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19話『天狗と商売繁盛』

 江戸の人々は新しい物、珍しい物、縁起の良い物が好きだ。

 社会不安まで陥れて九子がつい売り始めてしまった桑の葉天ぷらは二日目にして驚くほど売れていった。


 昼過ぎには荷車で運んできた桑の葉がまたしても無くなったので、覆面の一人が何処からか鷹を呼び寄せて、足に手紙を結びつけて送っていた。鷹を使って甚八丸と連絡を取り、追加を持って来させるらしい。九子は「忍者か」とツッコミを入れた。

 日常の食べ物にしては多少高価とはいえまさに昨今、雷が恐れられているのだ。賽銭箱に賽銭を投げ入れるかのように祈る気持ちで人々は天ぷらを買い求めた。

 おまけに賽銭箱ならチャリンと音がする程度だが、この天ぷらは非常な美味さがあるのだ。店の中では天丼、天ぷら蕎麦を出していると聞いた客は屋台から買った天ぷらを持って、自宅で天丼にしたり、他の屋台蕎麦屋の蕎麦に乗せたりして食べた。


 幸いなことに手伝いの覆面四人は体力もあって忍耐強い。右から左にひたすら天ぷらを揚げては売る作業を休まずに必死でこなしていった。店だけでなく屋台でも揚げているので生産効率が向上している。

 誰も弱音は吐かず、仕事の手も抜かない。理想的な労働者になっていた。

 というのも、


「お疲れ様。冷たい水を持ってきたから飲むのだぞ」


 と、可愛い女の子(九子)が合間を見て彼らに水だとか、


「倒れぬようにのう。これをお食べ」


と、握り飯だとかを差し入れしてくる。

 一人ずつ、手を握って渡し、にっこりと微笑んでくれるのだ。


「九子の姐さん……」

「好き……」


 生まれてからこの方一度もモテたことのない忍びたちはときめき、脳が沸騰するようだった。

 この子絶対俺に気がある、とも思った。

 自分の身が砕けて死ぬまで働こう、とさえ思った。

 出会ってから一日も経っていないというのに都合よくそう認識して、好きになってしまう哀れな男たちであった。


 もちろん九子の行動は計算ずくで、男どもを倒れるまで不平不満を出させず働かすためにそうやっているのである。

 彼女の経験からしても、あまりモテない男に気を持たせるような真似をして仕事させるのは弊害があるし気が引けるのだが、それよりも今重要なのは仕事がキツイから辞めるとか言われないことだ。

 ただでさえ面接もしていないし労働契約書も交わしていない相手なのだから、なんならいきなり辞めても文句ぐらいしか言えない。だから給金とちょっとした気遣いで引き止めるのだ。

 なお当然ながら忍び連中の淡い思いが実る確率は一切無い。



 店で一番忙しいのは、やることが多岐に渡る九子である。

 列の整理から空いた席への案内、割り込むチンピラをぶん殴っては投げ捨て、屋台の天ぷらを鷲掴みにして逃げる小僧に拳骨を落とすこともあった。

 そうしているとまたも面倒事が起こった。お供を連れたどこぞの武士が肩で風切って現れ、突然行列に並ぶ者たちを追い散らしだしたのだ。


「どけ! 拙者らが優先だ!」

「失せろ下民ども!」

「この御方は旗本家の水野様であるぞ!」


 江戸の階級社会でも、武士は特別であり更に徳川直臣の旗本は大変厄介なお偉方(えらがた)であった。そこらの御家人の武士や諸藩から江戸勤めになった田舎侍ならば小馬鹿にしても良い風潮が町人たちの中であったが、旗本となると無礼討ちが普通にあり得る。

