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第1話 プロローグ 

こんにちわ、初めまして。今回から小説を投稿しようと考え今文章を打っております。

最初にこの小説、前書きを見ていただきありがとうございます。

自分としては魅力的な楽しい作品にしていこうと思っております。できれば長くお楽しみいただければ幸いです。

投稿スピードに関しては修正やリアル仕事、などの事情によりゆっくりめですががんばります。

では、あいさつはこのぐらいにしてプロローグからどうぞ。

今回はプロローグを2話と第一話の3本同時投稿いたします。

ーーーーー世界視点ーーーーー 


月の光が輝き、満天の星空が煌く。人々は一日の仕事を終え明日に備えて寝るもの、酒場にて酒をあおり英気を養うもの、愛する家族とともに過ごすものと思い思いに過ごしていた。


 いつもの変わらない日常、変わらない夜、変わらない明日。……そう思っていた。


 だが、そんな人々の頭上に突如として現れた彗星を目撃し誰もが言葉を失った。目の前に現れた彗星が流れ星程度だったら誰も気にしない。でもそれが、ひとつの山ほどの大きさの流星が目の前に現れ落ちてきたらどうだろうか。それも何の前触れもなくである。


 このとき全員が明確な死を予兆したであろう。強大な力を前に無力に、抵抗もできずに死ぬ運命であると。


 しかし、このときは結果としては誰一人死ぬことはなかった。


 不思議なことに現れた彗星はとある森のほうへと落ちていき墜落したのだ。だが、奇妙なもので墜落したと同時にあるはずの衝撃や音がほとんど聞こえなかった。


 この出来事でとりあえず生き残った人たちは安堵し、その場でへたれこんだ人たちもさぞ多かっただろう。


 でも確かに世界の終わりではなかったがこれは何かの凶兆ではないのかと考える。


 この彗星は村だけではなく、町、国、大陸と様々なところで目撃され話題になり、各国で大混乱が発生していた。


 何も知らずに何もわからず、彗星の有無を調べるために各国は独自に調査を早急に開始。


 けれどもどの国も、ましてや人も夢にも思わなかったであろう。彗星により落下した場所である森にいたのは、たった二人の少年少女だったということに。


ーーーーとある人間のプロローグーーーーー


自分はどういう人間だっただろうか。


 良い人だっただろうか、または悪人だった?大人だっただろうか、子供だったのだろうか。


 ……たぶん、おそらくだが悪人で子供であったのだろう。


 周りに人たちからはよく笑顔を向けられ慕われていたと思う。自分もそんな人たちに向けて礼を返し、友人、家族とも楽しく過ごしていたはずだ。


 いつもと変わらない日常でも、充実していた日々だったと思う。だって、不満なんて決してなかったのだから。


 思い出そうと思えば楽しいことがいくつでも思い出せる。


 それは、日曜日に近くのデパートへと同じ学校に通っている女子、神田三咲と待ち合わせをして公園で出会ったときのことだ。


 「お待たせ、○○君!今日はごめんね付き合ってもらっちゃって」


 三咲さんは、トレードマークであるポニーテールの髪型をした女の子だ。どんな子と言われたら、活発でクラスでもムードメイカーである人物と答えるだろう。部活もテニス部でエース。彼女にしたい人物投票でも上位にランクインしているようだ。(男子生徒のみの投票があったらしい)


 今日も、ムードメーカーである彼女は腰を折り上目遣いで話しかけてきた。

 

 「いや、大丈夫だよ三咲さん」


 俺がそう言うと、三咲と呼ばれた少女ははにかむように笑みを浮かべてくれる。その笑みが、これからの期待なのか、気遣いなのかわからない。けれど、前者ならとても嬉しいと思う。


 「それじゃあ、行こうか!」


 笑顔を浮かべ、楽しそうに俺の手をとる三咲さん。自分も自然と笑顔が漏れ、三咲さんと一緒にこれからのことに期待をこめつつ共に歩き始めたのだった。


 その日は後で思えばなんともない、どこにでもある風景だっただろう。けれど本当に楽しかった。三咲さんはたくさん話しかけてくれて、こちらも反応を返すとコロコロと表情を変え、少しだけからかうと恥かしそうにしたり、拗ねたり、でもすぐに笑顔に戻ったりと。


