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第9話 トラブル続きはチャンスの始まり

お疲れ様です。ようやく更新できます。お楽しみください。誤字脱字に関しては、すぐに投稿してますので、少ししてからすぐに修正するのでご了承ください。

 「来るなぁ!」


 三人で話をしていたときに遠くから誰かの叫びが聞こえた。それと同時に、数人の悲鳴も聞こえる。声色も切羽詰ったもので、時間定期猶予もあまりないと思われる。


 「あっちのほうは、確か訓練していた集団が!」


 レミリカさんが言うとおり、あの方向は最初始まりの平原に来たとき見た二つの集団がいる方向だ。


 ということは、悲鳴をあげたのはあの集団に間違いない。


 ただ、ここで考えることは二つ。


 助けるか、見て見ぬふりをするか。


 「ショウ……」


 二つの選択しを考えていたらミュアが話しかけてくる。表情は不安そうにしつつも、上目遣いにこちらの瞳を覗き込む。


 「どうしたミュア」

 「助けないの?」


 そんなことをいわれる。自分は昨日から思うがそんなに顔に出ているのだろうか。ミュアだけなら、鋭いとも思ったりしたが、ギルドマスターやレミリカさんにも指摘されたような気がするし出てるんだろうなぁ。


 何も言わない俺に、レミリカさんもこちらを見ていることに気がついてはいたがまずはミュアに説明しないとな。俺は、徐にミュアの頭に手を乗せて答えた。


 「もちろん助ける。選択肢では見てみぬふりをすることも考えたけど、少なくとも子供がいるなら助けないという選択肢はないよ」


 そう答えると、ミュアは安心したのか花が綻ぶように笑みを浮かべた。ミュアの笑顔を見ているとこちらも和むが、今は時間がない状態だ。すぐに行動に移すべきだろう。


 「ということで、レミリカさんもそれでいいですか?」

 「もちろんです。ですが、ひとつ約束してください」 

 「なんでしょうか」


 最後にレミリカさんは、こちらに人差し指を突き出し顔を近づけて言ってきた。


 「極力魔法は使わないでください!周囲を巻き込んでしまったら洒落になりません!」

 「ごもっとも」


 忘れてた。雷系と言えばいいのか、これはさっきのラビットファングを見るに制御できているから使ってもいいかと思ったけど、放電の効果範囲が不明だから使わないことに越したことはない。


 「じゃあいきますよ!」


 そういってレミリカさんは走り出し俺とミュアも後ろを追うのであった。


 来た道を走り抜ける俺らは途中ラビットウルフと思われる、モンスターにも遭遇したがこれを無視して走り続けた。


 幸いラビットウルフはこちらに襲い掛かってくることはなく、逆に飛んでいった。おかげで余計な時間を取らずにすみ、悲鳴が聞こえたと思われる最初の場所すぐ到着できた。到着してからはまず状況把握するために、身を隠しながら近づいていった


 ただ、そこの光景を見たとき次に現状把握がしにくい状態であった。


 最初の状態のように、二つの集団はまだ無事であった。ただ、集団は無事なだけで集団の数が少し最初より少ないことから、何かあったのだろう。その証拠に、地面に男が真っ赤に染まりながら一人倒れているのか見える。


 でも問題はそこではない。二つの集団とは別にもう二つの集団が増えているのだ。


 一つは数人の男が二つの集団をニヤついた表情で見ていた。


 そして、最後の集団は人間ではないと思う。なんか、緑色の肌をしたでかい生き物が棍棒?をもって男たちの集団の前に展開しているのだ。数は3ほどだろうか。まあ、状況的には互いに武器をもって構えていることから、子供率いる二つの集団を男たちが襲っているでいいんだろうが、ただあの緑色の集団はもう見た目モンスターにしか見えない。この世界ではモンスターを使役できるのだろうか


 少し俺は歩くスピードを落とし尋ねる。


 「レミリカさん。あの緑色のやつはモンスターでいいんですよね」

 


