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後書きと言うか、反省文と言うか、という話で本当にすみません

 色々と感想欄で言われたこともアリ、割烹で述べたこともあって、急きょ、追加することにしました。

「転生したら、松平信康でした。何としても生き延びるために努力したら、世界史が変わってしまいました」(以下、「転生、信康」と基本的に略します)について、後書きを投稿することにします。


 それこそ幾つか批判的な感想を寄せられており、私自身も、それに対する後書きと言うか、反省、感想返しをこの際にまとめて行いたい、それを本編の後に附加するのが無難だ、と考えた次第です。


 さて、そもそもの「転生、信康」の発端ですが、昨年の大河ドラマを時折、斜めに視聴していて、信康が転生者で運命回避に努めていたら、と私が考えたことからということになります。


 その時点では、信長、家康の下を悪戦苦闘の末に日本本国外に信康は逃げて、その後の信康は安楽に暮らして、幸せな結末を迎える程度の話でした。


 でも、実際に小説の執筆以前の大プロットの設定を始めると様々な要因(それこそ、史実の事件から登場人物の生年から婚姻時の年齢、又、初子に恵まれた際の年齢等、様々な件を時系列にして年表化をして、それから大プロットを作っていくと、この大プロットは成立しない、ということが起きるのが当たり前といっても、少なくとも私の中では過言では無いのです)から、これではダメだ、と私は考えることに。


 そうしたことから、設定を何度もやり直した上で、執筆開始時点での大プロットを何とか固めることになりました。


 尚、「信康、転生」の小説の執筆開始時点での大プロットですが。

 武田信玄との決戦で織田信長が横死して、結果的に織田、武田、徳川の三国同盟に至り、又、足利幕府が足利義助の下で再興される。

 その上で、よくある話だ、と私自身も自嘲しましたし、この時代を描く仮想史小説ではありきたりの気が私もしてなりませんが。


 日本を統一した政権(この世界では足利幕府)が東南アジアに侵出して、具体的にはフィリピンやマレー半島に勢力を扶植して。

 信康は、マニラかシンガポール総督になって、人生の最期を迎える話の筈でした。


 更に言えば、この時点では全部で60話、9万字程の予定の中編小説だったのです。


 ところが、実際に書いてみると長くなる一方になりました。

 それこそ信長の横死は10話目程度の予定だったのが、19話目に。

 

 更にこの時代の東南アジアの現状について、改めて執筆中に調べていくと、マニラ・ガレオン航路というモノまであるのが分かりました。


 この航路ですが、1565年に史実では開設されて、ナポレオン戦争の頃まで運航されていたマニラから明(後に清)に、更に太平洋を横断してメキシコに、その後でメキシコからマニラへ船は帰還して、メキシコで荷揚げされた産物、絹織物等はメキシコから欧州に運ばれた航路になります。


 更に言えば、この航路に投入されたガレオン船は、16世紀中にフィリピンで南洋材で建造されるようになっており、排水量は最小1700トンで最大2000トン、乗組員を除いた船客は1000人に達していたというネット情報までが、私の目に入りました。


 それを見た瞬間に、私の脳内の色々なモノが奔りだすことに。


 ということは、フィリピンで建造されていたガレオン船に関する、この当時の様々なノウハウ(ガレオン船建造や太平洋横断に必要な天測航法等々)を日本が入手すれば、太平洋横断を実際に日本が行うことは可能ではないか。


 そして、マニラ・ガレオン航路を地図に落とし込んで考えれば、日本は現実世界で言えば、カリフォルニアへの入植を図ることを容易に行うことが出来る筈。

 万が一、スペインがこれに気が付いたとして、実際に本国から遠く離れたカリフォルニアへの数千人、数万人規模の侵攻作戦を展開できるのか。

 この当時の欧州情勢から言えば、スペインは本国及び欧州の勢力圏を最優先にして、陸海軍を展開せざるを得ず、カリフォルニアへの侵攻作戦等は出来ない筈、と私は考えることになりました。


 更にカリフォルニアに強力な前進拠点、植民地開発を行うことが出来れば、それこそ第二次英仏百年戦争(1689年~1815年)の前半期(フレンチ=インディアン戦争まで)に、北米の英国植民地が果たしたような役割を、カリフォルニアは果たすことが出来て、中南米大陸からスペインやポルトガルを追い出せるのでは、と私の考えが進みました。


 そんなことから、急きょ大プロットを変更して、海外侵出編が長大化することに。


 更にここまでのことを、日本(具体的には足利幕府)が行う以上、諸外国との利害調整を行った上で、戦略的に海外侵出を図らないと却って不自然、と考えたことから、本来ならば外伝として描くべき織田信房を登場させて、オスマン帝国と交渉させて、インド洋方面への侵出を描くことに。


 そうなってくると、私が既に描いている「戦国に皇軍、来訪す」で日本が展開した国家戦略をほぼ踏襲したような国家戦略を、この世界の日本も行うという事態に。


 一部の方には、「頼家転生」の二番煎じと言われているようですが。

「頼家転生」では、一般にポリネシア航法と呼ばれる方法を活用して、南太平洋経由で南米大陸到達を果たしており、「信康転生」とは太平洋横断の方法が全く違います。

 むしろ、「戦国に皇軍、来訪す」の方が、「信康転生」に近い話になります。


 ということは二番煎じどころか、三番煎じかい、というツッコミの嵐が起きそうですが。

 日本の地政学的における位置関係を考えれば考える程に、どうしても国家戦略は何番煎じにならざるを得ないのです。


 勿論、それこそ超火葬展開で、明や朝鮮と真っ向勝負で殴り合って、史実の豊臣秀吉が夢見たように明を征服してしまう、という話を描いてもいいかもしれませんが。

 そんな話を私はどうにも書けません。


(日本が信康一代の間に、喜望峰周辺からインド洋、太平洋を経て、メキシコ経由でカリブ諸島にまで侵出する話の方が超火葬だ、というツッコミの嵐が起きるでしょうが)


 そして、そんなこんなを書いていくと、話が延びる一方に。

 とはいえ、エタりたくないし、早く「戦国に皇軍、来訪す」の第13部を描きたいし、の板挟みになって、本当に一部の方から言われるように最後は粗筋に。

 無計画な作者ですみませんでした。

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― 新着の感想 ―
頑張って❣
技術歴史の踏倒しも色々特に苗代を油和紙で作るとか公衆衛生学など読者には当たり前のことはやってもらいたいと思います。あの時代寒冷期で 農業生産落ち込んで戦乱になっております。
[良い点] 自分が描こうとして挫折した小説の大筋に近い結末になっていてちょっと感動しています。いずれにしても完走おめでとうございます。 次回作に期待しています。
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