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第5話 冒険者ギルド

お疲れさまです。やっと終わりましたので更新します。といっても予約更新ですが。ついに場面が変わりますよ!この前の終わりに対してどういう変わりかわりかたをしているのか。というか場面変更が結構早いかもです。このままでいいのかな?と思いつつもやってます。ではお楽しみください!

 どうも、最近異世界転生したんだなと自覚し始めたショウです。現在私はとある都市におります。実は昨日まで森の中にいたのですが様々な事情により、ここにやってきております。


 あ、そうですね。まずここがどこなのか説明をしましょう。ここはなんとフェレン王国という大国らしく、その主都らしいのです。主都の名前はライルらしいです。


 本当に綺麗な場所なんですよ。王城もさることながら、町並みも中世を思わせる町並みです。自分の少し知っている光景と違うといえば、町を歩く人たちが剣や鎧などの武器防具を普通に装備しているところでしょうか。もちろん、普通の住民の方もいますけどね。


 まあこれでいる場所については説明しましたね。では次は何を説明しましょうか?森から移動したことを説明しましょうか。あの後、私が火事を起こしたのですね。まったくの不覚でしたが。まあ、それが原因で当初はレミリカさんという方がライルまで送ってくれる話だったのに、報告に行かなければならなくなり別行動をしたのです。私とミュアという子はほかの兵士さんにライルまで送ってもらったんですけどね?


 「おいこの餓鬼が俺を誰だか知っているんだろうな!」


 時間にして昼ぐらいでしょうか。入場に必要なものを持っていなくてひと悶着ありましたが無事街に入り、送ってくれた兵士さんたちも到着の報告があるとのことで今後のこともあるので冒険者ギルドに行くよう言われたのです。ああ、お金も持っていないだろうからとシルバーベアの毛皮を少し渡してくれました。いい兵士さんです。


 「ああん?何だよその目は、親切に授業をしてやるっていってんのによぉ?」



 兵士さんに場所を教えてもらって向かうことになったんです。で、すぐに目的の場所は見つかったんですよ。ええ、それも簡単に。不思議なことに文字は読めたのでとても助かっています。


 入り口は、西部劇に出てくるような両扉で、二人で入ろうとしたんですよ。


 「さっきからもう一人は黙りやがって、やっぱり無能なんじゃねえか!」

 「……フッー!」


 さて、勘の良い方はもう判っていますね?私とミュア、防具も武器も何もない二人が冒険者ギルドにやってきたのです。新米と思われたのでしょう。そこに自称親切という数人のお兄さんが来たんですよ。そのときをやり取りを説明しましょうか。



 数分前



 「ミュア、すぐ見つかってよかったな」

 「うん」


 俺らはライルまで案内してくれた兵士さんに教えてもらい冒険者ギルドにやってきてた。お金もシルバーベアの毛皮を渡せば換金してくれるらしいので大丈夫だろう。


 そうやっていざギルドの扉に手を掛けて押した、と同時に後ろから肩に手を掛けられる。今扉を開けた音で室内から集まる視線が気になるけど、後ろも気になりそのままの状態で視線を後ろに向けるとそこには四人の冒険者風?の男たちがいた。


