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クリスマスの日。後編

作者: 粥ころ

「いいよ、作ろうか。」


_笹太の男前発言が出たのは今からちょうど1時間前。今、当の本人はと言うと。

「あぁぁあ~~…もうだっりぃ、やめようこんなの~~」

この様である。

「頑張ってよりりちゃん。作ろうって決めたのあんたでしょ。」

テキパキと自分でも驚くほど手際よく全員分の服の型をとる。切って書いて切って書いての繰り返し。やっと基本ができたころにはもうおやつの時間、3時だった。意外と時間たってないな、なんて呑気なこと考えながらミシンを用意する。料理組の方はまだ買い出しらしい。バテてる笹太の背中を軽く叩き、「もう少しだよ」と言うと「だるい、」しか返ってこなかった。

「もー、りりちゃんが言ったんでしょうが。」

「そうだけどさぁ…あ、俺の分のミシンも出して。」

少しは動けよ、と言いたいがますますやる気を無くすことは目に見えてるので仕方なくミシンを運んだ。


ふぅ、と額の汗を拭う。ようやく一式だけ揃えて時計を見ると、思わず叫びたくなるような時間だった。いつの間にか7時。やはりこれは間に合わないんじゃないのか。恐る恐る笹太の方を見る。どうせ全く作れてないんだろうな、と考えていたがしかし、笹太はへっちゃら、とでも言うかのような表情でちゃくちゃくと服を作りあげてくのだった。これは頼もしい。

一息つくと、台所からいい匂いがしてきた。

「あれ、藻歩とろろろ帰ってたの?」

「ん?おう、6時ごろには戻ってたよ。」

私が話しかけても尚ミシンに集中してる笹太はどこか危なっかしくて。でもまぁやる気も出たっぽいし大丈夫だろう、と勝手に安心するのであった。


9時。

笹太は本当にあっという間にサンタ服を作りあげていった。家事のほうも上手くいってるのだろう。いい匂いが濃くなる。お腹へったなぁ、なんて考えると情けなくぐうう、と腹の虫が鳴った。もう少しだから頑張れ自分、と喝をいれたつもりだったが見栄を張っていたのがバレバレだったらしい。笹太はふは、と笑いながら

「ろろろ達に頼んで晩御飯作ってもらうか。」

と言った。気を遣わせるのは申し訳ないし、明日も迫ってきてるので断りたかったのだが、どうやら私はとても本能に従順なようで。首を大きく縦に振っていた。その様子にまた笹太は吹き出した。


「どう?作業具合は」

味噌汁をすすりながらろろろが聞いた。今は作業を一旦中止し、晩御飯を四人で食べている。

「順調!りりちゃんが意外とすごかったに~」

「意外とってなんだよ。俺はいつでもすごいから。」


すいません。没。

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