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Fin.
制限時間:15分 文字数:350字
勇者一行はめでたく魔王の討伐に成功した。
シスターにしては勝気だった少女、ユリアも旅の中で随分大人びた。
だから、分かっている。この最高の仲間達がいつまでも一緒ではないことを。
「……またね、エンジュ」
まずは炎尾の竜の背を撫でた。
「キャウ」
エンジュはまだ吠え声にならない鳴き声をあげ、空へ飛びあがった。
「元気でね、ティーナ」
『お主に心配されんでも、わらわの種族はニンゲンなんぞより頑丈に出来ておる』
気位の高いエルフはふんと鼻を鳴らしてそっぽを向いたが、こっそり目元をぬぐった。
一人一人に挨拶を続けたユリアは、
「アルスくん」
最後に勇者を見つめた。秘めた思いは、魔王の力と共に優しく消えた。
「さよなら」
勇者は頷くと、次の地へと去っていった。
だだっ広い大地がどこまでも広がっていた。
お題:ラストは光景




