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前世は拾われた猫だったので転生したら人間を拾っています  作者: PYON
第3章 隠者ブラックウッド
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16

 これは美しい石造りの町だ。

 中央には噴水があり、花壇もきちんと手入れされている。

 人気はないが、ところどころにゴーレムの姿がある。

 門にいたような大きなものから人間くらいの大きさのものまで。

 森の奥深くにこんなところが。

 人間の技術でこんなことができるとは思えない。


「ドラちゃん、このおじいさんは?」

 少女が猫ちゃんに話しかける。


「にんちしょうのおじいちゃんだにゃん。

 はいかいしていたにゃん。

 だから、ここにつれてきたにゃん」


「そうなんだ。

 かわいそうな人なんだ」

 少年が優しい目でわしを見る。

 なんだ、その目は。


「わしはブラックウッド。

 元ロラン王国の魔導士長だ」


「うんうん、わかったよおじいちゃん。

 偉い人なんだね」

 若者はわしの手を持って、やさしくうなづく。

「かわいそうに。

 おじいちゃん、ぼけてるのね」

 少女も優しい目でわしに話しかける。


「ちがうんだ。わしは」


「はいはい、わかってますよ。

 村でも、そういう老人はいたからね。

 ここは大丈夫なところだからね」


 完全にボケ老人だと思われている。

 そうだ。魔法を使ったら信じてもらえるかも。


「ファイアーボール」

 火の球を放とうとする。

 この速度で火の球を展開できるものはいないだろう。

 どうだ。


「あぶないにゃん」

 わしの火の球は、猫ちゃんが消滅させる。

「森でも火を使って危なかったにゃん。

 完全にボケてるにゃん」


「かわいそうに。

 でもこの町なら、ぼくたちがいるから大丈夫だ」

「そうね。ちゃんと面倒をみましょう」

 少年と少女はそう言ってうなづくのだった。



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