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「これ以上やったらダメにゃん」
いきなり足元に猫ちゃんが現れる。
えっ、猫ちゃん、瞬間移動したのか。
いまのいままで、あっちの祭壇のところにいたのに。
それにあのわしの渾身の魔法が一瞬で消されてしまった。
これは、わしたちの理解を超えている。
わしらの魔法防御は障壁で防ぐのが一般的。
そして、わしが開発したのが、そもそも魔法を発動させないという方法。
相手の魔法術式を書き換えるとか一部を消すとかいう方法。
しかし、発動した魔法を消してしまうなんて方法はみたことがない。
とにかく、この猫ちゃんはわしらの魔法を超えている。
ちがう、この猫ちゃんの前ではわしらの魔法なんて児戯に等しいのだ。
参った。わしはこの猫ちゃんに弟子入りしよう。
「わかりました。
わしの負けです」
わしは膝をつく。
「お年寄りが魔法を使ったら危ないにゃん」
「はい。もうしません。
だから、あなたさまの弟子にしてください」
「弟子?にゃん。
それは食べるものにゃん?」
猫ちゃんは小首をかしげる。
「あなたの下僕にしてください。
なんでもしますから、いっしょにいさせてください」
「わかったにゃん。じゃあ、ぼくの町の住人になるにゃん。
おまえで3人目にゃん」
「えっ?いっしょにいさせてもらえるんですか?」
「ドラは困った人を助けるにゃん。
にんちしょうのお年寄りは助けなければならないにゃん。
テレビでいってたにゃん」
にんちしょう?もしかしてまだまだ半人前の魔導士のことか。
そのとおりだ。わしはまだ魔法の入り口にたっただけだったんだ。
「はい。そのとおりです。
わしに魔法を教えてください」
「じゃあ、ついてくるにゃん。
その前にお年寄りの足じゃあ、あんまり速くあるけないにゃん。
ぼくに触れるにゃん。ぐるぐるをあげるにゃん」
猫ちゃんは撫でてというように頭を差し出す。
わしはその頭に手を置くのだった。




