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第6話

 ともかくこういった背景から、自分は文武両道で自らを鍛えると共に、日本各地の情報収集に努めることになった。

 そして、得られた情報については、できる限り石川数正らとやり取りをして自らの血肉、才能等の基になるように努めた。

 とはいえ、1559年生まれの自分の頭脳では、そういった情報を自らの血肉にするのは一苦労どころでは無かったが、ともかくそうやって自分を鍛え上げていたのだ。

 だが、それが皮肉なことに史実同様(?)に織田信長に自分は目を付けられて、信長の娘の五徳を正室に迎えざるを得ない事態に自分はなっていたのだ。


(敢えて現代流に言えば)1561年に私の父の松平元康と織田信長は停戦協定を結んでいたが、それは同盟関係とは言いづらい代物だった。

 実際に松平家と織田家はお互いに軍事支援(援軍を送る等)をしていなかったからだ。


 だが、永禄の変(時の将軍である足利義輝が三好義継らの軍勢に弑逆された事件)による混乱から、足利義輝の弟の義昭殿が越前に逃れて、そこから諸国の勢力に三好義継を討伐して自分を将軍にするように働きかける事態が起きたことから、情勢は激しく動くことになった。

 織田信長も父も義昭殿の呼びかけに応じる姿勢を示し、それを周囲に明確に示す証の一つとして、自分は五徳と結婚することになったのだ。


 そして、1567年に私は五徳と結婚することに、様々な信長と父のやり取りの末になり、更にこれによって攻防合わせた軍事同盟を締結することになったのだが。

 これは私にしてみれば、完全に死亡フラグが立ったようなものだった。

 何れは来るとは覚悟していたが、まさか数えの9歳の身で五徳との結婚という死亡フラグが立つ等、私にしてみれば完全に想定外だ。

(歴史を知っていれば、予め覚悟を決められたのかもしれないが、まさか数え9歳の身で死亡フラグが立つ等、普通の人程、予測できないと考えるのは私だけだろうか)


 最早、今となっては自信が無いが、自分が海上自衛官の幹部候補生時代に習った天測航法に頼って、日本国外に逃亡するしか、自分の生きる路は無いのではないか、とまで私は考えた。

 とはいえ、そんなことをいきなり言い出しては、自分が発狂したと思われて、逆に父に殺される運命が自分には垣間見える。

 どうすれば良いのか、自分なりに考え込んだ末、ほんの僅かかもしれないが、一筋の細道に自分は縋ることに決めた。


 私は表向きは鉄砲の調達等を理由にして、そちらに情報収集の力をいれた。

 実際に1560年代になると、日本でも徐々に鉄砲の威力が周知といえるようになっていた。

(例えば、史実でも1566年には鉄砲によって備中の三村家親が宇喜多直家の部下に暗殺される等、鉄砲の使用が1560年代後半以降は当たり前になっていたようです)

 こうしたことから、私の考えに石川数正らも賛同して、鉄砲の調達を図るようになった。


 だが、その一方で、鉄砲は銃弾、火薬が無いと役に立たない代物であり、火薬の原料の一つである硝石を南蛮からの輸入に完全に頼っていたと言っても過言でないのも、日本の現実だった。

 そして、硝石を輸入しようとすると、極めて高値になるのが必然になっており、そういった背景から戦となれば1挺の銃が2発撃てれば幸い、ということさえも稀どころか当然に当時はなっていた。

(この頃の戦からすれば、鉄砲を2発ほど撃てば、弓戦になって、更に槍を装備した足軽等を前線に投入する以上、そんなに問題で無かったという現実もあるが)


 だが、それでは鉄砲等の火力充実が充分でないままになってしまう。

 私は少しでも安く硝石等を手に入れるべきだ、と周囲に叫んで、その方策を図るように訴えることになった。

 私が調べる限りですが、この当時はほぼ完全に火薬の原料になる硝石については、日本は輸入に頼っていたようです。

 そして、火薬が無いと鉄砲は役立たずな訳で。

 そうしたことから、少しでも安く硝石をという主人公に周りも賛同することになります。


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[良い点] 現時点で69話まで投稿されており、書き続けている点。 [気になる点] ()による説明が多すぎる点。できるだけ地の文や会話にて説明したい内容が読者に伝わるように文章を構築したら良くなる気がし…
[良い点]  当時は買うのが当たり前と思われていた硝石に目をつける9歳児(・Д・)聡い石川数正さんにこの若君がどう見られているのか気になる読者♪ [気になる点]  前作主人公頼家さんを彷彿とさせる海外…
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