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あの、鬼、いやランスロットさんが逃げたって。
やばいな。
俺ごとき瞬殺だろうな。
でも、みんなのためにできる限りのことはやろう。
ドラにもらった命、町や友達を守るために使おう。
ぼくも前に出る。
「俺はアッシュ、B級冒険者だ」
「おまえがランスロットの弟子だって。
少年じゃないか。やめておけ。命を粗末にするな」
「そういうわけにはいかないです。
ぼくは町のみんなを守らないとならないんです」
「そうか。
じゃあ、剣を合わせてやろう。
ただ、俺は手加減はできないんだ」
「いいです。
ぼくも本気で行きます」
ぼくは剣を抜く。
それに合わせてガウェインも剣を抜いて構える。
ぼくは、間合いをとってガウェインの周りをまわるように動く。
そうガウェインの隙をつくためだ。
「どこからでも打ち込んで来い」
ガウェインも、ぼくの正面にくるように動く。
それにしても、おかしい。
なにがって?それはガウェインは隙だらけなのだ。
ただ、安易には打ち込めない。
それはランスロットさんと同じ作戦なのかも。
ランスロットさんは一か所隙をつくっておいて、ぼくがそこを攻撃すると、それに合わせて打ってくる。
つまり、罠をはるのだ。
たぶん、戦略としては正しい。
隙をつくることにより、相手の攻撃を制御する。
どこに攻撃が来るかわかってたら、対処は簡単だ。
でも、すごい。
ガウェインの隙は一か所じゃないのだ。
っていうか、隙だらけと言ってもいい。
逆にどこから攻撃していいかわからない。
やっぱ剣皇と言う名は伊逹じゃない。
たぶん、さっきから見てたけど、この人の動きは速くない。
だから、剣の力がすごいんだと思う。
ぼくの武器はスピードくらいだ。
とにかく、何か攻撃をしないと始まらない。
ぼくは、小手と胴、面にできるだけ速い攻撃を繰り出すのだった。




