50
梁山泊の前で冒険者は集合する。
全部で100人程度の集団だ。
鋼鉄の翼8人、紅の麒麟6人、猫の尻尾2人が中心メンバー。
今回もD級以上の冒険者は強制参加だ。
もし、ぼくたちが負けたらランベールの町は盗賊団に滅ぼされるだろう。
領主の騎士団があるが、町を守る気はゼロ。
たぶん自分の城だけを守るだろう。
騎士団が勝つ可能性は薄いが、勝ったところで多くの死者を出すだろう。
とにかく、ぼくたちは勝たなくてはならなのだ。
目の前の砦は、山城という感じ、天然の岩場を利用して要塞を築いている。
攻めるのは難しそうだ。
「アッシュ、俺らが門を破るから、突入してガウェインを討ってくれ」
ライオネルさんが作戦を伝える。
「それは難しいと思います。
ライオネルさんは正門の前に敵をひきつけてください。
ぼくとミリアは勝手口から入ってガウェインのところを目指します」
「それは危険だ」
「しかし、正面突破は犠牲が大きすぎます。
まず、勝手口から入って正門を開けます。
そこから突入してください。
っていっても基本は陽動です。
無理はしないでください」
「それは可能なのか」
「はい、大丈夫です」
ぼくは微笑む。
たぶん、あの勝手口をやぶるのは簡単だ。
「では、頼む。
絶対にやつらをひきつけてやる。
なあ、みんな」
「オー」
みんなが鬨の声をあげる。
「それでは行ってきます。
ミリア、いくぜ」
「はい」
ぼくたちは走り出す。
そう正門の横の小さな入口を目指して。
ミリアが氷の槍を撃つ。
その氷の槍は正門に突き刺さって門を破壊する。
ぼくは剣に炎の魔法をこめて剣を振り下ろす。
剣がまとった炎は、剣の指した方向へ飛んでいく。
そして、通用口にぶつかって扉を破壊するのだった。