 すると、レミリカさんも少しだけ緑色の生き物に驚いていたという感じで話してきた。


 「はい、確かにあれはモンスターです。名前はオーク。討伐ランクは単体ならばD 集団ならばCに近いDになります。人数によってCになります。ただ」

 「ただ?」

 「この平原で出現するモンスターでは決してありません」


 それはそうだろう。もし出現しているなら、冒険者ランクFの新米冒険者は高い確率で死にに逝くようなものだ。だが、ならなぜそのようなモンスターが現実ここにいるのか。


 「おそらくですが、相手にはモンスターを使役する人物がいるようです。後方の男達の集団にいるのでしょう」


 やっぱりそうか。なら最初の予想通り、オークを使役した男達が子供達の集団を襲っていたということで正しいようだ。目的としては誘拐か、身代金目当てか。殺人快楽者ではないはずだ。もしそうならばすでに攻撃しているだろう。目の前では何かを男達が一方的に言っているのと、子供を守る大人の冒険者三人が武器を構えているのが見える。


 ……ここから魔法を撃って無力化したらはや


 「ショウさん?まさか、魔法を使おうなんて思ってませんよね。先ほど約束してくれましたよね」


 いと思いましたが、短絡はいきませんね。だからレミリカさん、ジト目はやめてください。


 「……ショウ、私が行く。ショウはまだ遠距離に対する魔法の練習をしてない」


 ミュアに言われて、確かにと納得する。今まで自分が使った魔法は数メートル範囲のものが多い。一応火の魔法は遠くに撃ったが、結果は過度すぎる結果になり制御できているとは言いにくい。


 「じゃあ、ミュア最初は任せる。だけど、俺も後ろから援護で走っていくよ」

 「……」


 珍しくミュアは困ったような表情をしてきた。こちらの近距離戦の実力を心配してのことだろう。現に魔法が無かったらどこまでできるかわからないし、ミュアより勝っているとは思わないからだ。


 「ミュアさん、それならば私が援護します。ショウさんには、私達が切り込んだ後に襲われている集団の防御を頼んだらどうでしょうか。ここからでは魔法の斜線上に子供達がいるので撃てませんが、背に向ければ撃ち放題です。だからって、無闇に撃ってもらっては困りますけど」


 ここで、レミリカさんが援護を申し出る。このことに、さらにミュアは困ったような表情をして、数秒間考えていたようだが


 「…………………………………………(コクン)」


 長い間を置いてようやく頷いた。一応共同戦線はやるようだ。

 

 「なら後はタイミングになるけど、どうします」

 「タイミングについては私に初撃を任せてもらえませんか」

 「大丈夫なんですか?」


 今までレミリカさんの戦うところなんて見たことが無いからなんともいえないけど、ミュアの動きを見ていると、劣るようにしか思えない。


 「任せてください。ミュアさんもいいですか?」

 「やってみればいい」


 まるで試すような口調でミュアはいったが、とりあえず方針は決まった。


 「なら、私が最初にオークのほうに後ろから突撃します。その後からミュアさんはオークに攻撃してください。モンスター術者が誰かわからないのでまずモンスターを無力化しましょう。ショウさんは、先ほど言ったように抜けて子供の集団を護衛。どうでしょうか」

 「俺は別にいいと思いますが、ミュアはどうだ?」

 「……(コクリ)」


 異論は無いようだ。

 

 「では十秒後お願いします」


 そうして、俺らは行動を移すことになる。残り十秒


 目の前では交渉が決裂したのか、襲われている冒険者達が動こうとしていた。残り7秒。


 襲っている男達も勝利を確信しているのか後ろから見れば隙だらけだ。目の前に強力なモンスターがいるなら当然だろうが。残り5秒。


 男達の中の一人が手を上げ差し出した。すると、今まで静かに見守っていたオークの一体が男のほうを振り向き、頷くようなしぐさをした。どうやらあの男がモンスターを操っている人物だと思われる。残り2秒


 「……行きます!」


 そういうと、草むらの茂みから立ち上がり突如不思議な風を纏わせ始めた。次の瞬間、爆風を伴い弾丸のように飛び出していく。


 はじめて会った時も風を纏わせていたが、もしあのままだったらこのような攻撃を食らうことになったのだろうと、冷や汗を感じつつも俺も走り始める。ちなみに、ミュアはいつの間にか知らないがしっかりと後ろについていっていた。一番最後に動き出していた俺って……。


 風による感触か、爆風の音か、どちらに気がついたかわからないが一番後ろにいた男たちの集団は、こちらを振り向くそして、見た光景はミュアが接近している光景と俺が後ろから走ってくるところだった。