 軽く押し合いになっただけで、無礼だと言われたらたまったものではない。町人らは四方八方に散ろうとして、余計に周辺の混雑は極まった。

 仕方ないので九子が近づき、旗本を宥めようとする。


「まあまあお侍様。皆、並んでおるので後ろについてくだされ。揉め事となると、余計に時間が掛かります故」

「やかましい! 我らが天ぷらを所望しているのだ! 早く差し出さぬか!」


 チャリンチャリンと小銭を地面に放り捨てて、ニヤニヤと悪辣な笑みを浮かべる武士たち。


(こんなに威張り腐ってまで天ぷらを食いたがるか……? たかが天ぷらだぞ)


 九子はそう思った。厭な連中である。暇ならばその茶番に付き合ってやっても構わないが、生憎と店は非常に忙しいのだ。さっさと退散させることにして、さり気なく札を袖の中で摘んで取り、小声で囁く。


「『電撃符』」


 言葉に出さずとも打ち込むことはできるのだが、範囲や威力を絞るために集中するには声に出すと上手に使えるため経験上癖になっている。

 九子が放った小規模な雷は一旦光の筋を残して空まで上がり、そして自然の落雷の如く一番偉そうにしていた旗本の水野何某という男に落ちた。


「ぎえっ⁉」


 殺すほどの威力ではない。しかし店に並んでいた全員が、雷に打たれた武士を目撃した。

 いわば天神様の祟りを目の当たりにしたのだ。

 武士は白目を剥いて全身を脱力させ地面に跪き倒れてから、どっと周囲に喧騒が起こる。


「雷が落ちたぞ!」

「お助け!」


 と、近くに雷が落ちたことで危うく客たちが恐慌をおこしかけたので、九子はよく通る声で白々しく叫ぶ。


「おお、見よ! 割り込みをしようとしたお侍様に、天神様が雷を落としたぞ! 皆の者、割り込みや騒動はいかんぞ! 天神様の罰が当たる! 落ち着いて並び、桑腹桑腹と静かに食べるのだ!」


 暴れたら雷が落ちる、という九子の具体的な説明に雷を恐れる民衆たちは怯えながらも納得した。確かに天神様の怒りを恐れて、言ってみれば信心深く並んでいるところを乱せば天神様も怒るだろう。

 江戸は階級社会であり、武士は町人より偉いことは自明だ。だがその武士が、狼藉を働いたことで神様から罰が当たったら誰が悪いのか? 町人から見ても、武士社会から見ても明らかにその罰が当たった武士が悪いのだ。

 九子は指一本触れていないのだから、罪に問われる謂れはない。


 おまけにその横柄な態度を取っていた旗本が地面にへたり込んだ挙げ句、電撃のショックで小便まで漏らしていたのだから、失笑の嗤いを周囲から受けても仕方なかった。

 慌てて取り巻きが水野何某を担いで逃げ去っていく。彼らも自分の頭上に雷が落ちないか、しきりに怯えていた。


「さあお客さん、雷除けに桑の葉天ぷら。押さずに並んで、買った者は通り抜けてくれ」


 客たちは九子の誘導に従って列を正した。一度、本当に雷が落ちたことで客は素直になったし、本当にこの天ぷらが霊験あらたかなのではないかと噂されるようになった。



 九子は客の対応をしつつ周辺の店や近所とのトラブルを避けるため、天ぷらを手土産に町名主と呼ばれる役人のような立場の者へ袖の下を渡しておいた。

 そうすることで、近所の店から行列がうちの店の営業妨害をしている、などといった苦情が出ても九子有利に仲裁してくれるのだ。

 ただでさえにわかに繁盛店になった場合、他者から要らぬ嫉妬を浴びるのでこういった付き合いが大事だ。

 九子がそう忙しそうにしていると、話しかけてくる者がいた。


「よう姐ちゃん、随分繁盛してるじゃねェの」

「む? おお、小銭で胸揉んできたオッサンではないか」

「オッサンじゃねェ!」


 素浪人風の、大刀一本だけ下げた武士が嫌そうに訂正した。相変わらず薄汚れた着物に、履き潰されかけた草鞋。月代は伸びて無精髭も生やしている。とてもじゃないが、仕官に出向いても門の所で断られること請け合いの風体だ。