 自分でも今日は成り行きで行くことになったけどよかったと思う。


 でも楽しい時間はあっという間に過ぎ、茜色に染まる太陽が地平線と山の向こうに沈み行く中、隣にいる三咲さんは太陽を見つつ、少しだけ残念そうな表情をして呟く。三咲さんと手を繋いでいたのだから聞こえたのかもしれない。


 「あーあ、今日ももう終わりなんだね。楽しい時間はあっという間に過ぎちゃうんだなぁ~」


 独り言か、またはこちらに言ったのかわからないけど、今日一日を楽しいと感じてくれただけでも自分には嬉しいことだ。


 今いる場所は商店街近くの入り口で夕飯の買出しか主婦が多く、八百屋や魚屋の店主の呼びかけが元気よく飛び交う。その声に反応して、主婦たちも動いていく。


 子供たちも学校帰りか、追いかけっこか数人の子供が商店街を抜けていく。女の子が遅れて走っていることから、たぶん一人だけ運動が得意ではないのだろう変わった石が填まった人形を持ちながら「ま、まってよ~」と急いで追いかけていた。


 隣を見ると三咲さんも女の子を見つつ、微笑ましいと思ったのか笑みを浮かべ和んでいる。自分はその笑みを見て少しだけドキリとしただろう。


 しかし、楽しい思い出はこれまでだった。


 次の瞬間、もっと大きく心臓が跳ねる。いや、止まる寸前だったのかもしれない。


 三咲さんの笑顔の向こう、入り口先の道路から一つのトラックがやってきていたのだ。普通のトラックなら問題ない。でも、あのトラックは普通ではないのだ。後ろに積んでいるのは工事現場などで見られる重機、紐が緩んでいるのか徐々にずれているのが見える。紐が緩んでいるだけならいい、けれどそんな重量物が動いているということはよほどのスピードを出しているということだ。危険には変わらない。


 三咲さんも俺の視線に気がついたのか反対を見て、驚く。普通ならここで思考停止するか、関らないようにするかだろう。


 「あ、危ない!」


 誰が叫んだんだろうか。周りにいた女性の声が聞こえた。


 声が聞こえたほうを向くとそこには、先ほど遅れて数人の友達を追いかけていた少女が道路を渡ろうとしていた。少女も車に気がついたのか目を見開いてはいるが、体が動かないようだ。


 俺はすぐに行動をとった。


 後から思えばもう少し考えればよかったと後悔した。


 すぐに行動したとしても、一緒に動いてしまった人物が一人いたのだ。


 それはもちろん手をつないだ三咲さん。


 自分に引っ張られる形で勢いよく走り始める彼女。体のバランスを崩さず動けたのはさすがテニス部エースなのだろうか。


 このときようやくトラックの運転手も気がついたのか、急ブレーキをかけ夕方の商店街には高音のブレーキ音が鳴り響く。


 けどここで不幸が訪れる。


 ついに限界がきたのか後ろで結んでいた紐がはずれ、重機がすべり落下したのだ。トラックは後ろの重機による制動で勢いがつき止まれない。辺りには悲鳴が上がり少女の結末は誰もが悲惨なものを想像しただろう。


 そして


 ゴン


 辺りに響く衝突音。そして自分にかかる衝撃と肉や骨が飛び散る感覚、激痛。


 衝撃を与えてきたトラックはようやく止まったのか商店街の壁に追突していた。そんな中、体が動かないながらも視線を動かすと、自分がこうなった原因とも言える少女は泣きながらもこちらを青い瞳が二つこちらを見ていた。


 その声を聞いて、自分は間に合ったのだとこんなときなのに安堵する。


 でも、次に近くで何か誰かの手が見えて血の気が引いた。


 自分が行動した結果なのだから自分がこうなるのはいいのだ。もちろん死にたくないとも思うが、体が動いたのだから仕方ない。


 けど、まさか。


 「ううっ・・・」


 自分の目の前に誰かの|《馬の尻尾のような》ヘアースタイルをした人物が血まみれに横たわっているのは、自分のせいだろう。自分の行動のせいだろう。


 「……ッ、ぁ…」

 

何とか声を出そうとしても、喉がやられたのか命の炎が消える寸前だからか思ったように声が出ない。


 徐々に遠くなっていく意識の中、俺は最後まで目の前の少女に手を伸ばそうとして、……意識を失った。


 俺は、自分の自己満足で動き、人を巻き込み、おそらく殺してしまったのだ。


 だから俺の精神は子供で俺は偽善的な悪人なのだろうと思う。


 だから、俺は……



 

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