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紅森の即興小説集 ~2014年の挑戦100~  作者: 紅森がらす
1時間挑戦編(主に即興バトル)
93/100

B・M・W

制限時間:1時間 文字数:1262字

声を落として会話している人影が、ふと聞き取れるほどの単語を口に出した。

人影を覗き見ている俊哉は、隣の聡のランドセルを揺すった。

「おい、あいつなんて言った?」

「びーえむだぶりゅー?」

聡は首を傾げながら答えた。

「どういう意味だ?」

「さあ? なんかカッコよさそうだねぇ」

「あああ、もっと聞こえねーかなぁ!」

俊哉はもどかしそうに貧乏ゆすりした。

「うーん、無理。なんか音楽がうるさくって聞こえないもん」

「音楽……、ハッ、後ろで流れてる音楽のことをBMWって言わね?」

「それはBGMだね。バックグラウンドミュージック」

「お、おう」

「僕の推理を聞かせよう」

聡はずり落ちた眼鏡を押し上げた。

「ブラック・グレート・マグナムだ!」

「そ、それはどんな意味だ?」

「僕の好きな英語並べてみた!」

「意味ねぇ!」

俊哉は聡の眼鏡を叩き落とした。

「ひょ、ひょっとしたら」

俊哉は顔を赤らめて思いつきを口にした。

「ば、バストとウエストと……尻のことなんじゃあ?」

男の子っておませさんである。

「バストはBでウエストはWだとすると……Mがお尻?」

聡は両手でMの字を作った。ドナルドマジックでも発生しそうだ。

「確かに盛り上がりが二つある所を考えると、お尻の形っぽいけれど」

冷静に分析したが、

「でもおっぱいとお腹の間にお尻があるのはおかしい」

と至極真っ当な反論を出した。

「そもそもあいつら、片方は聡の兄ちゃんだろ」

「みたいだね。悪いことに手を染めてなきゃいいけど」

聡は肩を竦めた。

「兄ちゃんがやりそうなこと、何かないのか?」

「そういえば、バンド始めるとか言ってたな……」

さっきからかかっている音楽は、彼らの演奏する予定の曲のようだ。

「バンド……Bだな!」

「ああ、そうか。バンド・メンバー…………ウォンテッド?」

聡は顔を上げた。

「お兄ちゃんのグループが指名手配されてるってこと……?」

二人は警察の姿がないか辺りをキョロキョロ見回した。

機材やらパイプ椅子やらが無造作に置かれ、組み立てればライブ会場になりそうな空間である。

「こんなに準備万端にしておいて警察から逃げられるのかな……」

「いざとなったら俺たちがバンドメンバーを守ってやろうぜ」

「バンド・守ろう・我々で!」

「よっしゃー!」

俊哉と聡はハイタッチした。

「ぼくたち、何してんの?」

髪の毛を逆立てた妖怪がぬっと顔を出した。

「ギャー!」

二人は飛び上がったが、よく見れば顔を白塗りにしてメイクをしたビジュアル系お姉さんだった。

「兄のバンドの方ですか? お綺麗ですね!」

聡がおべっかを使った。俊哉も慌ててそれに倣った。

「この世のものとは思えない美人だ!」

お姉さんはハッと笑った。

「ブスが・モテても・笑い種」

「え?」

「あんたたちの真似。……BMWってのはね、車だよ。今度BMW借りて楽器の運搬しようって話になったの」

「なーんだ……」

俊哉と聡は拍子抜けした気分だった。

でも、バンドの練習はまた見に来ようと思った。

お題:つらい妄想 必須要素:BMW

車よく分からなかったのでその足掻きを苦し紛れに妄想対話としてみた感じです…

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