 「なあ、お二人さんよ。冒険者ギルドに何の用なんだ?」


 肩を掛けてきた男が尋ねてきた。微妙に顔が赤く酒の臭うので、酔っているのだろう。しかし、一応返答はしておく。


 「冒険者登録というのと、素材の換金ですけど」

 「ああ?冒険者登録が済んでないのに素材の換金って何を狩ったんだよ、その手に持ってるのか?ちょっと見せてみな」

 「えっと、これですけど」


 そういって見せてみると、男の顔が引きつった。まあシルバーベアはランクBらしいしな。Fが最低と考えると高ランクモンスターだ。


 「おめえらがこれを狩ってきただと?何の冗談だ。もっとましな嘘をつきな。そうだな、どこかで奪ってきたんだろう?そうに違いねえ」


 この男、勝手にケチをつけ始めたな。後ろの奴らもニヤニヤ笑ってるよ。こういう場面って、ほとんどの場合流れは決まってるよな。


 「しょうがねえ。それは俺らが預かってやるよ。感謝しな。報酬はそうだな有り金を置いていけよ。それともそっちのお嬢ちゃんを置いていってもいいぞ?」


 うん、やっぱり予想を外れない。それにしてもおかしいな。ここって王城がある街のギルドだろ?こんな白昼堂々とかつあげをすることがまかり通る治安なのか?それとも職業柄?それなら冒険者ギルドに入るのやめたいんですけど。


 「おいどうした?口止め料と勉強料と考えれば安いものだろ?」

 「お嬢ちゃんも色々な勉強ができるから悪い話じゃないよな!ギャハハハ」


 ……なんか、イラついてきたな。いや、まあ冷静になろうとは思ってるよ?だって、昨日山火事起こしたんだし、それを街中でやったら大惨事は目に見えてる。だから我慢できるよ?でもね、この場を早めにどうにかしないと、ついやっちゃいそうなんだよな。


 「おい、さっきから喋らねえな。もしかしてビビッて声がでねえってか?」

 「おいおい、そこまで言ってやんなって。しょうがねえだろう。どう見えても素人の新米なんだからよ。あとで声を上げてもらえばいいんだ。色々な意味でな?」

 

 こいつら、もう決定事項で話してやがるな。こっちがイラついていることに気がつかないのかな?それともこっちが抵抗しても処理できると思っているんだろうな。……やっていいかな?ギルドの中の奴らも静観を決め込んでるし……ん、ギルドの職員かな?何か奥に行ったけど、誰かを呼びに行ったのか。よかった、まだマシな人もいるんだな。ならもう少し待てばいいか。


 「しっかし、嬢ちゃんもかわいそうにな。こんな弱そうなやつと一緒なんて。なあ、そいつなんて捨てて俺たちとこれから一緒にやっていかないか?手取り足取り教えてやるぜ?」

 「そうだな!そいつはいいぜ。こんなコボルトにもやられそうな餓鬼よりは俺らのほうがマシだな!」

 「無能のお子様はお家に帰ってママにでも甘えてろ!」

 「……」


 我慢、我慢と。本当は手を出したけどよく考えればこの世界の実力基準を知らないことを思い出した。レミリカさんが無詠唱、略詠唱に驚いていたようだが魔法については驚いていなかった。ということは、一応実在している技術なのだろう。


 そうすると、目の前の男たちが果たして自分たちの魔法で倒せるのか。相手も大規模魔法が使えるのか知らないうちは手を出したくない。ここで待っていれば、ギルド職員さんが駆けつけてくれるだろう。


 「お前なんて勝手に死んでギャ!」


 男が吹っ飛んだ。


 何かを叫んでいた男がバウンドしながら飛んで行ったよ。あ、今とまった。死んでないかな?というか、一体誰がこんなことを。


 「許さない」


 俺の近くから声が聞こえた。視線を向けると目の前の集団を睨みつけるようにしている。


 「絶対、許さない。ショウ侮辱した!」


 辺りにミュアの声が響く。


 

 回想終わり


 ってことで、今現在絡んできた自称親切な集団五人、あ、さっき吹っ飛んでいったから残り四人か。まあ、その人達がこっちに向かって威嚇し、ミュアも猫のようにさっきから「フーッ!」と威嚇してる。そういえば、口調丁寧になっていたのは現実逃避の一種だ。


  この騒動には野次馬もやってきて、ギルドの中からもたくさんの人が出てきた。


 「お前ら俺らを虎月の大牙のパーティーと知ってるんだろうな!全員がランクDなんだぞ!」


 そうなのか、ランクが下から三つってことは弱くはないってことか?


