コワレ無い箱と壊しタイ人
それは突如として現れた
東京のど真ん中
オフィス街がこれでもかと立ち並ぶそんな道路の中央に
その銀色の箱は現れた
それが現れた時間帯は夕方の六時頃
幸いだったのが突然道路に現れたその正方形の物体が
交通がその時不思議なことに一台も通っていなかったためぶつかることもなかったことにつきる
しかしその物体が現れてから至急道路は封鎖されて一時住民を避難させたが、かれこれそれから一週間
進展の無いまま時間だけが過ぎた
はじめそれは時限爆弾か何か危険物の類ではないかと考えられたが
どんなレーザーを当ててもそれを貫通することはおろか中身がどうなっているのかさえ不明であった
更に悪いことに、その物体がどのようにしてそこに現れたかも分からず
監視カメラには突如テレポートしたとしか思えないくらいいきなりそれが現れた
現に四台のカメラが同時にそれをとらえており
一秒刻みで見ても次の一秒に突然姿を現す
それはまるでテレポートであり
テレポート以外考えられなかった
もちろん運んだ人またはそれに類する物はどこにも写っていない
かくして、政府から何でも屋としてエリートな僕が呼ばれたわけではあるが、、、果たしてどうしようか
そんなことを考えながら報告書を読んでいた
貧乏
僕は今考えていた
「(どうやって死のうか)」
それはもう仕方のないことに思われた
後寿命一年と言われた日
僕は何時のの青いビニールシートと
ダンボールで出来た家に入るなり絶望で泣いてしまった
何もかもが嫌で、嫌無理で
自由を求めてここに来たというのに
僕はその日どうやって死のうか考え始めた
すると人間おかしな物でどこか心が軽くなり
心なしか痛みも引いていくようである
しかし、下見と題して色々な高いところに言ってみるも
どうもその瞬間になると
「(ばかやってんじゃねえ)」
と心の誰かが僕を現実に釘でも打ち付けたように引き留めた
体中がものすごくいたい
正直何時死んでしまっても言いつらさだ
僕はそんなときあることを考えた
「(そうだ電車だ)」
僕はその日いつか分からないパンを口に詰め込んでから外の水道で口をゆすいで、できるだけ人のいる駅に向かった
どうせなら人りよか大勢の方がいい
それに人がいたほうがいざ落ちたときに余りに人が多すぎてわからなそうではないか
僕はそんな算段をしながら歩いていた
そんなとき、どうせなら最後の晩餐としゃれ込もう
そう思い立って、青山のビル街へとふらふらと歩いていく
しかしそこで改めて自分という人間を思い知る
どの店も自分の格好を見ると門前払いを食らわすのだ
もうやけだ
何故に生まれてきたかも分からず
俺は道路に飛び出た
いや出たのだが
その後記憶がなくなっている
どうも、道路に出て
「殺せるものなら殺してみろーー」
と叫んだ気はする
それも空に
そしたら何かがそれからものすごい勢いで落ちてきて
今現在に至る
エリ
まず手始めに土木業者を雇い撤去作業に移る
周りではパシャパシャと写真を取る人だかりがまるで遊園地のアトラクションのように集まり見ている、仕舞いには頭上でヘリコプターが蠅のように飛んでいてうるさい以外に苛つかせるが
しかし逆に言えばこれは実に良く使えるこうきともいえる
見事に私の仕事を上の人間に知らしめれば出世街道も自ずと道を開き
頭を垂れるだろう「(ハーハハハアハハハハハ」)
人しきり心の中で高笑いするのもほんの二日間だけであった
どれだけ巨大な重機を使ってもその金属らしい何かは動こうとせず
仕舞いには穴を掘って堀だそうとするも、その周りだけ異常な堅さを保ち
びくともしない、為にしか以外から調査団を招いたが
地球外の物質と言うこと以外分からなかった
だから何だというのだ
地球を宇宙から見ればそれこそ砂粒以下を何兆も細かく砕いたようなもの
殆どがそれ以外であるからにして、別段驚くべき物ではない
いや驚きすぎるのは良くない
僕はそこで非常にデンジャラスな物を用意する前に行ちお、上に言っておくことにした
「観光し原始でもしますか」と
するとにべも無く
早く始末しないとお前を始末する
と言われてしまったので仕方なく
宇宙のゴミ屑をダイナマイトで壊してみる作戦に出た
貧乏
今俺は困っていた
大きさは俺が縦一人と半分
横一人と半分くらいの大きさで
なおかつ何でも出来たし出てきた
たとえばトイレだが
外がどうなってんのか知らないが
壁からこう「ニュアーーン」と、でてくる、ニュアーンと
ちなみに大便もしょん便器も思うだけで可能で
思うままに何でも出せる、もちんをヲシュレット搭載のポッチャン
便所も出現可能である
更に言うなれば食い物も好き放題だが
運動不足を心配して、毎日主食を高野豆腐に三日目から切り替えた
しかし言うならばあのランニングマシーンもやってみたのだが
外に出たくなるので腹筋に切り替えたのは静かな秘密である
まーとにかく外に出られないことを覗けば世界一の裕福な人間になった気もしたが、一番ありがたかったのは病気が治ったことであろう
気が付くと今まで鉛でも飲まされていたようなからだがいっさい痛みが引き、こう心までぽかぽかと宙をさまよう気がした
そんな贅沢な二週間が過ぎた頃
部屋の壁にモニターが現れた
そこに映し出されたのは白い白衣を着込んだ科学者らしき人間がこちらを見ている
いやモニター越しに見ているように見えるがしかし
しばらく見ているとその映像が、こちらを本当に
