夜道に轟く
制限時間:15分 文字数:540字
殺人カーブに出る幽霊ライダーの噂を聞いた我々は、早速夜通し見張りをすることになったのだが…。
「ふぁーあ、本当に出るんですかぁ?」
後輩が緊張感のない欠伸で雰囲気をぶち壊しにかかる。こっちは遊びでやってんじゃないんだよ!
「ビデオは回してるから別に寝てもいいんじゃないですかね」
「この目で見届けるんだよ! それこそ我らオカルト研究会の使命!」
私は眼鏡の奥の眼光を光らせた。
「せんぱいー」
「私の決めポーズもちゃんと見ないで何だね君は!」
「出ましたぁ」
「ええっ?!」
急いで眼下の道路に視線を移す、と……
いつの間にか発生していた濃い霧の向こうに、ぼうっとバイクのヘッドライトが灯っているではないか!
「行くぞ!」
私は後輩の手を引いて駆け出した。
「ふあっ? 別にこっちから行かなくても向こうから……」
バイクはゴトゴトと不気味な音を立てて近づいてくる。さあ、幽霊ライダーよ、私の前に姿を現せ!
タラリーラリ
「!?」
今、不釣合いな音が聞こえたような…。
「せんぱあい、急がなくたってラーメンは逃げないですからー」
霧の向こうからゴトゴトと屋台を引いて、ラーメン屋の親父が現れた。
結局、後輩と二人でラーメンの夜食を取っただけだった。
悔しいことに、結構旨かった。
お題:怪しい暴走
一人称複数にしようとして失敗した感あり。暴走要素をライダーにしたけど足りない気がして先輩も走りました




