ!」
グラたん「何で料理対決しているんですか……」
グラたん「次回、希望を刈り取る化け物」
???「――――ィィッ!!」