もしかしたらもしかしなくても見ているのではないかと思えてきた
そう思う時を失った場所のような気もするし
よくよく見たら道路の真ん中だし
しかし一つ不思議があるとしたら
全く持って音がピッタリと聞こえないことである
そうなると自分はどうやって空気を外から取り入れているのだろうと壁を見て見るもそのような物はなく、不思議なもんだなーと思われた
しばらく平和が続いた
それは何もしなくて良いという平和
何も辛いことが無いという平和
素の自分を曲げなくて良いという平和
果たして平和って何だろうと考えられる平和
を得ていた
エリ
今私は世界の優秀な爆破チームから
とある競技を持ちかけた
それは
「壊すことが出来れば、通常の十倍出す
しかし傷一つも付けられなければ、何も払わないと」
するとアメリカから、金などいらないから壊してやろうというメールが届いた
果たして案の定どうなったかは想像に任せたいがここに記す
周りの住民の避難後
辺りのビルが傷付かないように保護膜を張り
いよいよ準備が整う
相手もよほど気合いを入れてきたと見えて
あからさまにはこの大きさよりも多い爆薬が運び込まれる
しかしそれを見て一言
「ふざけるな」
と言った。もちろんこんな小さな物自分たちで何とかしろという意味だろう、さては手、壊れるところを拝ませてもらおう
金なら政府やら言えないところやらいくらでも出る
問題は壊せない方であった
それは無駄にすさまじい爆風と音をとどろかせ
辺りは一時砂煙で真っ白と言って良かったが
それが晴れて彼らは口々に
「そんなはずは」そういった
それは軽く霧のようにかすむ視界にキラリと光ったのだ
かくして傷一つ一ミリ単位で爆破できなかった彼らにお帰り願い
私は次の手を用意し始めた
貧乏
僕は実にビクビクしていた
奴らは中に人がいるというのに危険な物を周りに仕掛けて
「ドカン」だ、ふざけるにしても加減がある
それにしてもそれを指示している灰色のスーツをした青年が気にくわない
そいつはいつも不適な笑みを浮かべ、これを壊そうとするが今のところヒビ一つ揺れ一つ感じない
そんなことをしていると次第に心という物は恐ろしいもので
何時までも何も出来ないその青年の歪んだ顔が見たくなってくる
どんどん過激かしてもビクともしないこの物体の中にいる僕はまるで
雪の中、温泉に入っているようなものではないだろうか
と言う気持ちになり
どこか神様めいた優越感があった
エリ
その時私はとある案を捻ることにした
昔アマテラスが岩戸にはいってしまったとき
彼女を出すために踊りを踊ったと言うがどうだろう
もしもこの中に何らかの生物がいたら
逆に接待でもして移動してもらった方が得策ではないだろうか
そんなことを考えながら日本のありとあらゆる接待をかき集めてその物体の周りに広げてみた物の
何一つ変わらない
この上は、核爆弾でも投下してやろうかさえ思ったが
結局傷一つつきそうにないので別の案を考える
貧乏
つまりは飽た
あの灰色の男の悔しがるかおも見てしまったし
後はやることがない
本を頼めばいくらでも出るし
女を頼めばラブドールが出てくる
出てくるがいように狭くなるので出入り禁止妄想禁止にしている
更に言うなれば、どこから空気が出ているのかが分からなくて怖くて夜も安眠を削り、翌朝テレビのような画面で
灰色の青年の実に爽やかな顔が恨めしい
後通行人皆恨めしい
風を浴びたい太陽を感じたい
そんなことを思えば
いきなり壁からブラックライトみたいな光線を当てられ
更にせんぷー機により風を当てられる
これはいったい誰に怒ればいいのか
おちょくられている気がしてならない
僕はおもいっきし壁を叩くが
「むにゅーん」と灰色の壁がへこむだけであった
エリ
今日は絶好の曇り日より
朝からなんだか調子が良く
いつもより三本早めに電車に乗り仕事場に登場した
私の仕事は時給性ではない
結果次第でいくらでもその時支給されるが
何も出来なければその時は人生単位でジッエンドだ
それにしても今日は良い天気だ
嵐でも来そうな風に
ドン雲りを伺い知ることが出来る厚い雲
その切れ間を切れるような青が流れる
実に最高の気分だ
片手でスポーツ炭酸飲料を口に流しながら現場には行った
貧乏
今日は奴は誰よりも早く登場した
実に不愉快きわまりないがしかし
今日こそ奴に何かしてやりたい
そうだ、玄関口に唐辛子入りのカステラでも置こうではないか
そんなことを考えていると奴はとんでもないことをし始めた
なんと俺を埋め始めたとだ
そしてそれはどんどん着工を始め
ついに一ヶ月後
自分の上に道路が建設された
それはそんなある日
人気のない丑三つ時
俺は願う
浮上しろと
しかしビクともしない物が動くわけもなくただ俺はコンクリートの下で生きていた
そんなある日
エリート
ついに完成を迎えた
それは当初よりかなり違う物になったがだいたいあっているに違いない
現に三十億という大金が僕の元の入ってきた
さてこのあとは何をしよう
そんなことを考えながら開通式間近のその道路にたったその時だった
その時いきなり地面が揺れ
僕はせり上がっていた
ちょうど謎の物体エックスのま上だったようで
そのせり上がってきた上に乗ったままあげられてしまったようだ
貧乏人
気が付くと朝日がさんさんと僕を画面から降り注いだ
いつの間にか久々に映ったテレビには町の様子が移っている
果たしてこの喜びようと言ったら何なのだろうか
僕は一人床から出てきたクラッカーをかき鳴らしていた