 「こんなことして、ただじゃおかないからな!この無能が!」


 勝手に決め付けてるし、って


 「ミュア、相手にするなって」


 ミュアが今の言葉に反応して飛び出そうとしたところを後ろから羽交い絞めにするように止める。って、早いな。あと少し遅れてたら絶対にすり抜けてたぞ。


 「でも」

 「大丈夫だから、俺はこんな奴らの言葉は気にしないからさ。な?」

 「……」


 納得いかないようだ。正直今ならミュアがなぜ怒っているのか理由はわかる。俺に対して無能や、死ねなどの言葉が出たときに反応してたんだから。……結構この反応は内心嬉しいなと思うけどね。


 でも今はまだ何もできないから無能と変わらないんだよな。言ったらミュアに怒られそうだからいわないけど。


 「へん、女に守られてずっと後ろで見物してる臆病者が!」

 「ちょ!あんたら早く気づけよ!俺は気にしないけどミュア抑えるのも大変なんだぞ!」

 「……んんんん!」

 「ミュア待て!レミリカさんと繋がりを持ったのに壊すのは迷惑掛けるって!こいつらを殺すのはだめだ!」

 「ああ、あの餓鬼が俺らを殺すだ?馬鹿だ、真性の馬鹿がいるぜ!」

 「あの餓鬼、容姿がいいんだから奴隷商にでも売ったら金になるだろうな!娼婦になる勉強でもしていたほうがお似合いだぜ!」


 …………


 「なあ、最後に言ったやつ」

 「あ?」

 「今なんていった?」

 「聞こえなかったのか?ああ、奴隷にするなんて嘘だからよ」


 そっか、聞き間違いか。

 

 「ただ俺らでずっとお前の代わりに可愛がってやるんだから「黙れ」ああ?」


 俺は手を前に置き発言した男に視線を向ける。目標は男四人


 「黙れって言ったんだよ。屑が。口を開くな、呼吸をするな、視線を向けるな。穢れるから」

 「……痛い目どころか、殺されたい自殺願望者だとは思わなかったぜ?」


 こちらの言葉に我慢がならなかったのか、最初の男が剣を抜く。後ろの三人もそれぞれダガー、槍、弓を取り出した。殺し合いになる可能性が高いのはわかる。だけど相手を見てもシルバーベアと比べれば怖くない。あと、自殺願望者っていったがこっちの台詞なんですよ?


 「剣を抜いたよな、攻撃してくるんですよね?」

 「だからどうした?命乞いでもしたいのか?許さねえけどな」

 「そのつもりはないですが。ああ、それとも剣を抜いただけで威嚇しないとだめな人ですか?ならそう言って下さい。だから新米である俺らに金とかを要求したんですか。弱いいじめですか。ならああ、怖いなー。これで満足ですか?」

 「おい、殺しちまいな」

 

 堪忍袋が切れたようで、この後俺を殺したとしてもここまで騒ぎを起こしたんだからただじゃすまないだろうに。だけどね俺も堪忍袋切れちゃってるんですよ。


 「口を閉じようか自殺願望者」


 出力は知らない。口を黙らせればいい。そう思いショウはイメージした。

 

 「「「「…………っ!」」」」


 次の瞬間目の前に汚い彫刻が四つ出来上がる。どうやら目的は達成したらしい。口を黙らせると考えたら氷漬けにしたら早いと考えたのだ。まあ


 「……レミリカさんにまた怒られるかな」


 俺は上を見ながら呟く。先ほどイメージしたのは地面から男たちを集団で氷漬けにするイメージ。よって魔法は成功していた。成功していたが、案の定昨日と同じようにやりすぎてしまった。だってまさか王城の半分ぐらいの高さまで氷の柱ができるとは思っていなかったし。


 けど正直後悔はしていない。


 「さて、ミュアこれからどうしようか」

 「んー」


 目の前の男たちが氷漬けにされて、満足いったのかなぜか頭を胸にこすり付けてくる。いや、でも答えになってないですよミュアさん。そんなに頭を擦り付けてきて、頭を撫でろという要求かな?


