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王子の名は

制限時間:15分 文字数:482字

……うげ。

俺は問題用紙のある写真を見つめた。ちょっと気障ったらしい、男がふんぞり返って座っている。

これ、絶対見覚えのあるヤツなのに思い出せない。

誰だったか……。答案用紙の黒枠を、鉛筆で軽くなぞりながら記憶の底を漁る。

歴史の試験なんだから、歴史上の人物であることは間違いない。

が……、俺は歴史の教科書をめくる度に出てくるヤツらに落書きを施しており、誰がどんな顔をしていたなんて覚えちゃいない……、全員髭眼鏡に頭にうんこ乗せるんじゃなかった……。

この問題が解けなきゃ高校に行けなくなってしまう。

どうにもならなくなった俺は写真に落書きを開始した。

同じ落書きをすれば、ひょっとしたら思い出せるのではないかと考えたのだ。

うん、なんか偉いヤツだったぞ。偉いヤツを落書きの下敷きにする快感が蘇ってきたぞ。

こいつは王子だ。確か。そして名前は……。名前は……。

俺は回答用紙に唯一記入してある個所を凝視した。

名前はこれだ! 俺の名前!

俺は回答用紙にもう一度俺の名前を書き込んだ。

その瞬間俺の顔に髭眼鏡が被さり、頭にうんこが降ってきた。問題用紙通りになった。

お題:見憶えのある王子 必須要素:高校受験

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