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前世は拾われた猫だったので転生したら人間を拾っています  作者: PYON
第3章 隠者ブラックウッド
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10

 貧しい村だな。

 トライアの村について正直な感想だった。

 王国にいたたきには気が付かなった。

 わしは、魔法は人々が幸せになるために使うべきだと考えていた。

 しかし、こういう現実をみてしまうとただの空論にすぎなかったと思い知らされる。

 共和国でさえこうなのだ。

 王族独裁のロラン王国ではもっとひどいのだろう。

 とくに少数民族の住む村は。そう聞いている。


 まだ、魔法というのは民のものではない。

 魔法を民主化できれば、少しはましになるのかもしれない。

 たとえば、遠い泉まで水を汲みに行くこともない。

 火も簡単に起こせる。

 子供たちの仕事も減らすことができるだろう。

 そのためには、魔法をパッケージにして道具に組み込む。

 古代魔法ならそれができるかもしれない。


 さて、この村も貧しく、また周りに強い魔物もいるため、村の中での細々とした農業でしのいでいる。

 子供たちの大半は、他の町に出稼ぎにでることになる。

 教育のない村の子供は半ば農奴に近い形で職を得ることとなる。

 その悪循環が村に暗い影を落としていた。

 わたしは、魔法猫の情報に多くの礼をすることにした。

 ただ、そんなもので好転するような状態でないことは承知している。

 自己満足にすぎないのはわかっているのだ。


 わしは、村を出て深淵の森の奥に進む。

 途中までは村人に案内してもらった。

 村人もそれ以上踏み入れたことのないところまで行く。

 そこで、村人たちと分かれる。

 老人の好奇心のために命までかけさせるわけにいかないからな。


 とちゅう猪を火魔法で仕留めて村人たちに渡した。

 もちろん、礼も十分にしておいた。

 そして、彼らのこれからのことを祈って、別れた。


 ここからはサバイバルだ。

 都会でしか生活したことはないんだが、なんとかなるだろう。

 それなりに知識は持っている。

 食べられるものくらい森の中で探すことができる。

 また、バリアをはることができる。

 これは休むときの必須能力だ。


 あと、わしは付与魔法にも長けている。

 といっても、この魔法はみんなバカにしているものだ。

 わしは、この魔法は素晴らしいものと思っている。

 自分を強化することができるのだ。

 ただ、それは地味なもので、目に見ることができない。

 だから、軽視されているのだ。

 あまり研究もされず、残されているものが少ない。

 本当はこれを鍛えたらすごいことになるような気がするのだが。

 

 まずは、これだ。

 わしは飛翔の魔法を展開し、大空に飛び上がった。


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