 「♪」


 正解だったようだ。よかったよかった。


 「よくありませんよ!どうしてこうなってるんですか!」


 ん、誰だ俺の心を読んでいる奴は。


 「さっきから口に出されていることを指摘しているだけです!」


 どうやら言葉にしてしまっていたらしい。気をつけないと。


 「ショウさんはもっと配慮というものに気をつけてください!様子が心配で急いで戻ろうとしたら氷の柱が見えるんですから驚きましたよ!」

 「不可抗力です」

 「不可抗力でこんなオブジェクトを作る人がどこにいるんですか……殴られたいですか?」


 指で自分を指していたら怖い台詞を言われた。ごめんなさい。


 「……はぁ、まあ一応説明してください。それとギルドマスターを呼んで来るよう連絡を。こんな氷柱をこのままにしたら熱で崩れて大惨事でしょう。あと、地面ですが……」


 最初にミュアが男を吹っ飛ばしたときに出来た穴を見ているようだ。あのままでは通行の邪魔になるだろうな。


 「……ギルドマスターにお任せしましょう」


 完全な他人任せになった。目をそらすように言ってるし


 「レミリカちゃん、そりゃ少し人使いが激しいんじゃないかの?」


 レミリカさんの言葉を聴いていると周りに集まる人垣から一人の老人が出てきた。ただ、見た目老人でも変な圧力を感じる。なんというか、こう、シルバーベアとは方向性が違う怖さだ。シルバーベアが獣による怖さだったら、この老人は洗練された怖さと言うべきか。


 「ギルドマスター来られたのですか」

 「ほっほっほ。ギルド前でこのような騒ぎを起こされたら嫌でも気づくよ。それで、大体の事情は見ればわかるのじゃが、とりあえずこれをなんとせんといかんの」


 そういってギルドマスターと呼ばれた老人は杖を取り出し呪文を唱えていた。


 「古の炎よ、業火の炎よ。焔を描き対象のものを炙り出せ。集団に裁きの焔を。「業火の焔」(フレイムファイアー)」

 

 目の前でギルドマスターが魔法を使うと、氷柱は見る見るうちに解けていきあっという間に無くなった。中からは四人の男たちが崩れ落ちてくる。見る限りどうやら生きているようだ。冬眠みたいになったからかな?どうでもいいけど。


 しかしなるほど、ああ言うのが本当の魔法の使い方か。呪文の構成を聞くと使う魔法の種類、用途、範囲を指定するってのが基本なんだろな。ミュアも火球ファイアーボールをしたとき呪文は基本を沿っていたから間違いではないだろう。


 「ふむ、どうやら死んではおらぬようだな。じゃあ問題あるまいて。聞くに絡んだのあっちみたいじゃからのう。といってももそっと詳しく当事者達から聞かなければならん。二人にはこれから来て貰ってもよいかの?」

 「はぁ、一応冒険者ギルドに用事があったといえばあったんですけどね」

 「ん?その言い方じゃと変わったと聞こえるが」

 

 いや、正直昨日の盗賊しかり倒れている男たちしかりで碌な奴がいないように感じる。冒険者ギルドの登録をしようかと思ったが、再考したほうがいいと気持ち的に傾いているんだよ。メリットがあまり感じられなくなってきたし。


 「む、なんじゃ。お主その顔は」

 「顔?」

 「そうじゃ、なんというかそうさのう。冒険者ギルドとは変な集団や碌な奴しかいない所とか思っているような顔をしておるぞ?」


 鋭いな。


 「何を思ってそう考えてしまったのか、追々聞くとしようかの。まあ、とりあえず付いて来なさい。……ああ、レミリカちゃんも来るかい?この二人と無関係というわけではないのじゃろ?」

