34/100
消えていた世界
制限時間:15分 文字数:344字
炎天下、灼熱の砂漠に来たはずが、このどんよりとした粘っこい空気はなんだ?
乗っているラクダの足取りも重く、なんだかガムの山の上でも歩いているかのように妙にのったりしている。
見ると、砂が黒と白のまだら模様をしていて、べとついている。
俺はラクダから降りて砂を踏みしめた。靴底に嵌った砂は、砂ではなく触ってみると懐かしいムニムニした感触だった。これは……消しカスか?
俺はぐにぐにと消しカスを揉んだ。揉んだ消しカスの、黒い部分が繋がって文字のような模様が現れた。
「!」
ひょっとして、俺の目的……、砂漠の下に沈んだ文明の手がかりか?
俺は砂漠……消しカス漠に両手を突っ込み、練り固めた。間違いない。
鉛筆画のように不確かで、今では戦争で何もかも消えてしまった文明が、ここに復元されていく。
お題:戦争と消しゴム
戦争要素が薄いかも