 誰かが敵だと叫ぼうとしたのだろう。声を出そうとしていたとき、辺りに別の声が響いた


 『グガァア!』


 目の前のオークの集団から聞こえてきたのだ。


 よく見ると、オークのいる三対の中心にレミリカさんがすでにいた。そして、オークの足元に紫色の液体が撒き散らされているのでおそらく、足元を攻撃して痛みに挙げた声なのだろう。


 男たちはほかにもいたのかと、状況把握しようとしていたがすべてが遅すぎる。


 すでに、ミュアが男たちの攻撃範囲に入っていた。


 最初の予定ではミュアがオークを攻撃、俺が援護のはずだが……。チラリとこちらにミュアが視線を向けた。まだ会って二日なのだから、すべてがわかるわけではない。アイコンタクトによって、意図を測りかねたが、次にミュアが視線を男たちに向けるといいたいことがわかる。


 つまり、俺に男たちを攻撃したらどうかと問いかけたようだ。


 そのまま、ミュアはこちらが理解したと思ったのか男たちを無視してオークに突撃する。手元にはいつの間に取り出したのか、紅色の件が握られていた。


 でも、今俺は自分にできる選択をとらなければならない。


 最初は集団のほうに向かうことを目的としていた。だけど、見るに集団とオークの間にはレミリカさんが、ミュアも切り込んだために子供たちに襲い掛かる可能性は低い。


 仮に襲い掛かっても、冒険者が三人いる。ならば


 「こっちをやるしかない」


 俺は、そう思い腰にかけている剣を抜きながら集団のほうに向きを変える。


 男たちの人数は六人。内、オークを操っているのは一人。自然と五人の男は護衛だろう。


 ミュアとレミリカさんの乱入に驚き剣を抜いていた集団は、とりあえずミュア達はオークに任せてこちらを全力で倒すつもりのようだ。


 相手の武器は剣が二人に槍が一人、斧が二人。完全に攻撃に特化した集団なのか盾を持っている人がいない。


 ただ、それならばこちらにも都合がいい。人数的不利な状態ならば防御して体勢を崩されるということが、なくなるからだ。まあ、攻撃して防御したときに攻撃される可能性はあがったんだろうが。


 「誰だてめえ!」

 

 うん、まずそうきくよね。

 

 「さあな!」


 けど、本当に意味で自分が聞きたいんだよ!絶賛記憶喪失中だ!


 律儀に返事をしながら、俺は最初に剣を振り上げてきた男に対し目くらましをしようとする。イメージは小さく、電気が放電するイメージだ。


 「グア!」


 ただ、なぜだろうか。目の前で光ったのは雷レベルの光だ。一瞬だけ眩しいけど後に引かない光と説明すればいいだろうか。正直自分も驚いたけど、魔法を使うつもりだったために行動にロスはなかった。


 でも、問題は男たちだっただろう。レミリカさんが最初に驚いたとおり無詠唱で魔法を使うことは、珍しいことみたいだし一瞬とはいえ目くらましをされたのだ。今ので5人が一瞬動きが止まった。


 俺はついでにという感じで、背を低くししゃがみながら次にイメージするのは、初めて使った魔法と一緒、スタンガンをイメージする。


 すると、前の二人。剣を持った男たちは突如体を痺れさせたと思ったら、体を崩れ落とした。地面に倒れた男二人は、痙攣はしているようだが、目がこちらを向いているので生きてはいるようだ。


 「くっ!」


 さすがにここまでくると、こちらが魔法を使ったことに気がついたのだろう。残りの斧二人と槍一人は後ろに下がり距離をとる。なんだか警戒されて距離をとられたって感じだ。


 「ただ、それって悪手のような気がするんだけど」


 呟きながら次にイメージするは、冒険者ギルドの前で行った魔法、氷魔法だ。最初言われたとおり、数十メートル離れた場所に魔法を放つのは怖いけど、数メートルもなければ可能なはず!


