表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/12

†紡がれる物語の予感

†(どきどき)心臓の弁が異様に働き過ぎています。逆流しないか心配です。†見知らぬ第三者様に拙い自分の作品を読んでいただけるなんて、生まれて初めてです。もしかしたらコレが『最初で最後』ってやつかもしれません。大海を知らないカエルですが、このまま波に呑まれて沖まで流されそうです。うぅ…続くといいね、頑張れ自分!

 《王立主催第1回遺失物捜索大会国王杯開催》


その貼り紙を目にしたのは、アルバイト先の酒場の掲示板。

「何だ? これ…」

おれは仕事の手を休め、テーブルから下げた食器を両手に抱えたまま、貼り紙の続きに食い入る。


この度、新国王即位を記念して、国をあげての大イベントを行います。

ルールは簡単。主催者代表側の提示する題、『遺失物』を規定の期日…つまり、新国王即位式典までに捜し出すというもの。

優勝商品は、現在検討中に加え、賞金1000万アウルム(1万ルクリー)を進呈。

「いっせんまん?!」

黙読していた筈のおれは、思わず声に出してしまった。だって1000万アウルムだぜ? おれのアルバイト代一ヵ月いくらだと思う? 1500アウルム(1.5ルクリー)もらえたらいい方だ。今年のエール一杯の相場単価がだいたい70アウルムだ。こんな大金手にした日にゃ、薄汚い今の酒場なんかやめて、しばらくは遊び暮らすよ。

「マリア! 何そんな所でぼーっとつっ立ってるんだい、この役立たず! 怠け者にくれてやる金なんてないんだよ! きりきり働きな!!」

 ヒステリックな怒鳴り声…。女将に見つかった。

 昔の看板娘は今や金にうるさい銭ばばあ。あーあ、いやだねぇ。そんなに目くじら立てたら、せっかくの若返りメイクの下から、鬼ばばの皺が見えちまうぜ。

 このむせ返るような脂粉の匂い。

 着飾ることで、己を被い隠す女達。

 あぁ、浅ましい。

 これだから女という生きものは嫌いだ。

「はーい、すみません。すぐ片付けます」

何が怠け者にくれてやる金はないー、だよ。世間さまに隠れて労働基準法以下の賃金しか出しやがらねーくせに!

おれは、健気で無垢な《少女の顔》の下で毒づいた。

マリア・クレメンス。それがこの世界でおれの存在をあらわす名前。これは、おれを疎んじていた両親がつけた名前。

何がマリアだ。

 おれは何も生みはしない。男を愛することも女を愛することも出来ない。



そう、おれは…無性体。

†乱暴な書き出し、ご容赦ください。今回は主人公の一人称ですが、本編は三人称で読みやすく進めるつもりです。はわゎ…ごめんなさい!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