中山(なかやま)影兵衛(かげべえ)って名前あんだからよ、拙者」

「ほう、そりゃ済まなんだ。そしてお主も天ぷらか? 列に並べよ?」

「もう買ってきたところだ。まあこの天ぷら様を食わねえと、雷に打たれるんじゃ夜も出歩けねえ。辻斬り斬り商売上がったりだぜ」


 影兵衛は手に持った、塩を沢山振ってある天ぷらをバリバリと齧って「うめェな」と呟いた。だが九子は影兵衛の発言に目を丸くする。


「つ、辻斬り? お主が下手人か?」

「いや違ェ。『辻斬り斬り(・・)』だ。趣味で辻斬りを狙って斬りに行くのが拙者。合法だろ。たぶん。今までそれで十人ぐらい辻斬りっぽいやつを殺してきたけど捕まってねェし」

「っぽいやつ⁉ ……なんかお主、碌でもないのう」


 影兵衛はニヤリと笑った。いかにも碌でもない、辻斬りや悪党相手なら殺し合いしても大丈夫という謎の理屈で動いている殺人鬼だというのに、その笑みは先程の旗本よりは厭には感じなかった。


「つーかこの雷騒動の最中でもウワサの辻斬り出てんだよ。刀盗むやつ。殆どの辻斬り狙いは消え失せたのによりにもよってそいつは出るもんだからよ」

「ほう。雷がガンガン鳴っておるのに、恐れを知らぬのう」


 他の、辻斬りを斬るつもりで市中をうろついていたものや、便乗して夜鷹などを切って回っていた悪党などは天神の祟りを恐れて姿を消したという。

 九子が騒ぎを起こそうと思った理由の一つも、こうして刀を持って徘徊していれば雷に打たれるという噂が流れれば辻斬りも止まるのではないかと考えていたのだが、肝心の犯人だけはまだ活動しているようだ。


「まったくイカれた野郎だぜ。そいつ探して雷に打たれたら洒落にならねえし……桑の葉食ったから今晩から大丈夫だろうがな」

「信心深いのう……」


 とはいえ、ここ数日の雷騒動はほぼ九子が発生源なので、天気もそう悪くないから彼女が狙い打たなければ雷に打たれることはほぼ無い。

 ともあれ影兵衛は桑の葉を食べてでも辻斬りを探すために夜うろつくつもりらしい。もはや不審者である。


「しかし天神様ねえ。天神様って斬り殺せると思うか? 殺せるなら挑戦してみるんだが……」

「するな。昔の戦国武将になんか雷を切った男がいた気はするが……」

「おう。立花道雪な。拙者の爺さんがそういう軍記物好きでな、よく教えて貰ったもんだ。挑戦……やっぱするか?」

「するな。危ない。というかお主こそ辻斬りに間違われて同心にとっ捕まらんように気をつけるのだぞ。見た目は完全にヤバい感じの浪人だからのう」

「ひでェ」


 影兵衛は肩を竦めてなんとも言えない顔をした。


「ま、店が落ち着いたらまた食いにきてやっから、それまでうっかり夜道に出歩いて辻斬りに殺されるんじゃねェぞ。ええと……」

「九子だ」

「九子ね。そのオッペェの揉みごたえは惜しいからよゥ」

「オッペェて」


 影兵衛は軽く手を振って店を離れていった。九子は「ああいう輩が治安を悪くしておるのだろうなあ」と彼を完全に危険なチンピラ扱いしながら客対応に戻った。



 ******



 普段ならば江戸の庶民らも早々と布団に入るほど暗くなった頃、九子は今日の営業終了を宣言して客を外に出した。

 働き詰めであった。一応は交代で食事を取ったり、女房たちは子供や旦那に店の食事を賄いとして許可を貰って持っていったりしていたのだが、暮六ツ(午後六時頃)を過ぎても客足は止まらなかった。