 「くらえ!」


 そうって、俺は魔法を三人の男たちの地面から放つのであった。





 


 「だから、なんで、なんで!何回も行ったじゃないですか!極力使わないようにと!」


 そして、現在お説教をされている私ショウでございます。


 「いや、あのレミリカさん。極力ということは使ってはだめということではないと、そう愚考いたすので……はい、すみません。悪かったですから風はやめてください」


 なんだろうか、ここ二日謝ってばっかりだ。


 今も、説教が続きながらもなぜこうなったかの理由を見ながら視線を向ける。


 目の前に広がる光景は天に昇る、氷。ってのは前の魔法と一緒。


 問題なのが氷だけじゃなくて、どのくらいの範囲で効果を及ぼしてしまったのだ。


 「私たちが気づかなかったら同じ運命になってましたよ!」


 そう、あの後男三人はしっかりと氷付けになった。


 ただいきすぎで、周りのオークまで氷付けになってしまったのだ。もちろんオークの近くにいたレミリカさんとミュアにも被害が及ぶわけで。


 でも、何とか気がついてくれたのか避難してくれたけど。あと、魔物を操っていた男には逃げられてしまった。近づいていなかったからしょうがない。


 ……その後、レミリカさんの形相に恐怖したのはいうまでもない。


 「聞いてますか!」

 「はい」

 

 まだ説教を続けようとしたところで


 「あの~」


 こちらに話しかけてきた人がいた。


 視線を向けると赤いライトアーマー?に身を包んだ男性だ。確か、子供を守っていた冒険者の一人だったはずだ。後ろでは泣いている子供たちを、ほかの二人の冒険者が宥めていた。ちなみに、不幸中の幸いか子供たちは無事でした。氷の意味も含めて。


 話しかけられてレミリカさんはすぐに表情を笑顔に変えて、男性のほうを向いた。これから心の中で百面相レミリカさんと呼ぼうかな。


 「後で、ショウさんお話がありますので」


 声に出てるってコワイネ。


 「えっと、それで大丈夫……ってわけじゃないでしょうが、そちらはどうでしたでしょうか」

 「あ、ああ。一人やられたが他は無事だ。助かった。レミリカ嬢」

 「あら、私のことをご存知なんですか?」

 

 すると、苦笑しながら男は言う。


 「もちろん、そうしないと仕事にはならないからな。必要以上に表に出ないしレミリカ嬢もギルドに最低限しか顔をださないだろう?」

 「確かにそうですが……あなたは何者ですか?」


 少しだけ警戒したようなレミリカさんだが、次には警戒を解いた。

 

 「俺の名前はニーヤ。ギルド職員でまあ役職は胸を張っていえないから勘弁してくれ。でだ、そっちの二人を俺は知らないんだができれば紹介してもらえないか?今まで見たことがない顔だが……」


 こちらを微妙な感じで見てくるニーヤさん。まあ、正座している男とジッーと見ている女の子がいたらどう反応していいか困るだろう。


 「はい、ニーヤさんが知らないのも無理がありません。彼らは今日ギルド登録しましたので。ですから、今日がデビュー戦ですね」

 

 この言葉にニーヤさんは驚いていた。


 「ということはFランクか」

 「一応そうなりますね」

 「それでこれか」


 すると辺りを見渡しながら言う。そしてまた何か思ったのだろう訪ねようとしたニーヤさんの言葉をレミリカさんがさえぎった。


 「すみません、これ以上は聞かないでいただけると。こちらも言えないこともありますので」


 拒否の言葉を出すと、苦笑しながら頷く。


 「そうか悪かったな」

 「それよりも子供らをどうにかしないといけないですね」

 「だな、こいつらも拘束する手配もあるしな」

 「なら、手配はそちらにお任せしてもよろしいですか?子供を率いていたのはあなた達ですし、まずは子供たちを安心させるために町に送らないといけないでしょう」

 「確かにそうだが、いいのか?」

 「問題ありません。それに知らない集団よりも知っている人についてきてもらった方がいいでしょう」

 「なら」


 こうして、二人はこの先のことを話し合って色々と詰めているようだ。でもひとつだけ言えば、いつまで正座をすればいいんだろうか。というか、正座という文化ってあったんだな。


 しばらく話し合っていた後、ニーヤさんは子供たちのほうに戻っていき、町に向かって移動を開始した。


 その後レミリカさんがこちらに向かってきたら、真剣な表情をして言ってきた。


 「少し、お話があります」


 レミリカさんが言うと、


 「私も話がある」

 

 ミュアも言葉を出してきた。こちらに向かって。


 「……はい」


 神妙に聞こうと思うが、そろそろ足が痺れてきた俺だった。とりあえず、最初に足を解くことの交渉をするのであった。

いかがでしたでしょうか。最後の文章では真剣な話をする雰囲気だったんですが、少し書き方を失敗したかなーと思ってしまう私です。

次の話では何を話すんでしょうね。

ということでまた次回です。では!

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