 「わかりました」


 そういって、周りの野次馬を無視しミュアと共にギルドマスターの後ろをついていく。レミリカさんも少し遅れてついてきた。


 そのままギルド内に入ると、最初からいた冒険者たちの視線が再び突き刺さる。でも関係ない。今は少なくとも評価は最悪と考えているんだ。視線を合わせるつもりもない。


 すると、しばらく歩きカウンターを抜け奥の部屋へと入っていった。その途中、騒ぎが起こったときすぐに呼びに行ってくれた受付嬢が目線を向けてきた。そういえばあの人だけは行動してくれたんだよな。


感謝を伝えようと目礼して、そばを通り抜ける。相手も目礼を返してくれた。やっぱりいい人なんだろう。


 ギルドの奥にある部屋に通されてソファーに座るように促される。そのまま俺とミュア、レミリカさんは座る。


 「さて、まずは話を聞く前に自己紹介をしようかのう。私はさっきから名前を呼ばれておるように冒険者ギルドのマスターをしておる。名前はネイエ・デュラルという。呼び方はまあ、自由にしてくれて構わんよ。ではそちらの紹介もお願いできるかな?」

 「わかりました。俺の名前はショウ。そしてこっちの銀髪の子はミュアといいます。レミリカさんは成り行きというか」

 「なるほどの。ふむ……レミリカちゃんに発行された依頼に関係し、先ほどの魔法の威力を考えれば、噂になっている昨日の山火事とも無関係ではなさそうだの」


 え、あの事件というかあれって噂になってるのか。早すぎるだろ。


 「何でこんなに早く噂になってるんでしょうか?」

 「さての、私は聞いただけだからなんとも言えんが。とにかくその話も聞きたいから話せるものだけ話してもらえないかの?」


 そういって、話を催促されたのでネイエさんに説明をしていった。ただ、昨日の山火事といわれている説明はしても、自分たちが彗星に関係があるかもしれないということは言わなかった。というか言おうとしたらレミリカさんが話題を逸らしたんだけどね。でも依頼されたことを知っているなら知られるのも時間の問題と思うが。


 その後ギルド前でのことも説明し、まあ逆上してあんなことになったと。手を出したのはこちら、ミュアが始まりだけどこれで何か処罰されるなら抵抗すればいい。自分のしたことに後悔はない。


 話をすべて終わると、静かに聞いていたネイエさんが納得したような顔で頷く。


 「なるほど、道理でギルドというもの、いやこの辺りの人間というものに不信感を持っていた理由がわかった。確かに記憶が無いのにそんなことばかり巻き込まれればの。でもこれはギルドマスターとして言わせて貰うが、あれは悪い例じゃよ。真っ当な冒険者はいくらでもおる」

 「……騒ぎが起きても傍観者が多かったですけど?」

 「まあ、自分から厄介ごとに手を突っ込む人物は少ないて。逆に聞くが確実に面倒ごとがわかっていて、何の見返りも無しに危険をさらせる人間がどのくらい存在しておると思うかの?もしや、全員そんな人間だと思っておったのか?」