 一日の仕事を終えた労働者たちが話を聞きつけてこぞってやってきたのだ。店は暗くなっても提灯を付けて営業していたが(九子の術符による提灯はやたら明るかった)このままではキリがないとして、店を終わらせた。

 店員たちは六科以外疲労困憊といった様子である。特に関係ないのに労働させられていた石燕など、魂が抜けた表情で座り込んで「もう働かない」とぶつぶつ言っていた。

 忍びたちも初日のバイトで激戦区に送り込まれたことは、鍛えていてもさすがに疲れた様子だ。九子は手を叩いて皆の注目を集めた。


「今日はお疲れ様! 皆のおかげでなんとか乗り切れた。ありがたいことだ……そこで、皆への礼に特別報酬を与える」


 と、合図するとお房が銭の束を持ってきた。溢れるほど手に入った銭を一旦二階に集めておいて、お房に纏めておいて貰ったのだ。

 それでも正確な計測ができないぐらいに売れた。恐らく三万枚以上はあったろう。お房は見たことがない量の銭にまた目を回しかけた。


 とりあえず後で売上は計算するとして、手伝いたちに払う銭だけは纏めておいたのである。

 銭百枚ごとに紐で縛っている棒銭を、一人五本ずつ。五百文のボーナスであった。ずしりとした重さの銭束を受け取った皆は、疲れなど忘れたかのように喜びの声をあげた。

 朝の一朱と合わせて、八百十二文の日当だ。日本円にして一万六千二百四十円。長屋で暮らす女房たちからすれば、一日で家賃分も稼いだのだという実感が湧いてくる。


 朝は金貨で目を引いて、夜は銭の重さで納得を得る。九子は不満などなさそうな様子にホッと胸を撫で下ろした。

 江戸では人件費が安いのが常識だ。それこそ高いのは大工で、天秤持ちは個人事業主だからそこそこの収入である。それにしたって、普通の商店で働いても月に一分(千二百五十文)貰えるかどうかだ。

 それが一日で八百文。大工よりも稼いだという達成感は疲労すら心地よくさせた。

 あくまで臨時雇いなのでいつまで仕事があるかわからないが、それでも銭の重さは人を幸せにする。


「へそくりにしましょ」

「亭主の宿六に渡しちゃ駄目よ」

「これで蚊帳が質屋から買い戻せるわ」


 と、女房たちが喜び、覆面の忍び連中も一日でこんなに稼いだことが無かったので声を弾ませた。


「うおおおおこんなに稼いじゃった……春画買おう春画!」

「お金貯めたら推しの絵師さんに助平な春画注文できないかな! 俺だけのやつ!」

「お前、牛車(ぎっしゃ)と竜がズッコンバッコンしてる絵が好きとか難儀な趣味だからな……」

「おれを故郷から追放した親父と兄貴~! ざまあみろー! 帰ってこいなんて言っても、もう遅いぞ!」

「今夜はお赤飯だ!」


 などなど、皆が大いに盛り上がっている。九子は内心悟られないように笑みを貼り付けていた。


(満足してくれているなら良いことだな。うむ)


 店員に配った金は八百十二文が七人で、五千六百八十四文。一両と六百八十四文になった。なるほど、かなり景気よく配った。

 店の利益は……詳しく計算していないが、四両か五両ほどもあるだろう。故に人件費にそれだけ掛けても十分に儲けることができたのである。

 もちろん、九子の常識でいうところの人件費であって江戸で暮らす庶民からすれば、十二分に気前よく貰っているのだから不満はでないのだが、やはり金勘定は店の者がやった方がいいな、と九子は考えていた。


「それにしても……なんか皆して薄汚れたのう」


 苦笑しながら九子が言う。各々は自らや周囲の者を見て同意し、


「確かにひどいの!」


 と、お房の言葉に笑った。

 なにせ一日中油を扱っていたのだ。揚げ鍋の近くにいたお雪と六科は顔も髪もテカテカとしていて、店内を走り回るように配膳していた女房たちはすっかり着物も緩んでいる。銭を数えていたお房は手が銭の汚れで黒くなり、石燕は髪の毛がベタベタになって海藻のようだ。

