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前世は拾われた猫だったので転生したら人間を拾っています  作者: PYON
第2章 S級冒険者炎王アッシュ
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 ガウェインはぼくの狐火を正面から受け止める。

 そのとたん、ガウェインの剣が折れて飛ぶ。

 それだけでなく。ガウェインは後ろに吹っ飛ぶ。


 あくまで、ぼくの攻撃を受けようというのか。

 王者の戦い方だ。

 相手の技を受けきって、最後自分の攻撃で倒す。

 そのことで、相手の心も折ってしまう。

 もし、生き残っても2度とガウェインと戦おうとは思わないようにする。

 さすがランスロットさんに並ぶ超人だ。


 たぶん、受けきられるだろうけど、次の攻撃だ。

 第三段階、これが初級の最後だ。

 炎蛇、炎のビームだ。

 ぼくは構える。

 基本突きの構えだ。


 ガウェインはよろめきながら立ち上がる。

 そして、笑う。

 その笑い方は肩をすくめて、なんか卑屈な感じだ。


「もう、十分っす。

 降参です。もう許してください。

 山賊なんてもうやめます。

 え、ランスロットさんの弟子でしたか。

 さすがですね。やっぱ剣神っていわれるだけあって、弟子まで強いんですね。

 すみませんでした。

 もう、アッシュさんには逆らいません。

 ごめんなさい、ごめんなさい

 命だけはお助けください」

 膝をついて、何度も地面に頭を打ち付ける。

 この人、本当に剣皇とかいう人なの?

 まさか、これも作戦、近づいたとたんに攻撃をするとか。

 もしくは影武者。

 ぼくは、用心のため剣を振り上げる。


「ひぃ、すみません、すみません。

 許してください」

 目の前でぼくを拝んで泣き出すガウェイン。

 なんか、ほんとにおびえているように見えるな。


「アッシュ。もう許してやれ。

 このまま、ギルドに引き渡そう」

 ライオネルさんが、ぼくの肩に手をかける。


「はい、ライオネルさん。

 でも、この人、偽物かもしれません。

 ランスロットさんに並ぶ人がこんなに弱いはずありません」


「いや、おまえが強すぎんだよ。

 おれも、おまえと戦って一合も交えられる気がしない。

 その点で2回攻撃を受けたガウェインはやっぱ強いんだよ。

 とにかく、勝利を叫んでくれ。大将」

 ランスロットさんの言葉にぼくは腕を振り上げる。


「敵の大将、ガウェイン、落としました!」

 ぼくがそう叫ぶと、冒険者側はみんな腕を振り上げ勝鬨をあげるのだった。



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