プロローグ
初めましてグラタファトナです。
愛称はグラたんです。
ある程度の設定を元に毎日更新という何時終わるかも分からない戦いに挑む馬鹿者です。
誤字脱字等は確認した後に投稿しますが、もし間違っていたらご指摘お願いします。
一面真っ白の空間に黄色い光を放つ少女が一人。
彼女は楽しそうに何かを空中に書いている。
そして誰もいない空間で一人呟く。
「よし、これで終わりかな?」
彼女は額を腕で拭う。手にはペンを握り、空中に本が浮かんでいる。
そして確認するようにまた独り言を繰り返す。
「世界はここを使い、大陸はここ、勇者たちのお城はここ、ストーリー、配役良好」
その彼女は空中にある本に描き綴る。
そして自身が書いた物語をパラパラとめくり適当な箇所を開いて読み始める。
「主人公は異世界から召喚されて王国に使える身で在りながら城のお姫様に恋をしました。そしてそのお姫様も彼に一命を助けられたことから彼を好きになっていました」
彼女が書くのは結ばれない恋の物語。
物語は行き倒れていた姫を助けたことがきっかけで主人公と姫が恋に落ちて行く。
「でも、彼等は身分違いの恋で叶わないことを知っていました。彼はその恋を叶えようと必死に努力を積み重ねましたが、やがてそのお姫様は別の王家へと嫁いでいくことが決まりました。お姫様は最後の抵抗とばかりに好きだった彼を嫁いで行く道中の近衛兵に選抜しました」
まるでその主人公になりきっているかのように彼女は姿勢を正した。
「そして嫁いでいくその前夜。お姫様は彼のことが好きでどうしても他国へと嫁いでいくのが嫌になりした。お姫様は近衛になった彼に頼み込みお城を脱走し、それに同調した彼と一緒に召喚された勇者たちが仲間に加わり、その数は十人を超えました」
彼女は気分が乗って来たとばかりに朗読していく。
物語には彼女が書いた挿絵が挟まっていた。
先頭に主人公と思われる青年と手を引かれて走っている姫。
その後ろに仲間の勇者たちが走り、その中には十m近い機械の姿もあった。
「しかし、その行動を読まれていたように城門前には彼と同じように異世界から召喚された親友が立ち塞がりました。親友は国王に脱走した彼等を捕えるように命じられていました」
次の一ページにある挿絵。
このページには親友と思われる男性が銀色の聖剣を抜いていた。
「親友は召喚された勇者の中でも最も強い勇者。背後にいた彼等は瞬く間に叩き伏せられてしまいました。彼は無謀と分かっていながらも親友との一騎討ちに望み、数瞬と経たずに地に伏してしまいました。敗北した彼は親友の手によって連れ戻される姫の背中と連れ去って行く親友の背を見て呟いた」
彼女はその登場人物になりきって片手を顔に当てて苦悶を表現した。
「俺では……届かないのか……」
カッコをつけ、ポーズを決めたりしている。傍から見たら恥ずかしいだろう。
彼女は本を閉じ、白い球体に近寄った。
そして右手に本を持ち、左手に球体を持った。
「ん~、良い感じね。さてと、これをこの星に付与して――――――きゃあ!」
ーーーーバリッ!
突如、その白い空間に青い稲妻が走った。白い球体から本へと稲妻が伸びている。
「えっ! うそでしょ!?」
突然の事態に少女は力加減を間違えた。
球体と本がずれて手が交差し、本と球体が直線上の方向に飛んで行く。
そして本の方が青い球体へとぶつかり、本は地面に落ちた。
少女は慌てて両方を拾い、傷がついていないか確かめる。
彼女は本を開き、中の物語を一ページから丁寧に確認していく。
「あれ?」
その物語は最初こそ元のままだが途中から少し内容が変わっていた。
「うーん…………まあいいか。これはこれで面白そうだし」
彼女は楽観的になり、途中から白紙に戻っている物語を自分の進めたいように書き入れていく。
最後の方にはキャストが書かれていた。それも順々に確認していき、所々にわずかな修正を入れる。
「あれ? この魔王役……」
彼女の手が止まる。そこに書かれているのは本来、魔物のはずだった。
だが、書かれていたのは一人の人間の名前だった。
彼女はクルクルとペンを回し、何処か虚空を見つめていた。しばらくそうしていると彼女は不意に笑みを浮かべ、本に視線を戻した。
「まさか彼に……よし、ちょっと設定弄ってあげよう。魔王の名称も第二のお姫様の別名とかぶっているから変更ね」
彼女はペンを動かして書き換え、『魔王』の役を『邪神』の役に変更した。
本来、それを付けることは彼女を知るものからすればあり得ない話だ。
だが、彼女は少し先の未来を視て識った。
もうすぐ目的は達せられるのだと。
「でも役割自体は変わらないからね。っと、能力は……魔剣に飛べる能力を追加。それに……」
彼女は邪神の役に能力を書き加えていく。
書き終わるころには膨大な数の能力が書かれていた。そして最後に一文字付け加える。
「この人には……ここもちょっとだけ――――と」
そう言って彼女は邪神役の別の所にも修正を入れていく。
長い時間をかけてようやく書き終わり、ひとまずペンを置いた。
彼女はまたしばらくして別の役割の箇所も修正していく。
その作業もやがて終わり、彼女は楽しそうに笑いながら言う。
「さて、いよいよ物語の始まりね」
そう言って彼女は楽しそうに本を閉じて白い球体に本を差し込んでいく。
球体に入った本は物語を読み込み、反映した。
そして彼女は物語が完結すると同時に世界が崩壊していくように設定した。
――――彼女は基本、創った世界を反映させてから壊す。
古びた本は誰も読まないように彼女は二度とその物語を開くことはない。
彼女は満足そうに頷いて出てきた本を取る。
そしてまたペンを取って別の物語を綴って行く。
グラたん「次回予告のコーナー」
グラたん「次回、始まりの刻。いよいよ皆さんの冒険が始まります!」
グラたん「あと、毎日0時更新です!」




