表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/100

最後の昼メシ

制限時間:15分 文字数:550字

明日で会社潰れるってのに通りがかった社食はごった返していた。

「こんな時に悠長に昼飯食ってられるなんてお気楽な奴らだ」

私はため息をついた。

「ラストサービスということで、どんなメニューでも作ってくれるそうですよ」

部下がそう説明した。

「それを早く言わんか」

私は上着を脱いで眼鏡を外した。

「こっちで食う」

列の一番後ろに並んだ。

普段は食券機の前に出来る列だが、今日はオーダー係が立っていてメモを取っている。

「お子様ランチ!」

元気よく注文した社員がいた。呆れて見ていると、

「一回大人になってからお子様ランチ食ってみたかったんですよ! それが会社で仕事の合間に食えるなんて~」

と照れ笑いしながら言い訳している。

なるほど、と思った。郷愁に浸りながら食べる社食も乙なものかもしれない。

私は……。

ふと、自分が新入社員だった頃、なけなしのお金をはたいてラーメンを食ったのを思い出す。

今みたいに麺がちゃんとしてなくて、インスタントにしてもまずすぎる出来だったが。

当時の自分は、自分がこのラーメン並みの出来損ないだと思いながらあれを啜ったものだった。

「この社食が出来た頃のラーメンが食いたい」

私はそうオーダーした。この会社で食べる最後のラーメン。

出てきたラーメンは、塩味が効いていた。

お題:思い出の昼食

主人公を社長として書こうとして方向転換しました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