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第100話

 こういった状況を見て、私は更に動いた。

 朝廷や幕府に働きかけて、佐竹家にもカリフォルニアに赴いてもらったのだ。


 表向きはカリフォルニアに金銀銅の鉱山が無いか、佐竹家に調査してほしいとの名目だった。

 実際に佐竹家は常陸において、幾つかの金山を開発して持っており、鉱山の開発事業に通じた面々が家臣団の中にいたのだ。

 私としては、佐竹家を活用することによってカリフォルニアのゴールドラッシュを、史実より早く引き起こして、カリフォルニアの開発費用を賄おうと考えたのだ。


(もっとも私が欲を掻きすぎたのが悪かったのか、1599年現在、未だにカリフォルニアでは、金が見つかっていなかった。

 カリフォルニアのゴールドラッシュが何処で起きたのか、正確な知識が私にあれば良かったのだが、そこまでの知識が私には無かったので、それこそ手当たり次第に探すしか無かったのだ)


 そういった朝廷や幕府の働きかけを見て、他の奥羽の大名家、最上家や相馬家、南部家等も忖度した行動、具体的にはカリフォルニアの開発に協力するとして、一族や重臣と言った面々をカリフォルニアに送り出す事態が起きた。


 実際に朝廷や幕府にしても、そういった奥羽の大名の行動を歓迎した。

 カリフォルニアの開発費用は、それなりどころではなく掛かる代物であり、徳川家やそれに協力する面々だけでは、中々開発が進むものでは無かった。

 とはいえ、スペインという脅威がある以上、そうのんびりと開発していくわけにもいかない。

 だから、奥羽の大名が人を送り、更に金も出すというのは、私にとっても極めて有難い話だった。


 そういった様々な人や金や物の協力があったことから、カリフォルニアは、現地の住民と合わせればになるが、約30万人の人口を誇る日本の植民地になって、十二分にメキシコを始めとするスペインの中南米への植民地に侵出するための橋頭堡としての役割を十分に果たせるように、1599年までに至ったのだ。


 私はこういった状況を踏まえて、いよいよメキシコ侵攻作戦を立てることにした。

 実際に侵攻作戦を発動するのは明年春と考えて、それまでに具体的な兵力等を調えるのだ。

 そして、実際には日本本国からの協力を求めることにもなるだろう。

 それこそ、兵は多ければ多い程に良いのが現実だ。


 そして、幸いなことに、インド洋方面への日本の侵出は一段落と言って良い状況にあるらしい。


 セイロン島を始めとするポルトガルの植民地というより拠点は、日本の攻勢の前にほぼ消滅状態に陥っている。

 当然のことながら、ポルトガル陸海軍も、インド洋に存在しない惨状だ。


 又、喜望峰周辺における日本の植民地開発は順調に進んでおり、それこそガレオン船からなる軍艦20隻が、喜望峰周辺に常駐するようになって、インド洋方面へのポルトガルを始めとする欧州勢力の侵入を阻み、又、大西洋方面で散発的に海賊行為を行って、スペイン、ポルトガルの気を引いている。

 それに加えて、インド洋各地に日本の軍艦は散在して海賊の取締り等を行い、日本の西太平洋からインド洋の交易路を保護して、日本本国に交易による莫大な利益を恒常的にもたらす状況にあった。


 こうした状況にある以上、インド洋方面への侵攻に投じられていた日本軍の戦力の一部を、メキシコ侵攻作戦に投入することは充分に可能だろう。


 朝廷や幕府に依頼して、そういった戦力を送って貰うとすると、やはり来年、1600年の春を期してということになるか。

 

 ともかく、今、カリフォルニアにいる面々、私の部下や奥羽の大名達の意見を聞いて、それを取りまとめた上で、朝廷や幕府に働きかけるとするか。

 私はそう考えて、私の部下や大名達を集めることにした。

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