 外にいた者たちは更に悲惨だ。跳ねた揚げ油で薄汚れた体に、埃が吹き付けてきて付着してしまうのだ。あちこち走り回って対応していた九子は足まで泥だらけになっていた。


「よし! 風呂代は己れが出すから湯屋にでも行くか。近所の湯屋は確か四ツ近く(午後九時頃)まで開いておったはずだ」


 江戸の湯屋は明確に営業時間が決まっていない。多くは朝五ツ(午前八時頃)から暮五ツ(午後八時頃)までやっているのだが、近所の湯屋は少し遅くまでやっていた。

 福利厚生費として風呂代ぐらい出していいだろう、と九子は思った。

 むしろ明日も仕事があるのだから、身綺麗にして貰った方が良い。

 その提案を聞いて、忍び四人は天神の雷に打たれたかのような衝撃を感じた。


(湯屋……湯屋ってあの混浴の⁉)

(九子姐さんも入る……ってコト⁉)

(おれのチンチンが爆発してどっか行ってしまうッ‼)

(お金を貰えて姐さんの裸が見られるとか……ひょっとしてこれは幻術……‼)

(呼吸を整えろ! なんでもないかのように、自然な態度で行くんだ……‼)


 彼らはあまりに刺激が強い情報を妄想してしまい暴走するより先に感情を一時的に殺した。忍びの技術として学んだマインドセットだ。自意識を殺し、命令に従う人形のように体を動かすようになった。そうしなければ不審な感じになりそうだったからだ。

 コクコクと全員が湯屋に行くことを首肯して、まるでクローンのように同じ動きで並んで、六科に先導されて近所の湯屋へと向かった。

 九子から金を渡された六科が忍びたちの入浴料も払って、彼らは機械仕掛けのように脱衣所で服を脱いで、洗い場で湯を浴びる。


 そして六科と並んで風呂に入った。


 もう時間が遅いので客は彼らだけだった。一日、無数の客が入った垢と汚れが浮いてやや汚らしくなった湯の中を、男が五人だけ入っていた。


「……」

「……」

「……」

「……」

「うむ」


 六科の呟きに、つい四人が一斉に感情を取り戻してツッコミを入れた。


「女の子は来ないのかよ⁉」



 九子らはお雪の事情もあるので長屋の裏で盥に湯を張り、ゆったりと体を洗っていた。

 お雪が入浴しやすいようにと、ついこの前に大きな盥を買っていたのがちょうど良かった。

中に入ったお雪の体をお房が綺麗に洗ってやり、もう一つの盥では九子と石燕が重なり合うように湯に入っていた。


「まったく。家に戻るのも面倒だからここで入るが、随分立派なお風呂だね! タダ働きさせられた後に相応しいではないか!」

「まあそういうでない。『快癒符』をくれてやっただろう。あれ使えば疲労は取れるぞ」

「ともかく、肉体労働は私の趣味ではない。今晩は帰るから、送っていってくれたまえ」

「仕方ないのう」

「仕方なくない! この駄肉め! この胸で天狗とはどういうことかね! もにゅんもにゅんめ!」

「くすぐったいのうー」

「先生。あたしは九子に空を飛ばせて貰ったの」

「ずるい! 私も飛びたい! 雲より高く! 月まで送ってくれたまえ!」

「死ぬぞ。途中で」

「はふぅ……気持ちいいですよう」


 長屋の裏手で入浴する彼女たち。


 その姿をどうにか見られないものかと、夜目を凝らして長屋の男たちは障子の隙間からじっと見ようとしていた……



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女のジゴロはなんていうんだろう…?転がすのが とても 手慣れて いますね 給料だけ見れば破格だけど、この激務がしばらく続くとなればどう思うだろうねぇ。その日暮らしが大半のようだし、女房は連日は手伝っ…
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