 「いいや、そうは思っていませんが」

 「なら、偶然そういう人間がいなかっただけじゃろう。でも、本当に誰も動かなかったのかの?」


 そこで俺は言葉に詰まる。頭の中に受付嬢と思われる人物の顔がよぎったからだ。


 「心当たりはあるようじゃな。とにかく様々な人種がいるということじゃよ。ということで納得してもらって、お主らにはぜひギルドに登録してほしいところなのじゃが」

 「少し待ってください。一応ギルドに関してや人間性についてはわかりました。悪印象が全部無くなった訳じゃないですけど」

 「それでいいじゃろう。それで?」

 「なぜギルドに入れと?しかも二人も揃ってという意味ですよね?」

 「まあの。ここでその説明をしてもいいのじゃが……その前に一人説得しないといけない人物がいるようじゃ」


 ギルドマスターは視線をレミリカさんに向けながら喋っている。レミリカさんの表情を見るとなんだか、承服しかねる、反論があるという表情をしていた。


 「……」

 「依頼相手のことを思えばそうじゃろうな。うむ。ではまずは話をしようかの」

 「あの、それってもうギルドに登録する前提で話してますけど、まだ入るとは言ってませんよ?」

 「それはそうじゃが、入ろうと思ったときに文句を言われたくはあるまい。あと記憶が無いというのならギルドのことを知らないのじゃろ、違うかの?」

 「まあ、それは知りませんけど」


 ここでギルドマスターは一瞬視線を鋭いものにした。でもそれは一瞬だったようですぐに穏やかな視線を俺に向けてくる。


 「なら職員を一人つけるから説明を受けているがよい。場所はカウンター……は騒ぎが収まっておらぬだろうから部屋を宛がおうかの」


 そう言われてからギルドマスターのネイエさんの手配は早かった。さっきから一言も喋らないミュアを隣に引きつれながら部屋に連れて行かれる。そこではすでにギルド職員と思われる人物がいた。特徴的なところといえば頭に獣耳があることだろうか。ブロンドのショートカット。目は髪と同じ茶色だ。んーそれにしても、エルフがいるなら獣耳も珍しくないのかな?


 そう思いつつも、まずは挨拶だなと考え直す。この人物は騒ぎのときにギルドマスターが呼びに行ってくれた人物だからだ。


 そしてこちらが挨拶をする前にまずはその人物が腰を下げて挨拶を


 「本当にすみませんでした!」


 すると思ったが謝罪をされた。なぜに?


 「もっと早く呼びに行ければこんなことにはならなかったのに、本当にごめんなさい!」


 必死に頭を下げる彼女。ここれでようやくギルドマスターの言っていた言葉が少しだけわかる。様々な人間がいる中で、彼女こそが見返りも無く動ける人間に当てはまるんだろうと。直接介入した訳ではなくても、自分にできることで真っ先に動いてくれたんだ。彼女に謝られる必要もない。というかこちらが感謝するべきだろう。


 「いえ、謝罪はけっこうですよ。こちらが感謝するべきなのですから。あの中で真っ先に動いたのは貴方だけでした。ですから改めてありがとうございます」

 「でも私はただ呼びに行っただけで」

 「そのただ呼びに行く行為をあなただけしかできていなかったんですよ?当たり前のことをしたと思っているかもしれませんが、こちらとしてはそれが有難かったと思ったんです。だから謝られることは無いですし逆に感謝しますよ」

 

 困ったような表情を浮かべる受付嬢さん。まだ心の整理みたいなのがついていないようだ。


 「それならこれから自分達にわかり易く説明してください。なにぶん記憶がないもので沢山質問するので大変ですよ?それでチャラということで。ミュアもそれでいいよな。というか寝てないよな?」

 「……寝てない」


 ……隣に座っているミュアは寝てないと主張してるけど最初の間は何ですか間は。それにこっちに寄りかかって目を瞑ってるし。本当に大丈夫か?


 「……その状態でもいいから説明は聞いててね?」

 「(コクン)」


 船を漕ぐような頷きだった。……まあいいか。とにかく目の前にいる受付嬢さんに説明を始めてもらおう。


 「では、説明をお願いできますか?」

 「はい!それでは説明を始めますね!私の名前はアンっていいます!」

 「アンさんですね。俺はショウ、そしてこっちがミュアです。よろしくお願いします」


 自己紹介が終わるとようやくギルドの説明が始まるのであった。

 

 

お疲れ様です。いかがでしたでしょうか。やっぱり主人公は切れちゃいました。まあ、自分でもあの五人組にはイラッてしちゃったんですけどね!

次の更新は一話をストックできましたら更新します。

一応あさってぐらいにはできるとは思いますので。以上です。また次回!

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